各大学・各学部が示す「アドミッションポリシー」。
大学がどういった人材を求め、そしてどういった人材に育成していくかを明示し、公開している、各大学の指導方針の一種です。受験生は、各大学のアドミッションポリシーを知ることで、志望校の選定や、AO入試対策、面接対策、志望動機の記入時など、さまざまな場面に活用可能です。
そこで、今回の記事では、実際のアドミッションポリシーを具体例としてご紹介したうえで、医学部受験への活用法をご紹介します。
目次
アドミッションポリシーとは?
「アドミッションポリシー」とは、どのようなものなのか、具体的にイメージが付かない方も多いかと思います。
アドミッションポリシーとは、大学の教育理念や指導目的、特徴を踏まえ、“どのような学生を求めているのか”についての大学の考え方をまとめた内容を指します。特に大学では、大学全体の方針だけでなく、学部・学科における方針が示されることが一般的です。
大学としての基本方針とも言えるため、場合によっては選抜方法や出題内容、面接時の質問などに影響を与えることがあります。
アドミッションポリシーの具体例
アドミッションポリシーの概観は、前段でイメージできたかと思います。
以下では、実際に各大学でどのようなアドミッションポリシーを示しているのかをまとめました。
【例1】千葉大学・医学部医学科のアドミッションポリシー
1 千葉大学医学部の求める入学者
千葉大学医学部では,次に掲げる目標を卒業時に達成するための教育を行っています。
1.医学的知識・技能を理論と根拠に基づいて応用し,適切な判断と医療が実践でき,生涯にわたり自らの能力を向上させることができる
2.医療制度を適切に活用し,社会および医療チームの中で医師としての役割を果たし,患者中心の医療を実践できる
3.科学的情報を批判的に吟味し,新しい発見と創造のための論理的思考と研究を行える
上記のような人材を育成するために基礎学力があり,健康で多様性に富んだ次のような資質を兼ね備えた人を求めています。
1.創造性に溢れた論理的な思考のできる人
2.高い倫理観と強い使命感を持つ人
3.世のため人のために誠心誠意尽くすことのできる人
4.将来の日本および世界の医学をリードするような高い志を有する人
(中略)
3 入学までに身に付けて欲しいこと 医学部では,広範囲で多様な学問分野,基礎医学,社会医学,臨床医学を学修します。将来,国内外の様々な医学関連分野で活躍するために必要な基礎学力と医学への高い関心,倫理観,そして広く社会に目を向ける姿勢を身に付けておくことを望みます。
【例2】大阪大学・医学部医学科のアドミッションポリシー
【求める人材像】
医学部医学科では、地域医療に貢献する人材や、世界をリードする医師・研究者を養成することを教育目標とし、これを実現するため、以下のような資質・能力を持った学生を受け入れます。
(1) 高度な倫理観に裏付けられた豊かな人間性を持ち、組織においてリーダーシップを発揮できる者
(2) 医学科の教育課程を履修するに必要な高度な学力、知性および語学力を有する者
(3) 医学の進歩に貢献するとの強い信念を持ち、それを実現する行動力を有する者
(4) 多様な価値観を受け入れる柔軟性と知への探究心、自由で豊かな発想力を持ち、創造性を発揮できる者
(5) 社会における自らの役割を理解し、協調性と責任感をもってそれに貢献する意欲のある者
【例3】北里大学・医学部医学科のアドミッションポリシー
求める学生像
(1)医学の習得に必要な数学・理科・英語の基礎学力に加え、論理的に思考・判断し、表現する能力を持つ学生
(2)知的探究心を持ち、自己学習と自己研鑽に努めることができる学生
(3)医学並びに医療行為を通じて社会的、国際的に貢献したいと考える学生
(4)患者・家族の立場に立って物事を考え、行動できる学生
(5)医師であることはもとより、一人の人間として相手に共感できる思いやりを持つ学生
(6)社会常識や良識に基づいたコミュニケーション能力を持ち、良好な人間関係を構築できる学生
アドミッションポリシーは同じ医学部・医学科であっても大学によって異なる
ここまで、3つの大学のアドミッションポリシーをご確認いただいて、「同じ医学部・医学科であっても、大学によって示している内容が異なる」点をご確認いただけたかと思います。
アドミッションポリシーは、大学の特色を端的に示した内容です。
そのため、アドミッションポリシーを確認することで、自分の求める学習環境に合った大学の医学科を選ぶことが可能です。
大学はなぜアドミッションポリシーを示すのか?
次に、反対の視点から考えてみましょう。
なぜ、大学は受験生をはじめ、世間に対してアドミッションポリシーを示しているのでしょうか?
