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川崎医科大学の一般入試の過去問対策・出題傾向まとめ【数学編】

川崎医科大学の一般入試の過去問対策・出題傾向まとめ【数学編】

 

京都医塾数学科です。

このページでは「川崎医科大学の数学」についての過去問分析コメントを紹介します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“川崎医科大学”の受験を考えている方
・“川崎医科大学の数学がどのような問題か知りたい”という方
におススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。

概要

【形式・制限時間・配点】2021年度 
形式: マークシート形式
*2021年度では、選択肢から適切な一文を選ぶ問題が1問ありますが、その問題までしっかりと計算出来ているのであれば選択肢を選ぶことはそう難しくはありません。
制限時間:80分
配点: 100点(筆記試験の総得点は350点)

出題の傾向と特徴

形式に加え、2016年度以降の6年分についての傾向をまとめます。

【毎年恒例の出題単元】

数学Ⅲ範囲の微分法(接線や導関数)・積分法(面積)
2018年度は数学Ⅱ範囲のいわゆる1/6公式を用いる面積問題でしたが、2019年度から再び数学Ⅲ内容に戻りました。接線や導関数を求めることで微分の計算をさせ、面積問題で積分の計算をさせる問題が出題されています。面積を求める問題は基本的なパターンのものが多いですので、被積分関数が三角関数や対数関数のものも含めて、頻出の積分のパターンを練習しておきましょう。

【頻出の出題単元】

恒例の単元を除くと、図形問題が頻出です。
以前は複素数平面からの出題が多くみられましたが、以下のように最近はベクトルの問題に変わってきているように見受けられます。とはいえ、どちらが出題されるかは分かりませんので、両方しっかりと対策をしておきましょう。また、独立して大問になっていなくても、大問の中に、図形的に考えて処理する問題が入っていることもあります。

2021年度…第2問 ベクトル

2020年度…第1問 複素数平面

2019年度…第1問 ベクトル

2018年度…第3問 図形と無限等比級数

2017年度…第2問 複素数平面

2016年度…第2問 複素数平面

また、残りの1題は整数や確率からの出題が多いです。こちらは、2019年の確率漸化式から一般項を求めさせ、その一般項の極限を求めるように複数の単元からの融合問題になることもあります。

【制限時間に対する問題量】

大問3題に対して80分ですので、私立医学部入試としては時間にゆとりがある方です。とはいうものの、積分を中心に計算量が多いため計算力は求められます。また、図形問題が多いため図形の性質を利用した計算の工夫ができないと計算に時間がかかってしまったり、計算ミスが起きたりしてしまうことが考えられます。

2021年度(最新の過去問)の分析

ここまでは近年の傾向を見てきましたが、ここではさらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。

【第1問 整数】(難易度:易)

[1] 等式を満たす0以上の整数の組の個数を求める問題。
[2] 積が2700になる1以上の整数の組の個数を求める問題。
基本的な場合の数・整数の問題です。「0以上」と「自然数」には気を付けなければなりませんが、素早く正答したいです。ですので、ただ数え上げるのではなく、約数の知識を使ってスピードアップを図りたいですね。
[3] 2700と直角三角形をなす1組の整数についての問題。
いわゆる三平方の定理で等式を作り、その等式を変形して積の形をつくるオーソドックスな整数の問題です。(2)も整数問題の定番である、条件を利用して置き換えていく手法を繰り返せば、[2](1)の素因数分解を利用することができます。ただし、(2)では手が止まるようであれば一旦置いて、次の問題に取り組むことも視野に入れましょう。

≪2021年度の目標値≫
数学を得点源にしたい受験生…完答したい
他教科を得点源にしたい受験生…[3](2)以外は完答したい

【第2問 空間ベクトル】(難易度:標準)

正四面体を用いた空間ベクトルの問題で、オーソドックスなものです。
(1)は(2)(3)を解く準備として、必要な内積を求めたり、\( \overrightarrow{OP} \)を基準のベクトルで表したりします。さすがに、ここで詰まるようでは訓練不足です。

(2)と(3)(ⅱ)はそのまま計算してしまうと途中の計算量が膨れてしまうので、図形的にアプローチする必要があります。(1)で求めた\( \overrightarrow{OP} \)の存在位置を利用して断面図を描き、相似を上手に利用しましょう。川崎医科大学に限らず、図形問題が頻出の入試では、相似などから比を求め利用していくことが有効なことが多いです。計算量を減らすために、積極的に図形的考察を利用しましょう。

≪2021年度の目標値≫
数学を得点源にしたい受験生…完答したい
他教科を得点源にしたい受験生…(1)(3)(ⅰ)は完答したい

【第3問 微積分法(数学Ⅲ)】(標準)

[1] 対数関数の接線のうち、原点を通るものと元の曲線、x軸で囲まれた図形の面積を求める問題。教科書の例題に載っているレベルの問題で、素早く解ききりたいです。

[2] (1)で選択肢を選ぶ問題が出題されましたが、変曲点の話なので第2導関数をとれば選択肢の判断は容易です。ただ、微分計算に慣れていない受験生だと、第2導関数をとる計算でミスをしてしまい、判断できないことも予想されます。

(2) は接線のx切片、y切片を求めてしまえば、いわゆる底辺×高さ÷2に代入するだけですのでS(t)の求め方はすぐに分かるのですが、こちらも計算して解答の形に合わせていくのが、計算に慣れていない受験生だと苦戦することが予想されます。その後も、S(t)の最大値を求めるのですから、微分して増減表をかくことは容易に思いつくと思います。

≪2021年度の目標値≫
数学を得点源にしたい受験生…(2)のスまでは取りきりたい
他教科を得点源にしたい受験生…[1]は完答したい

【総評】

しっかりと対策をしてきている受験生であれば、解法が全く思いつかない問題はほぼないと思います。そのため、計算力で差がつく問題になっています。数学Ⅲの微積分やベクトルは、普段から訓練をしておかなければ一朝一夕には計算力がつかない単元です。問題集や教科書の問題を普段から手を動かして実際に計算しておきましょう。マークシート形式ですので、途中式は一切見てもらえません。計算の際にミスを防ぐ工夫も身につけておきたいですね。

まとめ

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