大学通学の目的の1つとして、教員免許取得を挙げる人は少なくありません。
そのため、医師国家試験合格を目指す医学部生も、教員免許の取得は可能なのだろうか?という疑問を抱く方も多いかと思います。
そこで今回の記事では、医学部在学中に教員免許の取得は可能なのか、また取得できる教員免許にはどのような種類があるのか、その取得方法まで解説します。
目次
医学部在学中の教員免許取得は可能?
大学通学の目的として、「資格取得」を挙げる人は少なくありません。
また、医学部卒業時に与えられる医師国家試験のように、大学卒業によって受験資格を得られるものもあります。
大学通学によって得られる資格として最もポピュラーなのが、「教員免許」です。
教員免許は、取得できる学部が多いこと、学校教諭というイメージがしやすい資格であること、加えてキャリア形成においてマイナスに働きにくいことから、人気の資格です。
では、医学部医学科在学中に、教員免許の取得は可能なのでしょうか? 以下で詳しく解説します。
医学部医学科在学中の教員免許取得は難しい
結論から申し上げますと、医学部医学科在学中の教員免許取得は非常に困難です。以下では、その理由を3つに分けて解説します。
教職課程を設置している大学がない
1つ目の理由として、医系単科大学では、教職課程の設置がない大学がほとんどである、という点が挙げられます。
教員免許取得にあたっては、種別・科目ごとに指定された単位を取得し、介護および教育実習に参加する必要があります。
この指定単位の取得および指定された実習に参加し、卒業ののち、各都道府県教育委員会に教員免許状の授与申請を行うことで、晴れて教員免許取得、となります。
※教員免許状には一種・二種・専修の3種類があります。
大学での教職課程履修(学士)で取得可能なのが、一種免許状です。
二種や専修でも、教育現場への就職は不可能ではありませんが、就職後も一種取得のための努力を求められることが一般的です。
そのため、今回の記事ではこの「一種免許状」取得=教員免許の取得、として記載いたします。
話を医学部での教員免許取得に戻しますが、この「教員免許取得のための単位取得」は、医学単科大学の場合には科目自体が設定されていない場合があります。
医療に関する資格取得を目指す人がほとんどである医学単科系大学では、教職課程の履修人数が多くないためです。
そのため、そもそも医科単科大学に進学した時点で、教職課程の単位取得が難しい場合があります。
また、そもそもの「取得可能な資格」として、教員免許が挙げられていない医学科がほとんどです。
他学科の教職課程を履修しても、教育実習に参加ができない
一方で、総合大学や教職課程の設置のある医科単科大学であれば、他学部・他学科の教職課程を履修することで、必要な単位を取得することが理論上可能です。
しかし、教員免許取得にあたっては、指定単位の取得とともに「教育実習」と「介護実習」が必須となります。
介護実習については、医学部でもカリキュラムとして実施されるため、取得条件を満たすことは容易です。
一方で、主に4年次に実施される教育実習は、中学校免許であれば3週間、高校免許状であれば2週間、実習に参加する必要があります。
当然、その間も大学では授業が実施されるため、医学部の4年生としての授業もどんどんと進んでいきます。
全て出席していても単位取得が難しい医学部の授業を丸丸2週間欠席することは、学生心理としては非常に抵抗感があります。
また、大学・科目によっては単位認定基準として出席を重視する場合もあるため、2週間の欠席がそのまま単位取得不可につながってしまうケースもあります。
このように、教育実習へ参加することで医学部の単位取得が難しくなる、という点から、医学部在学中の教員免許取得を諦める方も少なくありません。
教職課程の科目と、医学部の履修科目の時間が重複している
また、例えもし教育実習への参加目途が立ったとしても、教職課程の科目と医学部の履修科目の時間が重複している場合があります。
中・高の教職課程では、67単位以上の取得が必要です。
総合大学では、多くの学部で教職課程を履修する学生がいるため、教職課程を日中の通いやすい時限に設定することが多く、医学部の履修科目と時間が重複してしまい、受講できない場合があります。
医学部でも看護学科・保健学科であれば教員免許取得が可能
冒頭に申し上げた通り、医学部医学科には基本的に教職課程の設置がなく、取得可能免許として教員免許が挙げられていない場合が多くあります。
一方で、医学部であっても、看護学科や保健学科といった、医学科以外の学科であれば、教員免許の取得が可能な場合があります。
主には、高等学校教諭一種免許状(看護)や、養護教諭一種免許状といった教員免許が取得可能です。
医学部進学のうえで、教員免許を取得する方法は?
