京都医塾英語科です。
このページでは「久留米大学医学部の英語」についての過去問分析コメントを紹介します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“久留米大学医学部”の受験を考えている方
・“久留米大学医学部の英語がどのような問題か知りたい”という方
にオススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。
目次
概要
【形式・制限時間・配点】2023年度
形式: マークシート式+記述式
制限時間: 90分
配点: 100点
出題の傾向と特徴
2020年度入試から定着している、①不要文削除問題と、②簡単な日本語の文章を英語で要約する問題(語数30語程度)と、③短い英文の文章を日本語で要約する問題は、2023年度も出題されています。また、選択肢には、若干高い語彙レベルの単語が含まれます。
【毎年恒例の出題単元】
全範囲
【制限時間に対する問題量】
一見たくさんの長文があるように思えますが、語句整序問題では全文を読む必要がありません。また、長文中の空所補充問題もその前後を読めば解ける問題のため、結果としては、見た目ほどの圧迫は感じません。
2023年度(最新の過去問)の分析
さらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。
【第1問】
単文中の空所を4択の選択肢から埋める語彙問題です。問題文や選択肢に使われている単語のなかにはややレベルが高いものも含まれます。そのため、読める語を拾い読みして意味を推測したり、プラスやマイナスのニュアンスで判断したり、知っている単語を消去法で消したりと、単に知識だけではなく、合理的な推論をしたうえで答えに辿りつかねばなりません。語彙力の高い受験生にとってはほぼ問題ないでしょう。
≪2023年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生… 8問中6問以上正解
他教科を得点源にしたい受験生… 8問中4問以上正解
【第2問】
短い文章からなるパラグラフから、不要文を削除する問題です。2題出題されています。テーマは「海底宿泊施設」「沖縄の長寿研究」です。前後の文意さえつかめれば、削除すべき文は、唐突な流れの文となっているので問題解答自体は難しくありません。見かけに騙されないように冷静に解答すれば2問とも正解できる可能性は十分あります。一方で、語彙力に自信のない受験生には、文中で用いられる単語のレベルが少し高く、実際以上に難しく感じてしまうかもしれません。
≪2023年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…2問中2問正解
他教科を得点源にしたい受験生…2問中1問以上正解
【第3問】
「2050年までの米国における海面上昇」を扱った長文のなかで、比較的長めの語句群を並び替える語句整序問題が4題出題されています。必ずしも全文を理解する必要はありませんが、前後の内容や言い回しには注意する必要があります。また、選択肢一つひとつが、他大学で出題される語句整序問題のものよりも長く、解きづらさを感じるかもしれません。過去問を何年分か解いて、久留米大学医学部独特の問題形式に慣れておくとよいでしょう。基本的な解き方は一般的な語句整序問題と変わりませんが、正答にたどり着くには見かけ以上に時間がかかります。
≪2023年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…4問中3問以上正解
他教科を得点源にしたい受験生…4問中2問以上正解
【第4問】
「医療における秘密保持と基本的人権」がテーマの長文です。問題は、空所補充が6問、内容一致問題が8つの選択肢から3つ本文内容と合致するものを選ぶ形式です。空所補充問題はどれも語彙問題ですが、比較的選択肢の絞りやすいものが多く、医学部受験に必要な語彙が身についていればほぼ問題なく解くことができます。内容一致問題は、本文中で使われている語句がやや専門的で難しく見えるかもしれませんが、落ち着いて主旨をつかめれば、それほど難しくはありません。冷静かつ丁寧に選択肢の誤りを探せれば、ほぼ答えが見つかるので、全問正解することも可能です。
≪2023年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…語彙6問中4問以上、内容一致3問すべて正解
他教科を得点源にしたい受験生…語彙6問中3問以上、内容一致2問正解
【第5問】
「外傷性脳損傷」がテーマの長文です。問題の出題順は本文に書かれてある内容と同じ順序になっているため、長文を前から読んでいくなかで解くことができます。相変わらず語彙レベルが高く感じるところがあるものの、問題は標準的なレベルですので落ち着いて取り組めば得点源にできるでしょう。解き方は、正答の根拠となる該当箇所を本文中から探して、選択肢とその部分とを照合する作業が中心です。
≪2023年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…6問中5問以上正解
他教科を得点源にしたい受験生…6問中4問以上正解
【第6問】
前半は、短めの日本語の文章を読み、それを30語程度の英語でまとめる、英語の要約問題です。後半は、短めの英文を読み、それを50字程度の日本語でまとめる、日本語の要約問題です。
前半の英語の要約問題は、書かれている日本語の文章自体は平易です。不要な箇所(譲歩や具体例)を削り、書き手の要旨をつかむことはすぐできるでしょう。ただし、要約する際に、30語程度という制限があり、語数が少ないため手際よくまとめる必要があります。
後者の要約問題は、英作文と同じ要領で、不要な箇所を削り、重要な骨子をうまく抜き出して50字程度の日本語でまとめます。こちらは、英文の内容は「ブルガリアで発見されたヨーロッパ最古と見られる都市」が最も伝えたいことです。こちらも字数制限が厳しいため、具体的な数字や細かすぎる地名や都市名は省き、文章の体裁に惑わされず、主旨をまとめましょう。
【総評】
医療的な内容を含む文章が出題されていますので、日ごろから新聞や雑誌などで医療情報に触れておき、背景知識を強化しておくと解きやすさが増すでしょう。また、全体的に語彙レベルが高めなので、標準的な単語帳を終えた後は、もう一段階レベルが上の単語帳や、資格試験(英検準1級程度)で問われるレベルの語彙習得に挑戦しておけば、ますます解きやすく感じられるはずです。
長文の内容を問う問題(内容一致を含む)は、一定レベルの語彙力さえクリアしておけば、比較的簡単に正答にたどり着けるものが多いので、選択肢と本文の根拠となる該当箇所とを粘り強く照合しましょう。
全体として、英語が得意な受験生は高得点を目指せます。80点以上をとることも十分可能です。一方で、他科目を得点源にしたい受験生も、難しそうな語彙問題や英作文、あるいは時間のかかる並び替え問題などにはある程度見切りをつけて、そのぶん作り出すことのできた時間を内容一致問題の選択肢の検討などに使えれば、60点ほどは十分得点可能でしょう。そこに届かない場合には、解き方の問題ではなく、語彙力をはじめとした英文読解の基礎力が不足している可能性がありますので、まずは語彙力強化を心がけてください。
まとめ
というわけで、今回は久留米大学医学部英語についてまとめてみました。
皆さんの参考になれば幸いです!
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