医学部専門予備校京都医塾です。
以下では、昭和大学2次試験について、ご紹介します。
昭和大学医学部の小論文について
制限字数:600字
制限時間:60分
形式 : 課題文型/資料分析型小論文
分類上、課題文型小論文としてありますが、課題文は以下に示した通り非常に短いものなので、テーマ型小論文と課題文型小論文の中間のような位置づけです。課題文から得られる情報が少なく、受験生の予備知識がものを言うことから、テーマ型小論文とも言えますね。
以下では、ここ4年の問題を見てみましょう。
2024年
「都道府県別に見た医療施設に従事する人口10万対医師数」のグラフを見て、医師の地域偏在に対する解決策を述べる。
⇒医師不足、医師偏在は入試頻出ですね。毎年、どこかの大学が出題する典型的な問題の一つです。ここは事前の勉強がものを言う部分ですから、しっかり勉強しておかねばなりません。
京都医塾生は『医療レジュメ』の第三分冊でがっつりと学習したので、大丈夫ですね!
2023年
AI技術は医療の分野でも積極的に取り入れられています。AIが医師の診断率を上回る結果を残している報告もあります。今後、AI技術を活用する世界で、医師としての役割はどのように変化していくと考えますか。簡単に述べなさい。
⇒ありがちな受験生の間違いは
- AIが医師の仕事を全て行ってくれる
- AIさえいれば、医師は不要になる
- 医師の仕事は、AIに全て奪われる
というようなものです。AIについて、非常に優秀なコンピュータとか、22世紀から来た青いネコ型ロボットのようなものといった漠然としたイメージしか持っていないと、上に挙げたような典型的な誤りをおかすことになってしまいます。
医療とAIは切っても切れないものであり、その重要性は今後ますます高まることは間違いありません。しかし、決して「AI=万能」ではありません。
2022年(大意)
医療施設に限らずコロナ禍での子供たちの孤独や閉塞感は問題視され対策が進められているが、記事(小児がん拠点病院で患者や家族が使えるWiFiの導入が進んでいる)を参考にして、子供たちに手を差し伸べられそうな対策があれば述べなさい。
⇒これは非常にいい問題ですね。いろいろな答えが考えられますし、咄嗟に思いつく人はいいかもしれませんが、そうでない人にはかなり答えにくいでしょうね。日頃からいろいろな情報に触れている必要がありますね。医学部受験生たるもの所謂受験勉強だけでは不十分ということでしょう。
2021年
SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。
貴方ができるSDGsの取り組みについて述べてください。
⇒SDGsについて基本的な知識があるかどうかで、書きやすさが大きく違ってきます。現代の大きなトピックについては、新聞などで情報に触れておくことが大事です。受験生は勉強漬けで、社会から隔絶された状態になりがちですが、医療はさまざまな社会問題を映し出す鏡です。
医師を目指す者として「社会への関心は薄いけれど、医学には関心がある」なんて、通用しません。
昭和大学医学部の面接について
時間:15分
形式 :個人面接(受験生:1人 面接官:2人)
面接当日にアンケートの記入があります。
医学部志望理由
大学志望理由
高校生活について
などの項目があります。事前に面接対策ノートなどを作成し、準備しておくとよいでしょう。当日も迷わずに書けて、余裕を持って面接に臨めますよ。
過去の質問例
オーソドックスな質問が並びます。基本的な対策をしていれば、堂々と答えられるはずです。
- アンケートからの質問(医学部志望理由など)
- 短所は何か
⇒社会性を疑われてしまうような、致命的な短所は言わないようにしましょう。この質問は自分の評価を下げるものではありません。
- 今まででうれしかったことや、悲しかったこと
⇒受験生の価値観・人間性を見る質問かもしれませんね。間違っても「お年玉で〇万円もらったことが一番うれしかったです」とか、「もらったお年玉を入れた財布を落としたことが一番悲しかった……」などとは口走らないようにしましょう。
忍耐や努力が報われたり、工夫がうまく働いたりした経験やその逆を応えることが一般的です。
- 将来の医師像について/何科に進みたいか
⇒基本的には、進む専門科を完全には決定していなくてもよいでしょう。ただし、「何も考えてこなかったが、これから考えます!」ではちょっと甘いかもしれませんね。「まだ決まっていないが、今までこのように考えてきた」という内容は話せるよう準備しておきましょう。また、「これからしっかり模索して決めていきたい」という前向きな姿勢を伝えることも忘れないようにしましょう。
- 寮生活について
⇒「寮生活について」は昭和大学など全寮制の大学ではよく聞かれる質問です。寮生活を通して何を身につけたいのか、寮生活にどんなことを期待しているのか、寮生活を送るうえで何が不安かなどが聞かれるようです。ときには、寮で自分とは合わない人がいた場合どうするか、といったMMIのような質問もあったようですが、「面接は医師への適性を見るために行われている」と考えれば、答えるべき内容と、答えてはいけない内容は明らかですね。
昭和大学2次試験のまとめ
小論文、面接共にオーソドックスな問題が多い。
面接は10分間しかないが、よく準備して臨もう。
「本学で医学を学ぶにあたっての動機や意欲のほか、医療に向き合う態度、基本的なコミュニケーション能 力、個性や才能、医学に対する熱意と情熱を備えているかを評価し、点数化します。」など、募集要項には有益な情報が載っています。目を通しておくとよいでしょう。