新課程に伴い、2025年度の共通テストより国語の試験時間と内容に大きな変更がありました。
そこで本記事では改正後の共通テストの国語の概要と最適な時間配分、時間内に解き切るコツについて解説します。
目次
共通テストの国語の試験時間と内容【2025年からの変更点】

まずは変更点も含め、共通テストの国語の概要について確認しましょう。
共通テストの国語では90分で5つの大問を解く
冒頭の通り、共通テストの国語は2025年度入試から出題形式が大きく変更されました。
大問が1問増加して現代文3問、古典2問の計5問構成となり、これに伴い試験時間が従来の80分から90分に延長されました。
試験時間が増えたものの大問数が増えたことで従来より1問あたりの解答時間が少なくなるため、適切な時間配分がこれまで以上に重要になっています。
共通テストの国語の出題内容と配点
各大問の内訳と配点について具体的に見てみましょう。
第1問 | 論理的な文章 | 現代文・評論文や解説文 | 45点 |
第2問 | 文学的な文章 | 現代文・小説など | 45点 |
第3問 | 実用的な文章 | 報道・広報文、案内、報告書、説明書など。 グラフや図表を含む | 20点 |
第4問 | 古文 | 古典文学の読解問題 | 45点 |
第5問 | 漢文 | 漢文の読解問題 | 45点 |
注目すべきは新設された「実用的な文章」です。
新学習指導要領に対応するために追加された「実用的な文章」ではグラフや図表などの資料が示され、より実用的な読解力や情報処理能力を問う問題構成となりました。
大問数増加に伴う配点の変更により、現代文(第1〜3問)の合計配点は90点から110点、古典(第4〜5問)の合計配点は100点から90点となり現代文の比重が高まっています。
共通テストの国語でベストな時間配分は?
共通テストの国語における、基本的な時間配分は以下を目安にするとよいでしょう。
大問 | 内容 | 時間配分 |
大問1 | 現代文(論理的な文章) | 20分 |
大問2 | 現代文(文学的な文章) | 20分 |
大問3 | 現代文(実用的な文章) | 15分 |
大問4 | 古文 | 15分 |
大問5 | 漢文 | 10分 |
– | 見直し | 10分 |
出題数が多く配点も高い現代文にはある程度の時間を確保する一方で、現代文より配点が低い古文・漢文は解答の時間を抑えて10分程度を見直しに割く計算です。
もちろんこの表はあくまで目安です。
模試などで実際に試してみて、「評論が苦手だから古文の時間を減らす」「図やグラフの読み取りは得意なので短くしてその分苦手な小説に時間を多く割く」など自分に合わせて調整しましょう。
また、現代文でも配点が少ない「実用的な文章」の時間は若干少なく設定していますが、過去問が少なく対策がしにくいため古文の時間を5分少なくして実用的な文章を20分にするパターンも考えられます。
志望大学の国語の範囲が「現代文のみ」「漢文なし」などの場合は、必要のない問題は解かずに配点の多い「論理的な文章」や「文学的な文章」に割り当てるとよいでしょう。
共通テストの国語で時間配分を成功させるポイント
時間配分の目安を見て、「時間内に解き終わるの無理!」と思っている受験生もいるのではないでしょうか。
次に、各大問ごとに解答時間を短縮するためのポイントについて簡単に解説します。
大問1:評論文では「冒頭+結論」と「接続詞」に注目する
評論文で見るべき箇所は、以下の3つです。
- 冒頭の段落
- 結論の段落
- 接続詞
最初にテーマとなる問題と結論を読み文章の概要を掴んだうえで、文をつなぐ接続詞などのディスコースマーカー(文と文の論理関係を示す言葉)に着目します。
特に「しかし」「要するに」付近の文章に注目して読むことで手早く筆者の主張のポイントをおさえやすくなるため、印をつけておくのもおすすめです。
大問2:小説では「リード文」と「変化」に注目する
小説で注目するべき箇所は、「リード文」と「変化」です。
「リード文」とは本文の前に書かれている本文の設定や概要を説明している箇所であり、本文を理解するために必要な情報が書かれています。
リード文にある人間関係や時代背景などをしっかりおさえたうえで本文を読むようにしましょう。
場面や行動、心情の「変化」も重要です。
特に下線部近くに心情を表す言葉があったら、下線など印をつけておくと解答の時短になります。
大問3:図やグラフでは資料と本文の共通テーマを素早く把握する
実用的な文章では、資料(図やグラフ)と本文が示されます。
ポイントとなるのが、図やグラフと本文で共通するテーマについての把握です。
詳細を読み込む前に、テーマをおさえて設問に必要な部分を資料から探し出すように解くと少ない時間で回答にたどり着けます。
実用的な文章は過去問が少ないため、大学入試センターが公表した「試作問題」や問題集などで出題形式のイメージを掴むことも重要です。
大問4:古文では隠された「主語」を見つけ出す
古文で時間がかかる原因の一つが文章の内容把握の難しさです。
そのため、古文では「誰が」「何を」している・言っているのかを捉えることが重要です。
主語が省略されていることが多く分かりにくい古文では、主語が切り替わりやすい「を、に、ば、が」などの助詞に注目して読むようにすると理解しやすくなります。
また、尊敬語や謙譲語も身分の差を示すので主語を推測するヒントになります。
大問5:漢文では「句法」と「返り点」で短時間に構造を理解する
漢文を解く時間を短縮するためのポイントは、試験当日ではなく事前の学習にあります。
特に重要なのが、使役や受け身、否定などの文のパターンを示す「句法」と文の構造を理解するための「返り点」です。
これらのルールが十分に頭に入っていれば、短時間で文の大まかな意味を把握するのに役立ちます。
共通テストの国語の鍵は「消去法」と「積極法」の使い分け
選択問題を素早く解くテクニックとしてよくいわれるのが「消去法」です。
消去法では、まず選択肢のなかから「本文に書いていない」「本文と矛盾する」「本文に書いてあるが設問には関係ない・表現が過剰」といったものを消去します。
しかし、「消去法で2つには絞れたけど、残りどっちが正しいのか分からない」というのも試験ではよくあります。そこで役立つのが「積極法」です。
積極法では、選択肢を見る前に自分なりの解答を用意し、あとから選択肢を見て一致するものを選ぶことで選択肢に引きずられて不正解を選ぶことを防ぎます。
消去法・積極法の適切な使い分けで、効率的に解答を絞り込みましょう。
共通テストの国語の時間配分に関するQ&A

