京都医塾生物科です。
このページでは「帝京大学医学部の生物」についての過去問分析コメントを紹介します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“帝京大学医学部”の受験を考えている方
・“帝京大学医学部の生物がどのような問題か知りたい”という方
にオススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。
目次
概要
【形式・制限時間・配点】2024年度
形式:記述式
時間:選択2科目120分
配点:選択2科目200点
出題の傾向と特徴
2024年度から問題の形式が変更され、マーク式の選択問題と、記述式の論述問題と、が組み合わされた形で出題されるようになりました。
選択科目だけあって、高得点を取ることは難しい内容になっているため、基本問題は確実に得点できるよう注意深く取り組む必要があります。また、日程により多少の取り組みやすさの違いがあり、別の日と内容が重複することもあります。
【頻出の出題単元】
代謝、遺伝情報、恒常性、などの出題がやや多く、計算問題が出題されることも多い傾向にあります。少しの偏りはあるものの、出題されない分野があるわけではないため、どの分野から出題されてもよいように対策しておく必要はあります。
【制限時間に対する問題量】
問題の数が多いわけではないものの、1つ1つの問題が決して易しくはないため、思考にかかる時間を考えると時間的に余裕はありません。教科書レベルの知識を問われる問題をいかに素早く解いて考察問題に時間を割り当てるか、という戦略が必要になってきます。
2024年度(最新の過去問)の分析
2020年度までは大問4題の出題が続いていましたが、2021年度からは大問3題になり、複数の分野にまたがった内容が出題される傾向が強くなっているようです。さらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。帝京大学の入試は3日間ありますが、以下の分析は赤本(教学社)に収録されている問題①(1/25実施分)についての内容です。
【第1問】
細胞接着についての出題でした。
結合の種類や関与するタンパク質だけでなく、膜タンパク質の分布様式など多様な問われ方をしました。ほとんどは基本的な内容ですが、細胞群体を形成する生物の選択は悩んだ受験生も多かったと思われます。論述問題は2つの構造が分離する理由を「接着分子がどのように結合するか」という観点で書かせる問題でした。
【第2問】
肝臓と、細胞分画法に関する出題でした。
空欄補充の形で用語を選択する形式は、以前の出題形式でもよく見られた様式だったため、過去問演習の経験があると少し取り組みやすかったものと思われます。細胞分画法で各分画に含まれる細胞小器官を正確に理解していることが、その後の考察の前提として必要でした。論述問題はカタラーゼのはたらきを説明するものでした。
【第3問】
細胞と生体反応に関する出題でした。
問4、5、7で連続して出題された正誤判断をする問題が解きづらかったものと思われます。特に問7の植物生理の分野は、かなり発展的な知識まで問われ、判断が難しい選択肢が多く見られました。選択式だから一様に問題が解きやすくなるというわけではなく、これらの問題のようにむしろ解きづらくなることもありますので、自分の判断の根拠に自信が持てるよう、正確な知識を蓄えた状態で試験に臨む必要があります。論述問題はワクチン接種の利点を説明するものでした。
【総評】
基礎的な問題でしっかりと得点を確保した上で、計算問題や考察問題に注意深く取り組む必要がある大学です。近年は難しい内容が扱われることが多いため、教科書レベルの知識を完璧にしておくことはもちろん、過去問を通して新しい知識や考え方を身につけて対応できる問題の幅を広げて臨むことが大切です。また、2024年度は基本的な知識を端的に説明する形の論述問題が出題されていましたが、今後考察過程などを問われるようになる可能性も捨てきれないため、短文論述の練習も怠ることはできません。帝京大学を受験する場合には、他の科目についても一通り解いてみた上で、安定して得点できる科目を選択するようにしましょう。
≪2023年度の目標値≫
生物を得点源にしたい受験生… 8割
他教科を得点源にしたい受験生… 7割
まとめ
というわけで、今回は帝京大学医学部の生物についてまとめてみました。皆さんの参考になれば幸いです!
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