東邦大学医学部は、東京にある中堅私立大学医学部として人気がある大学です。
偏差値は東京大学・慶応大学などに比べれば低めですが、その分「頑張れば手が届く大学」として、関東だけでなく全国から学生が集まります。
また、非常に充実したキャンパスライフが送れるということで、学生の評判も上々です。
この記事では、東邦大学医学部の偏差値や試験の傾向、学費、倍率などを徹底的に解説します。
目次
東邦大学医学部の基本情報
はじめに、東邦大学医学部の所在地や定員、学費など基本情報を紹介していきます。
東邦大学医学部に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
入学定員
2023年度の東邦大学医学部の入学定員は122名(千葉県地域枠5名、新潟県地域枠7名を含む)です。
また、2022年5月1日時点における学生数は、1年~6年まで709名が在籍しており、男性が377名に対し、女性が332名です。
医学部には珍しく男女の比率が1:1に近い大学です。
女子学生にとっても学びやすいと言えるでしょう。
入試要項
2023年度における東邦大学医学部の入試には、一般入試・総合入試・推薦入試・同窓生子女入試があります。
最大の人数を取る一般入試でも、定員は約74名(千葉県地域枠、新潟県地域枠を含む)です。
医学部自体他の学部に比べると定員が少ないので、狭き門と言えるでしょう。
学費
東邦大学医学部の学費は、6年間で約25,800,000円です。
初年度は入学金や委託徴収金などと併せて5,297,800円がかかります。
2年次以降は、4,200,000円です。
これは、私立大学の医学部の学費としては決して高い部類ではありません。
それでも、他の学部に比べれば桁違いです。
なお、東邦大学医学部は、一定の条件を満たした学生に授業料のうち最高1,000,000円(各学年2,000,000円限度)を免除というシステムがあります。
また、東邦大学医学部東邦会(同窓会)給付奨学金など独自の奨学金もあり、金銭的に余裕がない方でも安心して医学部を受験できるシステムです。
特に、成績が良ければ返済不要な奨学金を受けることもできるでしょう。
東邦大学医学部のレベル
ここでは、東邦大学医学部のレベルについて解説します。ぜひ、参考にしてください。
偏差値
東邦大学医学部の偏差値は67.5です。
東邦大学と同程度の偏差値の大学には、東京医科大学、自治医科大学、昭和大学、東北医科薬科大学、日本大学、関西医科大学などがあります。
また、東邦大学医学部より偏差値の高い大学には以下が挙げられます。
・慶應義塾大学 偏差値 72.5
・順天堂大学 偏差値 70.0
・東京慈恵会医科大学 偏差値 70.0
・産業医科大学 偏差値 70.0
・日本医科大学 偏差値 70.0
このように、東邦大学からみて上位にあたる医学部を持つ私立大学は、慶応義塾大学を始めとする5校しか存在しません。
そのため同医学部は、数ある私立大学医学部の中でも指折りの難関校として、受験生たちからは恐れられる存在となっています。
東邦大学医学部を志望する受験生の方々は、日々の学業に真剣に取り組み、十分な実力を身につけてから入試に臨むように精進しましょう。
倍率
東邦大学医学部における、2020年度から2022年度までの入試倍率は以下のようになっています。
倍率は概ね18倍~20倍半ばくらいですから、狭き門です。
2021年度との大きな違いとして、2022年度からは新潟県地域枠が設けられ募集人員が拡張されましたが、こちらの枠の定員はわずか2名。
倍率についても24.0倍と高い水準を叩き出していますので、万全な対策を練ってから入試に挑む必要があるでしょう。
▼東邦大学・医学部の年度別入試データ
・2020年度
入試日程 | 倍率 | 募集人数 | 志願者数 | 受験者数 | 合格者数 |
一般選抜 | 21.6 | 85 | 2,696 | 2,527 | 125 |
千葉県地域枠 | 18.6 | 5 | 93 | 78 | 5 |
・2021年度
入試日程 | 倍率 | 募集人数 | 志願者数 | 受験者数 | 合格者数 |
一般選抜 | 23,4 | 70 | 2,415 | 2,281 | 103 |
千葉県地域枠 | 26.4 | 5 | 132 | 112 | 5 |
・2022年度
入試日程 | 倍率 | 募集人数 | 志願者数 | 受験者数 | 合格者数 |
一般選抜 | 20.3 | 70 | 2,169 | 2,053 | 107 |
千葉県地域枠 | 17.4 | 5 | 87 | 77 | 5 |
新潟県地域枠 | 24.0 | 2 | 48 | 43 | 2 |
東邦大学医学部の特徴
では、東邦大学医学部には、どのような特徴があるのでしょうか。
教育理念や授業の特色などを詳しく紹介していきます。
充実した臨床教育
東邦大学医学部では、「人間愛と豊かな人間性を携え、社会に貢献できる「より良き臨床医」を育成、輩出する」ことを目標に、臨床教育が実施されています。
2016年に大幅にカリキュラムが改訂され、1~3年次に医学準備・基礎医学統合科目を融合した総合ユニット授業を行い医学の基礎固めを行います。
2~3年次では臨床医学科目と社会医学科目、4~5年次では、臨床実習と社会医学科目、5年次から診療参加型臨床実習を行うことで、幅広く深い知識を身につけ、医師としての実践能力を鍛えることが可能です。
なお、臨床実習は大森、大橋、佐倉の付属3病院と連携しており、充実した臨床教育が受けられます。
