現役の臨床医師として実際の医療現場に立たれながら、ご自身が起業された「株式会社ウェルネス」の代表取締役も務められている中田航太郎先生。前編に引き続き、後編では勉強にまつわるエピソードや、中田先生が思う未来の医師に求められることをお話し頂きました。
- 受験遍歴
- 勉強法について
- 家庭教師として
- 医師を目指すきっかけ
- 医師になる人に必要な素質
- 受験生へのメッセージ
全国の受験生のみなさん必見のお話もありますよ!
それでは、インタビュー後半の内容をお届けします!
目次
受験遍歴
京都医塾:中田先生の受験遍歴をお伺いできますか。
中田:初めて塾に通ったのは、中学受験のためで小学5年生からでした。無事志望校の中高一貫校に合格し、そこから高校1年生の間は独学で勉強をしていました。高校2年生からは大手塾に通いましたが、高校3年生の10月から早くも燃え尽き症候群になりました。
京都医塾:少し早めに気持ちが尽きてしまったんですね。
中田:たしかに、ちょっと早いですね(笑) 燃え尽きている間は、こたつにこもって漫画を読み漁っていました。そこから予備校に通い、1年浪人して東京医科歯科大学医学部に合格しました。
勉強法について
京都医塾:ご自身で勉強を進める際、何を意識して勉強されていましたか。
中田:短期、中期、長期の目標を立てていましたね。もちろん日によってやる気の出ない日もあるので、計画が狂うことはありましたよ。少なくともここまでに終わらせようというのは決めてやっていました。
捨てることが大事
京都医塾:そうなんですね、どうやって目標を見つけていましたか。
中田:僕の場合は、捨てることが大事というのを意識してやっていました。やることを探そうとして物事を進めていると無限にやることがあるけど、結局、やることを絞って1つ2つを続けていれば受かるんじゃないかと思うようになって、そのためには時間をこうしてという風に組み立てて考えていくようになりました。あとは、少し時間に余白をもたせてみたりもしています。ただ、中高のときは一夜漬けでした(笑)
家庭教師として
京都医塾:医学部合格後、プロ家庭教師としてアルバイトをされていたそうですね。
中田:よくご存じですね。大学1年生の頃から家庭教師をはじめて、東大や医学部に10名以上を合格させました。
勉強は基本をおさえること
京都医塾:生徒にはどのように教えていたのですか。
中田:授業では、生徒のやる気を引き出すこと、やり方を伝えること、納得感を持って授業を受けてもらうことを意識していました。勉強は基本をとにかく押さえることが大事です。それをどう応用していくか。道具を増やすことをだけを考えているとスキルは上がらないので、道具を増やすことよりも今ある道具を使いこなすことを意識した方が絶対にいいです。例えば、単語帳や似た種類の参考書を色々買っていた生徒には注意しました。その前のことができていないのに参考書や単語帳を何冊も買ったりするのは道具を増やしているに過ぎません。
出題者が何を意図しているのかを理解する
京都医塾:なるほど。京都医塾でも絶対基礎を徹底的に作るようにしています。
中田:今自分の解いている問題において、出題者が何を意図していてとかどういう公式を使っていけるか、その公式がどのように導かれているかを理解することが大事。あとはインプットの量を増やすというよりは。知っているものからどうそれを幅広く使えるようになっていくかを鍛えて行っていました。山のような宿題を与えるというよりは、一つの問題を熟知させて、そこで得た知見をどれだけ活かせるかですね。
必ず6時間は寝るように
京都医塾:その他、生活面では何かアドバイスをされていましたか。
中田:とにかく寝ろ、睡眠時間だけは削るな(笑)ですね。6時間は必ず寝てもらうように伝えています。実際、僕も1日を24時間と考えず18時間と考えるようにしています。昼寝はあくまで眠気をとるためのもの。1回数10分で十分です。疲れをとる睡眠はまた別で、まとめて寝ないと意味がないですからね。
医師を目指そうと思ったきっかけ
京都医塾:医師を目指そうと思ったきっかけを教えて下さい。
