医学部合格を目指す受験生にとって、模試での判定結果は非常に重要な指標となります。
特にB判定は、合格可能性を高めるための大きな目標です。
しかし、「いつまでにB判定を取ればいいのか」「偏差値はどれくらい必要なのか」など、疑問を抱えている方も多いでしょう。
この記事では、医学部合格に向けてB判定を取得するべき時期や、そのために必要な偏差値について詳しく解説します。
目次
医学部志望はいつまでにB判定が必要?

医学部志望の受験生は、遅くとも高校3年生の12月までに模試でB判定を取ることを目指しましょう。
これは、12月の模試が本番直前の重要な指標であり、ほかの受験生が大きく成績を伸ばしてくる時期だからです。
この時点でB判定が出ていれば、合格圏内に近づいており、弱点補強に集中する余裕が生まれます。
高校1、2年生の模試でB判定が出ても、受験者層が異なるため過信は禁物です。
ただし、早い段階からB判定を目標に勉強することは、基礎学力を固める上で有効です。
学習習慣の定着や自己管理能力の向上にもつながります。
また、部活引退後の学生が加わる秋以降は、成績が相対的に下がりやすくなる時期です。
そのため、学習計画を綿密に立て、親や指導者と相談しながら受験に臨みましょう。
模試結果をもとに苦手科目を特定し、効率的に学習を進めることが重要です。
B判定にはどの程度の偏差値が必要?

B判定をとるのに必要な偏差値は模試によって異なりますが、一般的には67.5程度と言われています。
これは全国模試のデータに基づく目安です。
B判定は合格可能性60%~80%に相当し、その模試の上位2割から4割以上に入ればB判定になります。
偏差値50が全体の平均に当たるため、偏差値67.5を目指すことでB判定が出る可能性が高まります。
ただし、模試や志望校によって基準は異なるため、受験予定の大学のデータを確認しましょう。
医学部のボーダーラインは偏差値65
医学部のボーダーラインは偏差値65です。
これは医学部全体の偏差値分布を分析した結果、ボーダー偏差値が最も多いのが偏差値65の大学だからです。
なお、英数理の平均偏差値65がボーダーラインに該当します。
一部の大学では偏差値62.5でも合格ラインに入りますが、選択肢を広げるためには最低でも偏差値65を目指すことが重要です。
志望校の偏差値基準を早めに確認し、自分に必要な対策を計画的に行いましょう。
ボーダー偏差値とは
ボーダー偏差値とは、各個別入試で前年度の入試結果から合格可能性50%を分ける偏差値帯の下限値を指します。
偏差値がこの基準に達するとC判定となります。
偏差値が2.5上がるごとに判定はB、Aと上がり、2.5下がるごとに判定はD、Eと下がります。
例えば、偏差値65でC判定の場合、67.5でB判定、70でA判定です。
C判定が出ると合格が難しく感じるかもしれませんが、合格可能性は50%あるため、努力次第で十分に合格を狙えます。
例えば、私立大学医学部の場合、3校受験すれば1校合格する可能性があるというイメージです。
模試判定に対する考え方

