私立大学医学部は、学校ごと教科ごとに出題傾向が独特な大学も多く、過去の入試問題の傾向分析は必須です。特に最新年度は重要。
各大学の教科ごとの問題分析のフルバージョンはかなりのボリュームになるため、このブログではハイライトとして、各教科の最新年度の出題形式/内容/適性を抜粋してお伝えいたします。
今回は2021年度近畿大学 医学部 【一般入試】過去問分析をご紹介いたします。
英語の出題形式/内容と適性
制限時間60分 マーク形式のみ ①文法・語法問題 ②長文3題(250語~700語程度)
形式が劇的に変化した。とはいえ、文法・語法問題の解きにくさは相変わらず。よほど英語のセンスが良くないと解けない印象。形式が全く異なるので2020年度以前の過去問を解くことは近大対策としては無意味。
数学の出題形式/内容と適性
制限時間60分。空所補充+記述。集中力を切らさずに、根気強く数え上げや計算を行う必要がある。図形の問題が出題されることが多いので他の大学よりは図形的な発想が必要。
化学の出題形式/内容と適性
理科2科目で120分。記述式。大問3問。
理論の出題割合が多く、標準レベルの問題が大半を占めるが、計算過程を要求されることも多いので、演習時に細やかな解答を作る意識をもって臨んで欲しい。
生物の出題形式/内容と適性
理科2科目で120分。記述式。 大問4問。 論述問題が複数出題される。
免疫は必出。生態系や進化・分類はほぼ出題されない。典型・標準的な問題が多く、ここ数年は易化傾向ではあるが、高校生物の教科書的な知識を超越した知識も無視できない頻度で問われる。大問4問中、1-2問は典型的ではない実験考察問題が出されることがある。
標準的な力があれば対応できる問題は多いが、合格に達するために他の受験生と差をつけようと思うと、細かい知識問題と考察問題に対処できる力が必要になる。
物理の出題形式/内容と適性
理科2科目で120分。記述式。大問3問。
難易度は標準~やや難であり、例年、近畿圏の4つの私立医大の中では最もオーソドックスな問題を並べてくる。しかし、2021年度は非常に煩雑な計算処理を2つの大問で要求されたため、物理としての分析力・理解力を発揮するチャンスなく終わってしまった受験生も多かったものと思われる(ただし、これは大学側が問題をきちんと練りきれていなかったことが原因であるため、2022年度も同様の煩雑な計算が要求される可能性は低い)。なお、例年は大問の中で少しずつ現象を展開させ、それを設問で誘導しながら理解を試していく構成を取ることが多い。また、グラフの描図が頻出であり、2021年度も2つの大問で出題された。
京都医塾の入試問題分析と相性評価
京都医塾では、毎年すべての入試問題を全教科の講師陣が実際に解いて、その大学の問題傾向を分析し、年ごとの傾向変化もしっかり把握しています。
その上で、入試直前期、受験校を決定する一助とすべく、すべての生徒に対して、『生徒ひとりひとりの学力分析(学習の習熟度やクセ、分野ごとの得意不得意など)』と『各大学の入試問題傾向分析』とを照らし合わせて、相性評価を作成いたします。
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