京都医塾英語科です。
このページでは「藤田医科大学の英語」についての過去問分析コメントを紹介します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“藤田医科大学”の受験を考えている方
・“藤田医科大学の英語がどのような問題か知りたい”という方
オススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。
目次
概要
【形式・制限時間・配点】2023年度
形式: マークシート式+記述式
制限時間: 90分
配点: 200点
出題の傾向と特徴
①文法・語法問題(マーク式)
②並べ替え(マーク式)
③長文読解(マーク式)
④長文読解(マーク式)
⑤長文読解(記述式)
⑥英作文(記述式)
【制限時間に対する問題量】
2022年度入試で新傾向としてマーク式長文問題が2題に増えましたが、それは2023年度入試でも踏襲されています。藤田医科大学の長文読解では、一見すると受験生にあまりなじみのない内容が出題されることもあり、問われている問題の根拠となる箇所を要領よく探し出せないと時間を浪費してしまう可能性があります。また、英作文もそれなりの長さ、難易度の問題が数題出題されることから、時間的な余裕はほとんどありません。
2023年度(最新の過去問)の分析
さらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。
【第1問】
文法問題です。2023年度の文法問題は大半が高校英語の標準的な問題集や単語帳をこなしていれば、ふれたことがあるはずの問題です。英語が得意な受験生は満点近くを十分目指せます。出題は慣用句や分詞、数量表現、仮定法、比較など幅広く、高校総合英語を一通り見ておき、手薄なところがないよう万遍なく知識を習得しておく必要があるでしょう。前年度に比べると、少し点が取りにくそうな問題(問2)も見られました。
≪2023年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生… 6問中5問以上正解
他教科を得点源にしたい受験生… 6問中4問以上正解
【第2問】
語句整序問題です。構文的に少し複雑な文(問2)や、受験生にあまりなじみのなさそうな問題(問3)など、英語が苦手な受験生や、英作文で得点ができない受験生には少々厳しい出題かもしれません。与えられた語句を見てパッと答えが思い浮かばなくても、「冠詞があるから後ろには名詞が来るはずだ」とか「toの後ろにとりあえず動詞の原形を置いてみる」など、手の付けられそうなところから語句を作っていけば、なんとか答えにたどり着けるレベルの問題が多いです。
≪2023年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生… 4問中3問以上
他教科を得点源にしたい受験生… 4問中2問以上
【第3問】
「大規模調査の結果からわかる人生の幸福を決める要因について」の長文問題です。出典はTED Talkの一節からなので、比較的読みやすく、また結論も突飛なものではなく(人の人生を充実したものにするのは、富や名声ではなく人と人との繋がりである)、選択肢も紛らわしいものはないため、結果として比較的得点しやすい大問でした。英語が得意な受験生であれば全問正解も可能です。大問1や大問2の知識問題で得点を落としてしまった人は、この大問3で満点を目指して挽回したいです。
≪2023年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生… 4問中4問正解
他教科を得点源にしたい受験生… 4問中3問正解
【第4問】
「アゲハチョウの尾が果たす役割」について書かれた長文問題です。語彙レベルや内容は共通テストと遜色ない程度の科学読み物といった趣の問題です。設問も特にひねった出題はなく、こちらも大問3に続いて英語の得意な受験生であれば全問正解を狙いたい比較的平易な出題でした。あえて失点しそうな小問を挙げれば、問3で“How many of the swallowtails collected during the survey had no hind wing tail damage?”「調査中に採集されたアゲハチョウのうち、後翅の尾に傷を負わなかったのは何羽ですか」という問いです。本文を読んで簡単な引き算をする必要がありますが、適切な該当箇所を見つけられなければもしかすると引き算する数自体を取り違えて思わぬ失点につながるかもしれません。
≪2023年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生… 4問中4問正解
他教科を得点源にしたい受験生… 4問中3問正解
【第5問】
「ヴァイキングの角つき兜にまつわる歴史」について書かれた長文です。大問3、4と異なり、こちらは小問5を除くとすべて記述式解答を求められています。また、2022年度入試と比較すると小問数が1問増えています(もっとも、2022年度入試の出題では、問3が(ⅰ)と(ⅱ)とに分かれていたため、解答の総量は変わりません)。テーマは大半の受験生には馴染みのなさそうなものながら、豊富な語注もつけられているため、内容把握にとまどうことはないでしょう。とはいえ、制限時間内にそれなりの分量の記述式解答を4問こなさねばならないため、時間的な余裕はありません。この大問には30分程度はしっかりと確保して、丁寧に解答を作る必要があります。また、一定の速読力を身につけている前提でないと解き終わることができない可能性もありますから、日頃からさまざまなテーマの英文を音読したりシャドーイングしたりして、詰まることのないような読む練習をしておくとよいでしょう。
≪2023年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生… 70%以上の得点
他教科を得点源にしたい受験生… 50%以上の得点
【第6問】
何もヒントが与えられないまま、課題文を英作するとなると、どのような単語を使い、正確な綴りは何かに迷うところも一部あります(献立、サーカディアンリズムなど)。ただし、下線を引かれている英文の前後をみてみれば、作文に使える語句が見つかるため、構文的な方針さえ立てられれば見かけよりも難しくないはずです。また、もともと英文だったものを比較的直訳調の日本語に書き換えたものが出題文となっていますから、受験生にとっては書きやすいはずです。日頃から英作文のトレーニングを添削込みで時間をかけてこなしておけばそれほど苦労することはないでしょう。
≪2023年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生… 70%以上の得点
他教科を得点源にしたい受験生… 50%以上の得点
【総評】
藤田医科大学の問題の方向性は従来通りで大きく変わりません。英語を通した論理的な思考力を、文法、語彙、構成力、読解力、表現力など様々な角度から、総合的に問おうとする出題に見えます。こうした志向を踏まえれば、特定の単元に絞って付け焼刃の「傾向と対策」に走るよりも、えり好みせずさまざまな分野の練習を日ごろからこなし、自力を養っておくことが肝心でしょう。特に、比較的基礎~標準レベルの知識を問う前半戦(大問1~4)では、出来る限り高得点を目指せる力を養っておくことが死活的に重要です。大まかに言って、英語を得点源にしたい生徒で75%以上の得点を目指し、他科目を得点源にしたい生徒では、55%あたりまでで踏みとどまるのが現実的です。
まとめ
というわけで、今回は藤田医科大学医学部の英語についてまとめてみました。皆さんの参考になれば幸いです!
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