少子化が叫ばれて久しい昨今、大学によっては志望者数が募集人員に満たない「定員割れ」が発生しています。
2024年度入試では、高倍率で知られる医学部医学科でも「定員割れ」が発生しました。
そこで今回は、定員割れの原因の解説からその対応、そして「定員割れ」であれば受験者は全員合格となるのか?という疑問について詳しく解説します。
目次
「定員割れ」の医学部は存在する?
2022年度入試より大学入学希望者総数が全大学の入学定員総数を下回る、いわゆる「大学全入時代」が到来しました。
そのため、多くの大学で志願者数が募集人員を下回る「定員割れ」が発生しています。
一方で、有名大学や各大学の看板学部など人気の大学については高倍率が保たれており、場合によっては全入時代前よりも高い倍率となっているケースもあります。
では、高倍率&高難度で知られる医学部医学科において「定員割れ」のケースは存在するのでしょうか?
一般的に考えて、医学部医学科では定員割れは起こり得ないのではと思われたのではないでしょうか。
しかし、24年度入試において奈良県立医科大学医学部医学科、岡山大学医学部医学科(地域枠)の2つ医学部医学科にて「定員割れ」が発生し募集人員に対する欠員募集が行われました。
奈良県立医科大学医学部医学科2024年度入試で起こった「定員割れ」
奈良県立医科大学医学部医学科・岡山大学医学部医学科の定員割れは大学受験界に大きな衝撃を与えました。
地域枠の欠員であった岡山大学はともかく、奈良県立医科大学医学部医学科は一般の前期募集でしたので、関係者の驚きはひとしおでした。
では、奈良県立医科大学医学部医学科の定員割れはなぜ起こったのでしょうか。
以下では、その概況から理由そしてその後の対応までを詳しく解説します。
奈良県立医科大学医学部医学科の「定員割れ」概況
まず押さえておきたいのは「定員割れ」には2つの種類があるという点です。
①募集人員に対して志願者数が不足したことによる定員割れ
②募集人員に対して合格者数が不足したことによる定員割れ
2024年の奈良県立医科大学の場合、募集人員22名に対して志願者数は57名と志願倍率2.6倍とのため願書〆切時点は「定員割れ」は発生していません。
すなわち、上記の②のパターンの定員割れということとなります。
なぜ定員割れが起きたのか?
では、なぜ募集人員以上の志願者数がいたにもかかわらず奈良県立医科大学医学部医学科で定員割れが発生したのでしょうか。
結論から言うと、募集人員以上の志願はあったが、大学が求める学力基準を満たした人物を合格としたところ合格者が募集人員数を下回った、という原因が考えられます。
すなわち、学力試験において奈良県立医科大の設定するボーダーに満たない結果の受験生を不合格としたため、やむを得ず募集人員以下の合格者数となったと考えられます。
医学部では、医師として働くための様々な事項を学びます。
医師になるためには医療に関する全ての専門領域の知識を身につける必要があり、その学びに基づいて医師免許取得後はどの診療科の医師としても従事することができるのです。
そのため、大学側から「医師として働くにあたって十分な学力が備わっていない」と判断した場合には、たとえ募集定員に達しない結果となったとしても合格とはならない、ということです。
このことは、後述の2次募集の出願要件からも推し量ることができます。
定員割れのその後の対応
では、奈良県立医科大学医学部医学科の定員割れはその後どのような対応がとられたのでしょうか。
前期試験では、募集人員22名のところ志願者が57名、合格者が12名(募集人員より10名の定員割れ)という結果でした。
奈良県立医科大学は、医学部医学科前期試験で不足した10名分の追加募集(2次募集)を実施しました。
この「前期試験の追加募集(2次募集)」はあくまでも前期日程の不足人員の補充という位置づけのため、国公立後期試験とは枠組みが異なります。
そのため、奈良県立医科大学の追加募集は2024年度入試における医学部志望者にとっての最後のチャンスとして話題となりました。
大学側が提示した2次募集の募集要項は以下の通りです。
【募集要項】
1)大学入学の規定(高卒資格など)を満たしている/満たす見込みのある者
2) 令和6年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト(以下「大学入学共通テスト」という。)において、指定の教科・科目を全て受験した者
※ただし、2次募集の出願時点において、いずれかの国公立大学に入学手続きを行っている者は出願不可。
※出願書類は指定期間中の「持参」のみ有効
【選抜方法】
(1) 大学入学共通テストの結果及び出願書類等を総合的に判断して合否を決定
(2) 共通テストについては、指定の科目を受験し、得点率85%以上の者を選抜対象とする
医学部医学科の試験としては珍しく、面接・小論文の実施はなく既に実施済みの共通テストの結果を中心に、出願書類等を総合的に判断する形での合否判定となりました。
奈良県立医科大学医学部医学科は2024年度から前期入試が共通テストに重きを置く内容(共通テスト900点、2次試験の小論文・面接100点、個別学力試験なし)となったこともあり、前期入試の追加募集としては「共通テストの得点力が高い学生」という条件を重視するのは一貫性のある判断だと考えます。