中田:小児ぜんそくで入院したとき、小児科医の先生に会いに行くのがとても楽しみだった。その時はまだ小学生でしたが、学校の先生と話しているよりもその先生と話す方が楽しかった。こういう先生になりたいなと思って、医師を目指そうと思いました。
頭の中では医師になろうとずっと決めていた
京都医塾:歳を重ねて色々な世界を見ていく中で、医師という夢はずっと同じでしたか。
中田:音楽の世界にも興味をもちました。有名な音楽レーベルのオーディションも受けたんですけど、頭の中では医師になろうとずっと決めていましたね。…というよりは、実は僕は楽観的な人間で、医師になってから辞めたくなれば辞めればいいかなと思っていて、なってから考えればいい、寿命も伸びているし、医学部に6年通って研修2年間やってもビハインドはないんじゃないかな、と。
医師になる人に必要な素質
京都医塾: これから医師になる人に必要な素質はなんでしょうか。
中田:2つあると思っています。1つ目は常識を疑うこと、2つ目は世の中に対して興味を持つこと。もちろん、ある程度柔軟に周りの人の意見を聞き入れることができるのが大前提ですが、その上で正しいかどうかを自分で考えることができるかが大切です。
京都医塾:目の前にある情報を自分で選択していくということですね。
中田:教えらえた通りに考えたり信じ込んだりする人が多いですが、本当にそうなのかなと考える力が必要です。臨床医であれば、本当にこれが患者さんの臨むことなのか考えると、患者さんの信頼を集める医師になれると思います。
頭がいいだけではいけない時代が来る
中田:後は今いる医師との差別化が大事。器量がよく頭がいいだけではいけない時代が来る。そうではなくて人柄だったり人間力。医師の数が今後も増えてくる。覚える力はこの後、AIなどで代用が利くようになる。患者さんに選択肢を投げかけたとき一緒に考えて答えを決めたり、患者さんに寄り添って病気の宣告をするときいかに相手に不安な思いをさせずに淡々と説明ができるか、コミュニケーションが大切になってくる。
医師は学び続ける学問である
京都医塾:求められる素質はコロナ禍になって変わりましたか。
中田:柔軟に変わる力がより大切になってくると思います。コロナ禍でいうと、例えば遠隔診療。病院が遠隔診療に対応できないことによって、今まで病院にかかっていた人が受診できないということも起きている。社会の変化についていくこともスキルの一つです。IT化も進んでいるので新しい技術への対応力であったり。医学部にいるから大丈夫ではなく、新しい情報をキャッチアップしていくことが大事。医師は学び続ける学問である、というのはその通りで、新しい情報を入れていくことを楽しめる人がいい医師になれると思います。
受験生へのメッセージ
受験期を乗り切れば自分の自信に繋がる
京都医塾:京都医塾で頑張る受験生にメッセージをお願いします。
中田:医師になって損をすることは絶対にありません。自分自身が人間である以上、人体の仕組みを理解することはそもそも自分自身の糧になります。健康という需要がなくなることはこの先ずっとないですし、自分自身の医師としての魅力は、おのずとついてくるので安心してください。受験はとてもハードなものです。だからこそ、受験期を乗り切ったということは自分の自信に繋がります。この経験は、医師としてこれから生きるにせよ別の道を歩むにせよ、難しい壁を越えたということは変わりません。もし今、医師になってからの不安を考えることがあれば、受験という壁を越えてからでも全然間に合います。
京都医塾:まずは目の前の目標に向かって、ということですね。
中田:しんどいときは適宜休むことが大事。あまり完璧主義になると逆にうまくいかないので、短期目標だけでなく中長期的な目標を持って、短距離走ではなくマラソンを走っていると思って。とにかく頑張れ!
まとめ
前編後編にわたって中田さんのインタビューをお届けしましたが、いかがだったでしょうか。
基本をとにかく押さえ、どう応用していくか。
これは医学部受験だけでなく、全てのものごとに当てはまることですね。
くれぐれも睡眠時間は大切に、これから始まる入試シーズンに臨みましょう!
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