私立大学医学部は、学校ごと教科ごとに出題傾向が独特な大学も多く、過去の入試問題の傾向分析は必須です。特に最新年度は重要。
各大学の教科ごとの問題分析のフルバージョンはかなりのボリュームになるため、このブログではハイライトとして、各教科の最新年度の出題形式/内容/適性を抜粋してお伝えいたします。
今回は2021年度 日本医科大学 医学部 【一般/前期】過去問分析をご紹介いたします。
英語の出題形式/内容と適性
制限時間90分 マーク+記述 ①長文 ②発音アクセント ③自由英作文
昨年から形式が変化した。長文が1題になり、記述もなくなったが、文が異様に長い(1,873語!)。その他は発音アクセント、語彙問題、自由英作文という構成で、こちらは例年通り。
数学の出題形式/内容と適性
制限時間90分。空所補充+記述。問われている内容も難しく、計算量もかなり多い。記述量も多く、難関国公立レベルの力が求められる。
化学の出題形式/内容と適性
理科2科目で120分。記述式。大問4問。
標準レベルの問題が多いが、出題割合の高い理論範囲では高い思考力を必要とする難易度の高い問題も出題されている。反応速度、平衡からの出題が頻出。反面、無機範囲からの出題はやや少なめだが、総合的な知識を要求される。
生物の出題形式/内容と適性
理科2科目で120分。記述式。(記号選択と用語の解答のみ。 ) 大問3問で、少なくとも1問は実験考察問題が出題されている。
知識問題で問われる知識は典型的なものが多く、教科書レベルが理解できていれば十分対処できる。考察問題はやや煩雑。基礎的な知識が身についていて、与えられた情報から考察することができる生徒に向いている。
選択肢の精査が必要になるため、マーク式の問題に強い生徒に薦めたい。
物理の出題形式/内容と適性
理科2科目で120分。記述式。大問4問。
難易度は基本~標準であり、典型的な問題が多い。また、高校物理を多少超える内容にも丁寧な誘導が付いているため、合格には満点近い点数が求められる。2019年度は明確に難化したものの、2020年度は易化したため、物理を難化させたくはないという大学側の意図が見え隠れする。2021年度も概ね典型的な出題であったが、計算に工夫が必要な設問や、経験がなければ対応しにくい題材(単スリットの干渉)も出題された。いずれにせよ、御三家(慶應、慈恵、日医)の中では、圧倒的に解き易い問題が並んでいる。
京都医塾の入試問題分析と相性評価
京都医塾では、毎年すべての入試問題を全教科の講師陣が実際に解いて、その大学の問題傾向を分析し、年ごとの傾向変化もしっかり把握しています。
その上で、入試直前期、受験校を決定する一助とすべく、すべての生徒に対して、『生徒ひとりひとりの学力分析(学習の習熟度やクセ、分野ごとの得意不得意など)』と『各大学の入試問題傾向分析』とを照らし合わせて、相性評価を作成いたします。
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