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愛知医科大学の医学部英語の特徴

京都医塾の英語科の満尾です。

本日は愛知医科大学の入学試験の英語について書かせてもらいます。

さて、共通テストから僅か2日後、私立医学部でも最も早く入試が行われるということで、医学部を目指す方の多くが愛知医科の入試問題を目に通したことはあると思います。

もちろん、医学部なので難易度は高めなのですが、それよりも「癖の強い問題だな」と思った人が多いかも知れません。しかし、形式にも難易度にもしっかりとした意図を感じます。

それはおそらく、「多数の受験生の中から、きちんとした英語の知識とそれを運用する思考力をもった生徒を、客観マーク式でも正確に選別したい」というものです。

では、具体的に大問や制限時間の構成を見てみましょう。

2021年度 愛知医科大学(一般) 

制限時間は80分、大問は全部で7つ、合計49問で150点満点ですので、読解も文法もほぼ1問3点であると予測されます。制限時間は80分です。なので、結構な駆け足で解く必要があるのは、大多数の医学部入試と変わりません。ただし、多くの時間制限が厳しい大学に比べると「丁寧な構文把握や細かい文法知識」を必要とするのが特徴です。また、文法問題も「2か所の空所に入る語句の組み合わせ」を選ぶため、選択肢が8つもあります。これは、前述の通り「まぐれ当たり」を避け、きちんと実力を見極めようという大学の配慮と思われます。

さて、それでは、一部の設問のコツを軽く解説しましょう。

大問Ⅰ 会話の空所補充問題(文法知識中心)…6問

問われている知識は標準的なのですが、「知識をそのまま使う」という問題は少なく、ちょっと考えて解かないといけない問題が多いです。その辺はバランスが良いと思いますが、感覚頼みや丸暗記で勉強している人には厳しい問題です。動詞を覚える際に、文型や語法などの「使い方」を意識して学習しましょう。また、4文型→3文型の書き換え(give 人 モノ→give モノ to 人)のような中学生レベルの知識も聞かれることがあります。

大問Ⅳ 語句挿入問題(指示された語句をどこに挿入すべきか指摘)…5問

指示された語句を「本文の何処に入るべきか指摘」する問題です。構文的に判断する、例えば「入れる語句は関係詞だから、SVとSVの間のはず」みたいに答える場合と、意味的に判断する場合があります。ただ、入れるべき語句の品詞などをみれば、どっちのタイプかの判断はつくことが多いです。もちろん、構文的に判断するためには文構造の正確な把握が必要になります。普段から、何となく切れ目っぽいところをスラッシュで切って読むような読み方ばかりしていると、難しいかもしれません。

大問Ⅴ 長文読解問題(ほとんどが空所補充)…10問

この設問は解くのにコツが要りますが、合否を分ける設問ではないかと思っています。まず、最後の正誤問題を除くと、10個前後の選択肢を本文の空所に入れていくのですが、ほぼ「空所を含む文だけ」で解ける設問です。もちろん、その際には「構文と品詞の判断」が大事になります。(本当はもっとコツがたくさんあるのですが、それは授業を受けてくれる生徒さんにしか教えられません。すいません。)

そして、最後の正誤問題ですが、「3つの文が、本文に一致するかをそれぞれ判定し、その組み合わせを選ぶ」という問題です。例えば、「1つ目の文は正、2つ目は誤、3つ目は誤」みたいな組み合わせを8通りから選ぶわけです。他の設問が全体を読む必要が無い点を考えると、ハッキリ言ってコスパの悪い問題です。よっぽど解答スピードが速い生徒さん以外は、選択肢だけを読んで適当に選んでしまって良いと思います。私立医学部でも愛知医科大学のように問題の量が多い入試では、「全てを解こうと頑張りすぎない」というのは大切です。「出来る問題を確実に解く」が合格の秘訣です。

まとめ

今回は、愛知医科大学の医学部英語の特徴についてまとめました。

本当はすべての設問について、例文も交えて詳しく説明したいのですが、字数もなかなか多くなってしまったので、今回はこのくらいにしておきます。もし京都医塾で会うことがあれば、是非もっと詳しい説明を聞いてほしいです。

京都医塾ではご相談・体験授業を随時募集しています。下記リンクからお気軽にお問い合わせください。

投稿者:満尾 浩太

  • 役職
    四条烏丸校副校長/英語科講師
  • 講師歴・勤務歴
    14年
  • 出身大学
    京都大学総合人間学部
  • 特技・資格
    カクテルなどを一通り作れる。TOEIC 945点。
  • 趣味
    バーみっちゃん※自宅をバーみたいにしてます。
  • 出身地
    福岡県
  • お勧めの本
    嫌われる勇気

受験生への一言
楽しんでメッチャ勉強するやつが最強です。一緒に楽しく英語やりましょう。