京都医塾数学科の西浦です。
医学部を目指しているが、『成績が上がらない』、『何をすればいいか分からない』など悩んでいる方は非常に多いのではないでしょうか。
そこで、今回は医学部受験を考えているみなさんに、『合格するために何が必要か』『何からはじめればいいか』『年間の学習計画』『つまずきやすいこと』をテーマに学習のアドバイスをさせていただきます。
医学部受験生への学習アドバイス
医学部に合格するにはどんな力が必要か
医学部とはいえ、すべての問題の難易度が高いというわけではなく、基本から標準的な問題も出題されます。そのような問題を確実に正答できなければ合格はないと思いましょう。このような問題を完答すれば、どれだけ数学が苦手な生徒でも5割は得点することができ、得意科目で数学をカバーすることができます。
しかし、医学部の場合、基本から標準的な問題とは言え、計算が複雑であったり、問題量が多かったりするため、素早く、正確に処理する能力も必要です。
始めに手をつけたらいいこと
医学部に合格するまでのバイブルとなる、基本から標準レベルの問題集を1冊決めましょう。これを8月までに1周終わらせましょう。問題集は、『解説が丁寧』『知識をまとめたコーナー』『厚すぎず、薄すぎず』という点に注意して選びましょう。
年間計画の立て方
1年間で全範囲を最低2周行った上で、過去問演習を行いましょう。
例えば、
3月~8月…(1周目)基本から標準的な問題
②で選んだ問題集をとにかく何度も解き、ここで基礎を定着させましょう。基礎を定着させておかなければ、発展的な問題や過去問を解く意味がほとんどなくなります。
9月~10月…(2周目)標準から発展的な問題
1周目で定着させた基礎を使って発展的な問題を解く練習をします。つまずいたときには必ず1周目の問題集に戻り、類題を解きながら、知識とその運用方法を再確認しましょう。
11月~入試直前…過去問演習
過去問演習の目的は『出題傾向・形式を知る』、『時間配分』、『解ける問題を見極める』です。はじめから合格点が取れることは、まずありません。決して落ち込まず、諦めないでください。そしてここでも、過去問演習だけ行っていてもほとんど意味がありません。2周目同様、つまずいたときには必ず1周目の問題集に戻り、類題を解きながら、知識とその運用方法を再確認しましょう。
入試期間中…受験した入試問題の解き直し
まずは、解けそうで解けなかった問題や、普段なら解けていたのに解けなかった問題の解き直しを行いましょう。
また、入試にはその年のトレンドのようなものが意外と存在しており、『A大学で出題された問題の類題が、B大学でもC大学でも出題された』ということがあるため、次の入試までに必ず解き直しておきましょう。
つまずきやすいポイント
・色んな問題集を使う…すべて中途半端になります。
・過去問演習ばかり行う…同じ問題が出るわけではないので。
・難しい問題ばかり行う…基礎が重要です。基礎がなければ解けません。
・『分かる』と『できる』は違う…分かった!と思ったものでも、いざ解いてみると解けないことは普通にあります。必ず手を動かして練習しましょう。
最後に
『医学部を受験するから、難しい問題を練習しないと』という考えは捨てましょう。医学部受験では、基礎固めを徹底的に行うことが重要です。基礎がなければ難しい問題も解けませんし、難しい問題ばかり練習していると、得点すべき簡単な問題で間違えてしまいます。土台をきちんと安定させなければ、その上にいくら積み上げても崩れてしまいます。
京都医塾では、基礎を行わない期間はありません。過去問演習期間や受験期間中でも基礎に触れています。みなさんも是非、騙されたと思って基礎固めを行い続けてください。