大学の求める人材と、入学者のアンマッチを防ぐ
大学入試は、高校卒業資格を持った人全てに平等に与えられた機会であり、自分自身の進路を自由に決定できます。
そのため、受験生は自分の志望校を自由に選択可能で、通学距離や学力、学費など、さまざまな優先事項を立てて志望校を検討します。
一方で、一生懸命努力して入学した大学であっても、自分の思い描いていた指導方針と大きく違っていた場合、反動でがっかりしてしまう可能性があります。
実際に、「思っていた指導方針と違った」「もっと厳しく指導してくれる大学に身を置きたかった」など、自分の求める指導と大学指導方針とに齟齬があり、残念ながら大学を途中で辞めてしまった事例も少なくありません。
大学にとっても、受験生にとっても、こういったアンマッチで学びの機会が失われることは避けたい、というのが正直なところです。そのため、その大学の特徴や指導方針をまとめ、「アドミッションポリシー」として示し、受験生に確認してもらうことで受験生の求めるところと大学とのアンマッチを防ぐ、という目的があります。
受験生がアドミッションポリシーを確認するべき3つの理由
ここまで、アドミッションポリシーの概観や具体例、そして大学側がアドミッションポリシーを示す理由について解説しました。
では、「受験生」としてアドミッションポリシーを確認することには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
以下では、受験生がアドミッションポリシーを確認するべき3つの理由を詳しく解説します。
①志望大学の選定や、志望校を知るのに役立つ
アドミッションポリシーは、各大学・学部・学科の求める人物像や特徴を端的にまとめているため、その確認によって志望大学の選定や志望校の理解に役立ちます。
志望校のアドミッションポリシーを知ることで、その大学がどのような教育方針を持っているのか、どのような学習環境が提供されているのか、また、その大学で学ぶことでどのような人物に成り得るのかをイメージすることができます。
このことから、アドミッションポリシーを確認することは、受験生が自身の目標や希望に合った大学を選ぶため、またその志望校を深くしるための一助となると言えます。
②面接試験の回答や志望動機の記載に役立つ
医学部受験においては、面接試験や志望理由書(履歴書・エントリーシート)、小論文において、自分の考えや志望動機を述べる機会があります。
繰り返しになりますが、アドミッションポリシーには、大学が重視する価値観や人物像が明記されています。そのため、アドミッションポリシーを確認することは、こういった「自分の考えを述べる」場面に非常に有効です。
受験生は、各大学が示すアドミッションポリシーに基づいて自身の経験や取り組みを整理し、面接試験に適切に盛り込むことができます。また、志望動機や小論文を記載する際にも、志望大学の教育方針やカリキュラムに共感する点をアドミッションポリシーから見つけ出し、記載することができます。
アドミッションポリシーを確認することで、自分自身の「なぜその大学を目指しているのか」「なぜその大学でなければならないのか」という部分を具体的かつ説得力のあるものにすることが可能です。
③モチベーションアップにつながる
また、アドミッションポリシーを確認することは、受験生のモチベーションアップに大きく寄与します。
受験勉強は長く困難な道のりです。そのため、モチベーションを高く維持し、勉強というパフォーマンスの質を落とさないようにすることは、合格をつかみ取るために非常に重要です。アドミッションポリシーには、大学が求める人物像が明確に記載されています。
アドミッションポリシーを確認することで、受験生が自分自身の目標や強み、改善すべき点を把握し、「大学が求める人物になるためにはどうするべきか」という具体的な目標を設定できます。明確な目標があることで、受験勉強への取り組みが具体化され、モチベーションアップにつながります。
また、アドミッションポリシーを確認することで、受験生に自信を与えることもあります。
例えば、志望校のアドミッションポリシーの中で、自分が大学の要件に合致している内容を確認できれば、「自分は〇〇大学の求める人物像に当てはまる部分がある!」と、自信を持って受験に臨むことができます。
また、アドミッションポリシーには大学の教育方針に関する情報も含まれているため、受験生は自分に合った学習環境や教育内容を把握し、将来の展望や目標をイメージすることができます。自分が志望する大学が提供する教育に共感することで、その一員となることへの意欲の高まりが期待できます。
アドミッションポリシーの確認は、受験生の志望校選びや自己理解、モチベーションの向上に大いに役立つ要素です。大学受験に臨む前に、十分な時間をかけてアドミッションポリシーを確認し、受験準備に活かしましょう。
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まとめ
アドミッションポリシーの理解は自分の志望校に対するモチベーション・行動規範ともなりえます。アドミッションポリシーを理解し、面接対策に臨みましょう。
そして、アドミッションポリシーを始め、医学部受験にあたって必要な受験情報を漏れなく入手することで、医学部への確実な合格を目指したい方は、京都医塾をおすすめします。
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