前述の通り、医学部医学科在学中の教員免許取得は、非常に困難であると言えます。
しかし、中には「医師になるかどうか決めきれておらず、どうしても教員免許も取得しておきたい」という方もいらっしゃるかもしれません。
そこで以下では、医学部に進学したうえで、教員免許を取得する方法をご紹介します。
教育学部に進学後、学士編入で医学部に3年次編入
教員免許と医師国家試験受験資格の両方を最短で取得したい、という場合には、以下の方法が可能です。
①教育学部や教員免許取得可能な学部・学科に入学後、教職課程の履修を完了する(4年)
②医学部3年次学士編入に合格し、医学部生として卒業をする(4年)
このステップを踏むことで、最短8年で、教員免許及び医師国家試験受験資格が取得可能です。
しかし、医学部3年次学士編入は、薬学部をはじめとする医系学部の学生との競い合いとなるため、合格難度が非常に高く、場合によっては再受験のほうがより芽があるかと思います。
ただし、再受験は再受験で、年齢による有利不利が働く場合があるため、慎重に検討する必要があります。
求められる学力を加味すると、必要年数が多くなりますが、以下の方法のほうが現実的と言えます。
①医学部入学・卒業(6年)
②教育学部に再入学(4年)
どちらのパターンでも、費用と年数がおおくかかりますので、「それでもどちらの免許を取得したいか」という点や、「教員免許・医師免許の2つを持つメリットと費用/期間対効果」をよく検討することをおすすめします。
医師免許取得後、特別支援学校自立教科教諭(理療)は取得可能
「教員免許」という資格が取得できるのであれば指導教科や学年にこだわらない、という場合には、医学部進学・卒業のち、医師国家試験の合格後に教員免許を取得することができます。
“特別支援学校自立教科教諭一種免許状(理療)”は、医師免許をもつ人物であれば、各自治体の教育委員会に申請することで取得が可能です。ただし、記載した通り、特別支援学級自立教科教諭一種免許状の理療に限りますので、その他の教科や小・中・高の教員免許の取得はできません。
国家試験合格を目標とするならば、教員免許取得の並行取得は厳しい
ここまで、医学部医学科進学後の教員免許の取得方法について、さまざまな側面から解説をしました。
やはり、医学部の年次スケジュールや試験の難易度、実習の頻度を考えると、医師免許取得と教員免許取得を同時並行で進めることは非常に難しいと言えます。
もしも、医師と教員、どちらの道に進むのか悩んでいるのであれば、より難関試験である医学部合格を目指して学習し、医師免許取得を目指すことをおすすめします。
大学進学後に、「やはり教員として頑張りたい」という気持ちが固まったのであれば、総合大学であれば教育学部をはじめとする教員免許取得が可能な学部に転部、単科大学であれば別大学に学士編入するなど、進路の変更を検討することが可能です。
どちらの道に進むことになっても、学びは必ず自身の糧となります。
将来の自分の選択肢をできる限り増やすためにも、最難関へ挑む気持ちで、日々の学習に取り組みましょう。
多様な進路選択に対応可能! 医学部合格を目指すなら京都医塾
今回の記事でお伝えしたような、“医学部在学中の教員免許取得”のように、一口に「医学部を目標に据える」といっても、さまざまな目標や目指し方があります。
教育分野に限らず、医療領域以外の分野への挑戦も視野にいれながら、自分の進路を決めていきたいと考える場合には、医学部一直線の学習よりも、より多くの情報収集とその取捨選択が求められます。
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高頻度のカウンセリング実施により、担任2人と忌憚のない会話ができる関係構築が可能です。受験勉強期間をストレスなく過ごし、合格に向けて集中した学習が可能です。
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このブラッシュアップシートを参照することで、授業内で自分が理解していないポイントを効率的&集中的に復習することが可能となります。
要点を押さえた自学が行えるため、圧倒的な効率で学力アップを図れます。
まとめ
今回の記事では、医学部在学中の教員免許取得について解説しました。
結論、教員免許取得と医学部の履修・国家試験合格は並行が難しいとお伝えしましたが、受験生の数だけ進路の洗濯方法があるため、必ずしも諦める必要はありません。
どちらの道に進むのか決めきれない、という場合には、受験時はより困難な目標である医学部合格を目指した準備をしておくことで、どんな進路を選んだとしても、方針の転換が可能となります。
また、本記事ではお伝えしきれませんでしたが、京都医塾には、医学部合格のためのさまざまな指導メソッドが他にも多く存在します。
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