京都医塾生物科です。
今年は4月から5月にかけて、日中が急に暑くなったり、かと思えば朝晩に急激に冷えたり、と気候がなかなか安定しませんでしたが、体調を崩したりしていないでしょうか。学習を「継続する」ためには、体調管理も重要な要素です。入試本番まではまだしばらく学習を続けていくことが必要になりますから、食事や睡眠など基本的な生活習慣を最低限整えた上で「受験勉強を頑張る」時間を積み重ねていきましょう。
今月は、
・模試の活用方法
・6月の学習アドバイス
をお届けします!
模試の上手な活用の仕方
5月には、各予備校主催の第1回模試を受験した人も多いのではないかと思います。現役生の授業進度に合わせて出題範囲がかなり限定されており、問題自体も易しいものが多いため、入試本番と比べると取り組みやすかったのではないでしょうか。
模試は、試験時間の配分を気にして問題を解いたり、休み時間ごとに気持ちを切り替えたり、といった試験の受け方に対する練習の場でもありますが、試験内容を利用して自分の学習状況を把握することができるものでもあります。結果が返ってくる前に改めて問題を見直して、この後の学習に活かしていくことが大切です。
まず自分の解答をもとに自己採点をしましょう。試験時には、問題冊子に解答だけでなく、自分がどうしてその解答にたどり着いたか、その過程が分かるようにメモを残してくると、見直しの際に非常に役立ちます。正解を確認した上で自分の解答を「根拠に基づいて解答し正答できた」と「たまたま正答したがよく分かっていない」、「根拠に基づいて解答したつもりだが間違えた」と「全く分かっていなくて間違えた」、といった風に区別していきます。更に、問題の方も内容ごとに分類しましょう。知識を問われているもの、問題内容を読解して考察する力を問われているもの、計算する力を問われているもの、文章で説明する力を問われているもの、などがありますね。
生物の場合は、まず知識を身につけることが学習の優先事項です。そのため、知識を問われている問題で「よく分かっていない」とか「分かっているつもりで間違えた」場合は、早急に基本的な事項に戻って内容を復習する必要がある、ということになります。選択式の問題で選択肢の表現に惑わされてしまう場合も、根本的な内容が理解できていないことが原因の場合が多いので、1つ1つの選択肢を見直して、細かい部分の正誤を確認すると全体の理解が深まります。計算問題についても、用いる計算式が分からない、という誤答の場合は、同様に基礎内容に戻って復習に取り組みましょう。
知識が身についてくると、必要な情報として文章中から抽出したり、簡潔に説明したりする際に用いられる重要用語の選択が適切にできるようになってきます。そのため、模試の復習を通してでも基本的な知識の確認を優先して行うことが大切なのです。
6月の学習アドバイス
6月もまだまだ基礎知識の確認を進めていく期間です。好き嫌いや得意苦手で扱う分野を区別することなく、教科書の内容に沿って丁寧に学び直していきましょう。
復習の範囲は、そろそろ遺伝や発生など、知識の有無が得点に直結する分野にさしかかっているのではないでしょうか。特に遺伝は、浪人生に苦手にしている人が多い分野の一つです。苦手意識がある人は、まず中学生で学んだメンデルの法則の部分から見直してみましょう。一見面倒そうですが、一つの遺伝子が子に伝わる基本的な構造を理解することが最初の段階として非常に重要なのです。遺伝子の伝わり方は配偶子形成の過程とも深く関わっていますので、減数分裂での染色体の動向も確認しておきましょう。
また、医学部受験という観点で考えると、受容器や神経系、効果器など、動物の反応に関わる分野はかなり詳細な部分まで確認しておくことが大切になります。神経系ではイオンの流れや神経伝達物質と伝わる情報の関係等、受験生が知っていることを前提として出題される内容が年々細かいものになっています。情報が伝わるしくみを正しく説明できるようになるまで理解を深めましょう。
これまでに確認してきた範囲も一度やり直したから大丈夫、ということはありません。実際に、やり直した時には忘れていた内容もたくさんあったでしょう?知識は身につけた後も維持するための努力を続けることが非常に重要なのです。定期的に以前の内容にも戻って、何度も復習を繰り返しましょう。
おわりに
基礎の積み重ねは地味な学習の繰り返しなので「頑張っているのになかなか結果が出ない…」と思ってしまう時期かと思います。しかし、この知識習得の段階を疎かにしてしまうと問題演習に入ってから伸び悩んでしまうことが多いので、諦めず地道に学び続けていくことが大切なのです。身につけた知識は絶対に無駄にはなりませんから、ここから夏休みに向けて改めて気合を入れ直して、基礎知識を完璧なものに近づけていくようにしましょう。
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