また、出願書類を大学に持参する必要があるため遠方の受験生にはややハードルが高い一方、それだけの覚悟をもって応募に至ってもらいたいという大学の思惑も読み取れます。
「定員割れ」「低倍率」≠合格できる
奈良県立医科大学医学部医学科の例から、たとえ受験者数が募集人員を下回る形で定員割れしていても合格基準に満たなければ合格できないことが推察できたことと思います。
「定員割れ」でこのような判断が行われるということは、同様に「低倍率」でも同じ事象が発生するということが想像できたかと思います。
すなわち、定員割れしそうな大学や低倍率の大学を狙って受験したとしても、大学が求める実力がなければ合格には至れないということです。
自分に自信がもてず、倍率を気にして低倍率の大学に志望校変更を検討してしまうケースも目にしたことがあります。
しかし、それがかえって慢心につながってしまうこともあるため倍率や募集人員に対する志望者数をあてにしすぎるのは受験戦略として適切とは言えません。
医師になるためには、膨大な学習量を乗り切る学力と実験や実習における細かな作業やレポート作成などの忍耐力が必要です。
大学としても6年間で立派な医師を育成するにあたり妥協せず適性のある人物を選ぶ責務があるため、たとえ募集人員に満たずとも適性なしと判断した場合には合格を出すわけにはいきません。
確固たる実力がなければ医学部進学は叶わないため、医学部にふさわしい学力を身につけるための研鑽に日々励んでいきましょう。
実力を身につけなければ医学部進学は叶わない
学問に王道なし、医学部に近道なし。
実力を身につけて臨む以外の手段はありません。
大学受験は毎日が真剣勝負です。
長いスパンで目標に向かってひたすらに努力することが求められます。
大学受験には忍耐と強い精神力が求められます。
しかし思うように勉強が進められなかったり、成績が伸び悩んでしまったりすると、一人での学習に限界を感じてしまうかもしれません。
特に、医学部受験を専門的に指導ができる人物が身近にいないという方はこういったフラストレーションに苛まれて、学習効率が上がらずにまた悩み…と良くないループに陥ってしまいがちです。
そんな方におすすめしたいのが、京都にある医学部専門予備校「京都医塾」です。
以下では、京都医塾が医学部志望者に行っている指導の一部をご紹介します。
レベル別少人数集団授業で苦手科目も最速で克服可能
京都医塾では、苦手科目への対策として「レベル別少人数集団授業」を実施しています。
「レベル別少人数集団授業」では、自分の学力と近い生徒で少人数クラスを形成し徹底的に演習を行います。
個別授業とは異なり、その場に他の生徒もいるため環境学習効果も期待できます。
そのため、一般的な集団授業の何倍もの効率で学習できます。
また、レベル別少人数集団授業でわからなかった箇所や気になった内容がある場合には、別途個別質問も可能です。
「苦手科目があるから、医学部合格は難しいかもしれない…」と考えている方にとって、京都医塾は最適な環境を提供しています。
「医学部専門予備校」ならではの圧倒的な医学部入試情報
京都医塾は、医学部に特化した「医学部専門予備校」です。
そのため、医学部に関する情報量は数多ある学習塾の中でもトップレベルです。
今回ご紹介した奈良県立医科大学の2次募集のようなイレギュラーな試験情報についても漏らすことなくキャッチアップが可能です。
この情報力を活かし国内の最新医学部進学情報を基に入試戦略を立案し、医学部受験に効果的な学習メソッドを構築しています。
そのため、合格に必要な情報収集は京都医塾が収集し、生徒自身は入試に向けて学力アップに集中することが可能です。
質問対応の専門講師にいつでも質問可能
京都医塾が多くの医学部合格者を輩出している理由として、「あらゆるレベルに対応できる質問対応環境」が挙げられます。
受験生にとってわからない/解けない問題は、学力アップの大チャンスです。
しかし、せっかくわからない問題に出会っても疑問が沸いた瞬間に解決しなければ、せっかくの好機が無駄になってしまいます。
質問対応が受験生の学力向上に直結すると考え、京都医塾では開講時間中いつでも質問ができる環境を整えています。
質問対応の専門講師が常駐しているため、自習中や授業後などわからない問題に出会ったタイミングで質問が可能です。
いつでも・どんなレベルの問題でも質問できる安心感に加え、アルバイト講師ではなく「プロ講師」が質問に回答することも好評の理由です。
まとめ
いかがでしたか。
今回の記事では、2024年度の奈良県立医科大学の入試概要を踏まえ「定員割れ」について解説しました。
医学部は実力勝負です。
1年という期間を有効活用し、自分を最大限に高めて挑戦しましょう。
また、今回の記事で「京都医塾ってどんな予備校なんだろう?」と興味をもった方も多いかと思います。
京都医塾では、入学を検討されている方へのご説明会として、『一泊二日医学部合格診断』を実施しています。
『一泊二日医学部合格診断』では、京都医塾の指導方針を行ったうえで、個別に実力診断テストを実施し振り返りの面談を行います。
現状は医学部合格にどのような点が足りていないのかをお伝えする機会となっていますので、医学部受験を検討されている方はぜひご参加ください。
また、授業の体験も可能ですので、求めている授業の質かどうか、ぜひ体験にてご判断いただければと思います。
ご参加にあたって必要な交通費や宿泊費は全て京都医塾で負担します。
少しでもご興味をもたれましたら、お気軽にお問い合わせください。