これまで時間配分を意識して模試や問題集に挑戦した受験生のなかには、「こういうときはどうしたらいい?」と迷ったことがある方もいるでしょう。
ここでは、受験生が時間配分に関して迷いやすい3つのポイントについて回答します。
Q1:共通テストの国語はどこから解くべき?
おすすめの順番は、以下の通りです。
- 漢文
- 古文
- 現代文(実用的な文章)
- 現代文(文学的な文章)
- 現代文(論理的な文章)
パターンを理解していれば短時間で解きやすい漢文・古文から解き始め、後半に配点も多く時間をかけたい小説や評論文を持ってくる時間配分です。
もちろん自分の得意科目から解いていく作戦も有効です。
ただし、順番を変更して解く際にはマークミスにくれぐれも注意しましょう。
Q2:時間配分通りに解き終わらない場合はどうしたらいい?
時間配分通りに解けないときは、以下を試してみましょう。
- 設問を先に読み解答に必要な部分を明確にする(※ただし先入観に引きずられないように選択肢は読まない)
- 何回分か時短テクニックを使って解いてみて、自分ができそうな時間配分に調整する
- 手詰まった問題は早めに見切りをつける
Q3:配分時間を過ぎたけれどもう少しで解き終わりそうなときの判断ポイントは?
「あと少しで解けそうだけど、ほかで時間切れにならないようにやめるべき?」と悩むときは、以下のポイントで判断しましょう。
- 残り時間と問題数のバランス
- 問題の配点
- 自分の得意分野か
配点が低い問題は時間を使うのがもったいなく、苦手分野に時間をかけても正解するとは限りません。その場合は見切りをつけて、重要度の高い問題に注力しましょう。
医学部受験における共通テストの国語の時間配分と対策

ここまで一般的な共通テストの国語の時間配分について解説してきましたが、医学部を受験する場合にはまた別のポイントがあります。
全教科で高い得点が必要な医学部受験では、ほかの科目との兼ね合いや国語の各分野への適切なリソース配分も重要です。
つまり、国語は効率よく点が取れる分野を中心に学習し、その分英語・数学・理科などの重点科目に注力することを意識しましょう。
考え方としては、英語・数学・理科の学習がある程度進んでから、暗記で対応しやすい古文・漢文を学習するとよいでしょう。
医学部受験において国語の重要度は高くないため、本番でも「確実に取れる部分をおさえて7~8割を取る」という作戦が有効です。
普段時間をかけて解いてみて点数が上がらない分野は諦めて「得点を伸ばす」より「失点を抑える」方向性で進めましょう。
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まとめ

共通テストの国語は文系大学の受験では重要な科目ですが、医学部受験では英語や理系科目と比較して重要度は高くありません。
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