京都医塾生物科です。
このページでは「兵庫医科大学医学部の生物」についての過去問分析コメントを紹介します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“兵庫医科大学医学部”の受験を考えている方
・“兵庫医科大学医学部の生物がどのような問題か知りたい”という方
にオススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。
目次
概要
【形式・制限時間・配点】2024年度
形式:記述式
制限時間: 一般A:理科2科目120分、一般B:60分
配点: 一般A:理科2科目200点、一般B:100点
出題の傾向と特徴
幅広い分野から様々な形式で出題されますが、難しい設問は少ないです。
大問1に毎年小問集合が出題されています。やや細かい知識も要求されますが、近年は易化の傾向にあります。
論述問題も毎年出題されます。以前は文字数が多く、まとめるのがやや忙しかったのですが、近年では制限文字数が少ないものや字数制限を設けず解答欄の枠内に書くという問題が増えたため易化しています。
【頻出の出題単元】
細胞と分子、代謝、遺伝情報の発現、生殖・発生・遺伝、生物の生活と環境、生物の進化と系統
【制限時間に対する問題量】
論述問題の出題がありますが、複雑な情報処理が要求される問題は少ないです。難しい設問で足止めされるということがなければ時間に追われることはないです。問題の取捨選択と解答時間の管理は徹底しましょう。
2024年度(最新の過去問)の分析
さらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。
【第1問】
小問集合です。
新たに空欄補充の正しい組み合わせを答える形式の問題が導入されましたが、教科書レベルを逸脱した知識は要求されず、簡単です。
日本人研究者のうちノーベル生理医学賞受賞者を選択する問題に戸惑った受験者も多いと思いますが、知らなければ得点できない設問ですので、失点を覚悟して素早く処理することが重要です。
短時間で処理し、満点に近い得点率で切り抜けましょう。
【第2問】
呼吸に関する出題です。
過程の説明やモル計算といった典型例題が並び、標準的な難度の問題の対策ができていれば、難しい設問はありません。
満点近い得点が要求されます。
【第3問】
生殖と発生に関する出題です。
設問(6)までは配偶子形成に関する知識問題と典型的な論述問題で、難しくありません。
設問(7)(8)の実験考察問題は実験の意図が読み取りにくく、やや高度な思考が要求されました。
【第4問】
伴性遺伝とライオニゼーションに関する出題です。
性決定様式や三毛猫の遺伝に関する典型例題が並び、題材に触れたことがあればすべて解答可能な簡単な問題でした。
満点近い得点率が要求されます。
【第5問】
チャネルロドプシンに関する出題です。
近年出題頻度が増えてきた題材であり、リード文と設問にしっかりと目を通して解き進めれば難しくありません。
脱分極や過分極の原理については、他大学も含めて出題頻度が高まっている内容です。より発展的な、EPSPとIPSPやその加重などの内容まで含めて、正しく理解した上で論理的に記述できるよう訓練しておきましょう。
【総評】
2024年度の生物は、全体的に難易度は高くなく、教科書や問題集で学習した内容が多く出題されました。計算問題や論述問題も典型的でシンプルな題材が多く、高得点を目指しやすい構成でした。論述問題の量は多いので、失点を最小限に抑えられるように典型例題に多く触れ、添削を受けたうえで文章構成に磨きをかけておきましょう。
しかし、一部の問題では、細かい事実や定義を覚えていなければ解けないものもありました。特に第5問は、教科書レベルではあるもののやや細かい知識を問うものが多く、丁寧な知識修得が必要と言えます。
生物学の幅広い分野に対する理解と関心を持ち、常に最新の情報にアップデートしておくことが重要です。
≪2024年度の目標値≫
生物を得点源にしたい受験生…8.5 割
他教科を得点源にしたい受験生…6.5 割
まとめ
というわけで、今回は兵庫医科大学医学部の生物についてまとめてみました。皆さんの参考になれば幸いです!
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