自主学習と全人的医療教育の重視
2016年のカリキュラム改訂以来、東邦大学医学部は授業時間を1コマ60分に短縮しました。
それに加えて統合型の講義・実習を取り入れて全授業時間を縮小しています。
その代わりに自学自習時間を大幅に増やし、学生の自己研鑽能力を高め生涯学習の姿勢を養ってもらっています。
向上心があり、自分自身を律することができる学生にとっては非常に学習しやすい環境だと言えるでしょう。
学校側も土曜日は自主学習の日とし、全日がフレキシブルタイムとなっています。
また、自主学習のための施設として、SDLセンター、医学自修館、医学メディアセンターなどが用意されています。
また、2024年度からは、医学部の授業時間が1コマ50分に変更されるようです。
詳しい内容は大学の公式HPに記載されていますので、気になる方はチェックしてみてください。
少人数教育体制
東邦大学医学部では、1~4年次に課題解決学習の一環として6~8名によるグループ学習を行っています。
また、語学の授業も、少人数クラス編成です。
自然科学・基礎臨床医学に関する実習においても同様で、少人数グループ制で行うことにより、学生の能力と多様性に対応しています。
少人数教育体制により、講師からより細やかな指導を受けることができるでしょう。
トップクラスの国家試験合格率
東邦大学医学部の2021年度医師国家試験合格率は93.6%です。
国家試験合格率の高さは、大学側のサポート力の高さとも言われています。
東邦大学医学部では、6年次に統合型社会医学演習を行い、国家試験への対策を重点的に行っているため、高い合格率に結びついているのでしょう。
また医師になってからも、「卒後臨床研修/生涯教育センター」を中心とした診療施設約80か所と大学が連携し、キャリアアップのサポートを行ってくれます。
大学入試対策
ここでは、東邦大学医学部の入試対策について詳しく解説します。
どのような傾向があるのでしょうか。
英語
医療系の専門的内容の長文は毎年出題されるので、医療系長文の解読演習を重点的に行いましょう。
2019年度より文法問題が出題されなくなり、代わりに日本語に対応する正しい英文を選択する問題になりました。
東邦大学医学部の英語は、長文中心の出題の傾向がますます強まっています。
そのため、過去問題をくり返し解くなどして長文読解の力をつけておくことが重要です。
なお、2019年以前の過去問でも長文読解の演習は役立ちます。
専門用語であっても脚注は一切ありませんので、科学系・医学系の英単語・文法も押さえておきましょう。
英語の科学雑誌を読んでおくのも受験対策になります。
今はインターネット上でも読むことができるので科学に興味がある方にはおすすめです。
数学
英語に比べると数学は、驚くほど難しい問題は出題されません。
ただし、その分高得点を取ることが求められます。
範囲も広く満遍なく問題が出されます。
苦手分野があると致命的ですので、難問を解くより苦手分野を潰し、高得点が取れる勉強を心がけましょう。
「データ分析」から問題が出題されることが多い、という統計も出ています。
計算問題が苦手という学生は、時間内に正確に問題を解く訓練をすることも重要です。
物理
大問は7題前後で、すべてマーク式(択一式)です。
難易度は基本~標準で、入試偏差値を考えると、問題そのものは易しいです。
ただし、分量が多いので、迅速に計算を進める必要があります。
化学
大問が3題出題されます。
以前に比べると問題数が減りました。
難易度もそれほど高くありません。
大問のうち1つは小問の集合であり、ほかの2つは2~3題の問題で構成されています。
深い知識が必要となる問題はほとんどなく、基礎的な知識を持ち受験の定番問題をしっかりと演習しておけば高得点が狙えるでしょう。
入試の対策サイトなどでは「東邦大学医学部の化学は易化した」という評価が多くなっています。
ただし、易しい問題が多いと言うことは、1つのミスが命取りになりがちということでもあります。
演習問題をくり返し解き、検算にも慣れておきましょう。
ケアレスミスが合否を分けることもあります。
生物
生物は大問5~6題の出題となっています。
知識問題と実験考察問題が組み合わされており、用語を丸暗記しているだけでは解けない問題も多いので、理解を深めておくことが重要です。
また、計算問題も複数出題されます。
時間に対して問題数が多いので、過去問を繰り返し解くことはもちろんのこと、時間内に問題を解けるように訓練をしておくことが重要です。
まとめ
今回の記事では、東邦大学医学部の特徴や試験傾向、偏差値などを紹介しました。
私大医学部の中堅校であり、入試も英語以外は基礎学力を試されるものがほとんどです。
しかし、その分倍率も高く、一般入試は常時18~20倍となっています。
狭き門をくぐり抜けるには、しっかりと勉強することはもちろんのこと、苦手分野を作らないことが大切です。
しかしながら、自分の学力と志望校までの距離を客観的にはかるのは難しく、独学で効率的な勉強をするのには限界があることでしょう。
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フルオーダーカリキュラムで自分の苦手な部分を重点的に勉強することができれば、学力は確実に向上していくことでしょう。
興味のある方は、ぜひ一度京都医塾にお問い合わせください。
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