今回はインドネシアの塾・予備校事情について紹介したいと思います。
塾・予備校はインドネシア語でbimbingan belajar (略称BIMBEL ビンベル)と呼ばれ、既に70年代後半にはジャカルタなどの大都市に存在していたようです。しかし、本格的に盛んになり始めたのは90年代以降のことで、この頃から塾や予備校に通って夜遅くまで勉強する生徒が、インドネシア各地に現れるようになってきました。
感染症の流行がきっかけでオンライン授業が実施されるように
しかしながら、1か月の平均授業料が日本円で約5千円と言われる塾や予備校は、その額だけで公立学校の1年分の学費に相当し、世帯平均月収約2万円の中流家庭や、それ以下の貧困層にとっては負担が大きく、そのために塾や予備校は、教育格差を一層拡大する要因であると長い間批判の対象となってきました。
しかし、その傾向に変化の兆しが出る切っ掛けとなったのが、2020年以来世界的に流行した新型コロナの大流行であり、それに伴ってインドネシア各地で導入されたオンライン授業です。新型コロナはインドネシアでも2020年3月から本格的に大流行し始め、多くの中学校や高校が対面授業に代わってオンライン授業を導入しました。そして、それと時を同じくして、オンライン形式の授業を謳い文句にする塾や予備校も増加しはじめ、今やオンライン授業を謳い文句にする塾や予備校が主流となっているようです。
インドネシアの塾の費用はどのくらい?
以下に紹介するのは、インドネシアで有名な塾のホームページの内容です。例えば、先生(Guru)とオンラインのチャット形式で行う、双方向式の個別授業であれば1か月あたり日本円でおよそ月額800円からとなっており、一方、集団授業形式のものであれば、生徒数が1クラス12~15人で設定され、日本円でおよそ月額2000円からとなっており、対面授業のものよりも格安になっています。また個人、集団を問わず、オンライン授業では体験授業を実施しており、この辺りは日本の予備校と同じシステムを取っており興味深いところです。また、下の写真にあるように、多くの生徒はスマートフォンを使ってオンライン授業を受けているのですが、この辺りの事情については次回に触れたいと思います。
参考ホームページ:https://www.ruangguru.com