こんにちは、京都医塾数学科です。
このブログは「今からでも医学部受験に間に合うの?」「医学部に合格するために、数学はどのようなペースで勉強すれば良いの?」といった疑問を抱えている受験生の皆さんを対象に、スケジュールの立て方や学習アドバイスを紹介していきます。
やる気と覚悟さえあれば、誰でも医学部合格の可能性はありますので、現状の学力は気にせずに読んで頂いて問題ありません。また、やる気や覚悟に自信がなくても、ひとまず読んでみてから将来のことを考えてみると良いかもしれません。(要するに、読んでほしい。)
医学部に合格するにはどんな力が必要か
一般的に、医学部に合格していく現役生は、数学の力が高い生徒が目立ちます。「バリバリの進学校に通い、“得意科目は数学です”」といった高校生を想像して頂ければよいかと思います。(ほとんどの受験で配点が高めに設定されている数学が強いということは、当然ながら医学部受験でも有利に働きます。)
しかし、京都医塾現役生科では、数学が得意教科でなくとも医学部に合格していく生徒達もたくさんいます。要は、医学部に合格するには、“数学力”というよりも“総合力”が重要になるということです。数学が苦手だからといって下を向かずに、得意な教科や好きな教科も合わせて“総合力”を身につける工夫をしてほしいと思います。
突然ですが、京都医塾のような小~中規模な塾が人気を博している理由は何でしょうか。大手予備校にいけば、全国的に有名な先生の講義を受けられますし、今の時代であれば映像授業だって選択肢に上がるでしょう。直接的な人気の理由はもちろん「合格できる可能性が高いから」ですが、私は、京都医塾で合格できる大きな理由が「受験に必要な総合力を上げられるから」だと考えています。授業を担当する講師の先生には、毎回の授業後に報告書を作成してもらい、定期的に実施される三者面談にも追加のコメントを頂きます。このように、生徒一人一人の状態を事細かに記録することで、校長や副校長を通して、受験に本当に必要な受講形態や科目をお伝えすることができるのです。
半分は宣伝のようになってしまいましたが、“医学部合格に必要な力”ということに戻ると、がむしゃらに勉強して圧倒的な学力を身につけるか、正しいアドバイスをもらいながら総合力を高めるか、ということになります。通常の場合、前者はとても多くの時間を要しますし、“選ばれし者”のみが進めるルートになると思ってください。ほとんどの読者の皆様には、後者の形をお勧めすることになるかと思います。
始めに手をつけたらいいこと
では、総合力を身につけるためには何から始めればよいのでしょうか。まず、模試を受験したことがない方は、河合塾開催の『全統模試(記述)』を受験し、今の立ち位置を知ってください。(『全統模試』を勧める理由は、受験者数が多く、データの信憑性が高いためです。)戦いで最も大事なことは、自分を知り、過信しないことです。現在、医学部合格に必要な偏差値は、低く見ても62.5となっています。これは、ざっくり言うと“受験生全体の上位10%に入りましょう”ということであり、多くの医学部のボーダーラインである偏差値65ならば、“受験生全体の上位6~7%に入りましょう”ということになります。
(「偏差値」について。数学Ⅰの学習が進んでくれば、数学的な意味も説明することができますが、偏差値の意味がよく分からない人は、とりあえず「偏差値 上位何%」と検索してみることをお勧めします。偏差値がよくわからない人ほど、面白いと思いますよ。)
自身の立ち位置を知った後は、教科書+参考書を一冊ずつ(ⅠA,ⅡB,Ⅲそれぞれ)用意しましょう。巷でもよく言われる話ではありますが、 “一冊を信じてやり続ける”ことに意味があります。理由は、“どの参考書もそんなに変わらない”からです。
(参考書の著者達に怒られそうですが、そもそも参考書の良し悪しを判断できる受験生は一握りです。何冊かパラっと見たときの直感を信じましょう。“この参考書は自分に合わない”ということを繰り返し、参考書を探し続ける受験生は、現実逃避しているだけと考えてください。参考書、ひいては本全般に言えることですが、本を読むことは著者との対話です。どれだけ丁寧に書いてあっても、読者の方が理解を諦めてしまうと、対話はそれっきりになります。ほとんどの参考書は、ある程度のわかりやすさで書かれていることは、我々が保証しますので、なるべく早く準備して、一問でも多く問題を解いてください。)
参考書選びで一つだけ重要なことがあるとしたら、自分が“読んだらわかるだろう”というレベルの参考書を用意することだけです。受験勉強では、“わかる”と“できる“には大きな差があります。“読んでもわからない”レベルの参考書を一人で“できる”レベルまで仕上げることは、困難を極めますので、そこだけは気をつけましょう。(できれば、ある程度は受験に通じている人に聞いてみるのが良いと思います。“医学部受験だから”という理由だけで、妙に難しい参考書を選ばないように気をつけてください。)
年間の計画の立て方
現状、偏差値が55以下の方は、11月までは基礎固めをし続けてください。
「急がば回れ」です。“それで他の人を抜いていけるのか?”と思われるかもしれませんが、安心してください。多くの受験生は、ストイックに勉強できません。地道に、コツコツとやり続けているだけで、ある程度の受験生は抜き去っていくことができます。また、何割かの受験生は、自分にとって難しすぎる教材で勉強しています。その受験生達もまた、正しい教材でコツコツやって簡単に抜き去ることができます。
具体的なペースとしては、夏休みが始まるまでに数学ⅠA・ⅡBは一周終わらせたいところです。11月までに2周以上は学習しましょう。また、数学Ⅲは数学ⅠAⅡBの単元の続きになっているところが多いので、並行で学習を続けることは簡単ではありません。以下、数学ⅠAⅡBと数学Ⅲの対応を示しますので、左の単元が終わってから右の単元を学習するようにしましょう。
(対応表)
数学B:数列 → 数学Ⅲ:数列の極限
数学Ⅰ数学Ⅱ:〇〇関数(2次・三角・指数・対数・できれば微積分も) → 数学Ⅲ:関数の極限
数学Ⅱ:微積分 → 数学Ⅲ:微積分
数学Ⅱ:図形と方程式 → 数学Ⅲ:2次曲線
数学Ⅱ:複素数・三角関数+数学B:ベクトル → 数学Ⅲ:複素数平面
※ある程度は並行でやっていかないと間に合わない部分もあると思いますが、左の単元の基礎だけでも確認してから右の単元を学習する方が効果的です。
数学Ⅲは、夏休み終わりまでに1周できるのが理想的です。
11月以降は、赤本で受験校の過去問に触れましょう。ただし、赤本をやり続けるだけでは学習効果は薄いと考えてください。何よりも大事なことは、11月までに解いてきた問題の解き直しです。新たに難しい問題をやるよりも、今までやってきた問題を完璧にすることが、得点に直結します。繰り返しになりますが、“わかる”と“できる”には大きな差があります。11月以降、基礎を疎かにしてしまう受験生は、大幅な成績上昇が見込めません。過去問に触れる意義は、受験校の現実的な難易度を知ること・その中でどのくらいの得点が必要か知ること・形式の確認がメインです。決して、“過去問とすごく似た問題が出る”とか“過去問を繰り返し解けば本番でも高得点が見込める”わけではありませんので、注意してください。
最後に
簡単にではありますが、医学部受験の概要や年間スケジュールを示しました。
およそ3000字の当ブログをここまで読んでくださった読者の方は、十分に受験勉強に耐えうる能力があると思います。とにかくコツコツと継続して勉強を続け、良い結果を得られることを祈っております。
京都医塾では現役生も随時募集しています。また、遠方の方にはオンライン授業も行っています。
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