模試判定に対する考え方を紹介します。
模試の判定が良かったり悪かったりすると一喜一憂しますが、志望校合格のためには判定に向き合う必要があります。
各判定に対する考え方を見ていきましょう。
A判定のとき
A判定が出たら慢心しないことです。
A判定は80%以上の確率で合格しますが、本番までの時間があればほかの受験生に巻き返されることもあるため、A判定は出ても本番も合格するとは限りません。
変わらずに勉強を続け、次の模試もA判定が出るように努力しましょう。
特に高校1、2年生のころは、模試に参加している人数が少なかったり、本格的に勉強を始めていない学生がいたりします。
そのため、高校3年生やその年の秋以降に成績ががくっと落ちる可能性があります。
高校1、2年生で本番までに時間があって、怠けてしまう学生は今目指している大学よりも上のランクの大学を目指してみるのも良いでしょう。
本番まで気を引き締めてしっかり勉強を続けることが肝要です。
B判定のとき
B判定のときは、次の模試でA判定を目指しましょう。
B判定でも気落ちする必要はありません。
合格可能性は60%から80%です。
高校1、2年生の模試でB判定の場合は、本番まで成績を落とさないようにA判定を目標に勉強しましょう。
高校3年生の場合は、十分合格圏内にいますので、たとえ直前の模試であっても志望校を変えなくて大丈夫です。
B判定でも志望校に合格した受験生はたくさんいます。
「あと何点でA判定なのか」「点数を上げるために何の勉強が必要か」を考えましょう。
直前に間違えた問題を繰り返し復習し、リラックスして本番に望みましょう。
C判定のとき
C判定が出たときは、苦手分野の分析をしっかりしましょう。
C判定の合格可能性は約50%ですが、B判定よりのC判定なのか、D判定よりのC判定なのかによって異なります。
苦手分野の対策をすれば、成績は一気に伸びて次の模試のときにはB判定になる可能性が高いです。
本番直前の場合、分析した苦手分野の問題を解けるように何度も復習しましょう。
D判定のとき
D判定のときは、まだまだ挽回できるので判定に関して気に病まずに勉強をしましょう。
なぜなら、受験生の6割がE判定だからです。
倍率が3倍程度ある国公立大学などでは、D判定が出れば上位3~4割に食い込めるので、最後まで諦めずに努力しましょう。
E判定のとき
E判定が出たらその模試の時期によりますが、直前の模試の場合は志望校の変更も視野に入れる必要があります。
高校1、2年生の場合、まだまだ時間の猶予があるので、苦手分野を克服してしっかり対策を立てれば、問題なく志望校を狙えます。
一方で高校3年生の場合、絶対にその大学に行きたいわけではないのであれば、必要に応じて志望校の変更もおすすめします。
または、滑り止めとしてA判定の大学を受験するなどの対策をしましょう。
医学部志望の受験生が偏差値を見るときの注意点

医学部志望の受験生が偏差値を見るとき、以下の注意点があります。
ボーダー偏差値を鵜呑みにしない
1つ目の注意点はボーダー偏差値を鵜呑みにしないことです。
なぜなら、偏差値は模試ごとに毎回変わりボーダー偏差値も変わるからです。
模試では受けている学生の母数が少ないこともあり、正確な偏差値や数値は出ないため、誤差が生じます。
上記で記載したように基準のボーダー偏差値は65ですが、それを鵜呑みにしたり、固執したりする必要はありません。
ボーダー偏差値は大学選びや合格可能性基準の一つの数値として考えましょう。
模試の判定や自分の偏差値を見て、間違えた問題を繰り返し復習して実力をつけることが最善策です。
偏差値が低めに出ている大学がある
2つ目は偏差値が低めに出ている大学があることです。
地方の国公立などでは地域枠が多く、地域枠は一般枠と比べて入りやすいため、偏差値が低くなりがちです。
例えば、札幌医科大学や旭川医科大学、群馬大学などが挙げられます。
しかし、偏差値が比較的低いからといって油断していると落ちる可能性があります。
偏差値だけで考えるのではなく、過去問のできや合格最低点など総合的に判断して受験しましょう。
基礎学力は目指す大学によって異なる
基礎学力は目指す大学によって異なります。
各教科の基本的な問題が解ける状態だと、受験対策次第で志望校に合格できます。
医学部を目指す学生は「いい成績を取らなければ」と考えがちですが、模試と実際の入試は異なるため、模試でいい成績を取ったり高い偏差値であったりすれば良いわけではありません。
大学によって入試問題や問題形式、出題傾向、出題量などが異なり、それらをチェックすることがより重要になります。
基礎学力を向上させる際も、志望校の出題傾向や頻出分野などを意識すると、より効率的に合格に近づきます。
そのため、目指す大学によって自分の必要な基礎学力がどの程度なのか確認しましょう。
例えば、問題量が多い大学の傾向は難問が少なく、標準問題が多いです。
上記の場合、難問を後回しにして、スピードを意識して標準問題を落とさないようにしましょう。
また、難問の出題が少ない大学であれば、基礎問題と標準問題を確実に解くようにすることで、合格できる可能性が一気に高まります。
まとめ

以上、医学部合格に向けてB判定を取得するべき時期や、そのために必要な偏差値について詳しく解説しました。
医学部合格に向けてB判定は高校3年生の12月を目途に取得しましょう。
また、B判定に必要な偏差値は模試によって変動しますが、だいたい67.5です。
医学部のボーダー偏差値が65なので、これを超える成績を修めるようにしましょう。
ただし、あくまでも目安のため、この偏差値に固執する必要はありません。
基礎学力は目指す大学によって異なるため、自分の目指す大学の出題傾向や問題量などから必要な学力を把握しましょう。