京都医塾化学科です。
このページでは,自治医科大学2022年度前期試験の化学の問題について分析します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“自治医科大学”の受験を考えている方
・“自治医科大学の化学がどのような問題か知りたい”という方
におすすめの記事です。興味のある方はご一読ください。
目次
概要
【形式・制限時間・配点】2022年度(最新の問題より)
形式:マークシート方式
時間:理科2科目で80分
問題数:25題
配点:理科1科目で25点
出題の傾向と特徴
【例年の出題傾向】
マーク式で、ほぼ一問一答形式の小問が25題(各問の選択肢は5つ)という特殊な出題形式です。理科2科目で80分と解答時間も短いのが特徴です。分野別では、例年、理論:有機:無機=10:10:5程度のバランスで出題されています。難易度はいずれも基礎レベルですが、知識の穴をつくらず即答できるかが問われます。
2022年度(最新の過去問)の分析
ここからは、2022年度の入試問題を分野ごとに分析します。
(※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。)
【理論化学】
例年10題前後が出題されていますが、2022年度は14問が理論化学分野の問題でした。2022年度の出題テーマは
「沸点上昇、凝固点降下、溶解度、混合気体、結合と結晶、電気分解、平衡、炎色反応、電子数、逆滴定(食品のタンパク質含有量)」です。
(講評)
理論化学の各分野の基礎問題が出題されています。基礎知識や計算問題の解法がすばやく正確に引き出せるように練習を積んでおくことが大切です。
【無機化学】
例年、5題前後が出題されています。2022年度は理論化学分野の問題がやや多かった分、無機化学分野の出題数は2問と少なめでした。2022年度の出題テーマは
「アンモニアが関わる反応、乾燥剤・アマルガム・テルミット反応・クロム酸イオンによる沈殿に関する正誤問題」です。
(講評)
出題数は多くありませんが、工業的製法や、典型元素・遷移元素の各元素の知識が広く問われています。単体や化合物の性質と製法を体系的に学習し、知識に穴がない状態を目指しましょう。
【有機化学】
毎年10題前後、出題されています。2022年度の有機化学の出題数は9問でした。出題テーマは、
「プロパノールの構造異性体とその性質、有機化合物の分離、医薬品、ゴム、高分子に関する正誤問題、アミノ酸、合成高分子に関する文章の穴埋めの正誤問題」です。
(講評)
理論分野に次いで出題が多い分野です。各物質の性質、反応、検出は確実に抑えておきましょう。また、各物質同士の相互関係も重視されるので、反応系統図をきちんと埋められるように、基本的な物質についてはしっかりと押さえておきましょう。また、医薬品に関係する化合物については、サリチル酸メチルなどの基本的な化合物に加え、サルファ剤など教科書の欄外の知識も必要とされます。さらに高分子分野については天然高分子の糖類やアミノ酸の問題に加え、合成高分子の知識問題や計算問題の出題もみられるので、これらの対策もしっかりと行っておきましょう。
【総評】
理論化学の出題の割合がやや多かったものの、難易度・問題形式・出題分野のいずれもほぼ例年の傾向通りでした。
【制限時間に対する問題量】
理科2科目で80分という他の大学には見られない試験時間の短さに加え、ほぼ一問一答形式で25問という特殊な出題形式なので、各問題をいかに手早く正確に解き切れるかが合否を分けます。難易度自体はほとんどが基礎レベルなので、基本的な知識・解法については即答できるようになるまで繰り返し定着を図りましょう。また、計算問題についてはすばやく正確に計算が行えるよう、日々の学習から制限時間を意識した演習を行っていきましょう。特殊な出題形式なため、直前期には過去問演習が非常に有効です。すぐに解けそうにない問題は飛ばして、解きやすい問題から片付けるなど、得点率を最大化するための時間配分の仕方を練習しておきましょう。
まとめ
というわけで、今回は自治医科大学の2022年度の化学の入試問題についてまとめてみました。皆さんの参考になれば幸いです!
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