医学部受験において、必ず押さえておきたいのが「大学ごとの定員数」です。
ただでさえ激しい競争が繰り広げられる狭き門だからこそ、わずかな定員変動であっても合否を大きく左右します。
志望校選びで後悔しないためには、最新の動向を正確に把握しておくことが欠かせません。
本記事では、医学部受験を検討している方に向けて、最新の定員数や今後の推移をわかりやすく解説します。
医学部の定員はどのくらい?
まずは、現在の医学部定員数から確認していきましょう。
国公立大学・私立大学の定員数を、2024年度から2026年度までの3年分でまとめました。
志望校選びの参考にしてください。
国公立大学医学部の定員数
| 大学名 | 2024年度 | 2025年度 | 2026年度 | |
| 1 | 北海道大学 | 105 | 100 | 105 |
| 2 | 旭川医科大学 | 105 | 95 | 105 |
| 3 | 札幌医科大学 | 110 | 110 | 110 |
| 4 | 弘前大学 | 132 | 132 | 132 |
| 5 | 東北大学 | 116 | 117 | 117 |
| 6 | 秋田大学 | 129 | 129 | 129 |
| 7 | 山形大学 | 105 | 105 | 105 |
| 8 | 福島県立医科大学 | 130 | 130 | 130 |
| 9 | 筑波大学 | 139 | 139 | 139 |
| 10 | 群馬大学 | 123 | 125 | 110 |
| 11 | 千葉大学 | 117 | 117 | 117 |
| 12 | 東京大学 | 110 | 110 | 110 |
| 13 | 東京科学大学 | 106 | 106 | 101 |
| 14 | 横浜市立大学 | 93 | 93 | 93 |
| 15 | 新潟大学 | 140 | 140 | 140 |
| 16 | 富山大学 | 110 | 105 | 105 |
| 17 | 金沢大学 | 117 | 117 | 112 |
| 18 | 福井大学 | 110 | 110 | 110 |
| 19 | 山梨大学 | 125 | 125 | 105 |
| 20 | 信州大学 | 120 | 120 | 120 |
| 21 | 岐阜大学 | 110 | 110 | 110 |
| 22 | 浜松医科大学 | 115 | 115 | 109 |
| 23 | 名古屋大学 | 107 | 108 | 108 |
| 24 | 名古屋市立大学 | 97 | 97 | 97 |
| 25 | 三重大学 | 125 | 125 | 125 |
| 26 | 滋賀医科大学 | 110 | 110 | 110 |
| 27 | 京都大学 | 107 | 108 | 108 |
| 28 | 京都府立医科大学 | 107 | 106 | 105 |
| 29 | 大阪大学 | 107 | 108 | 98 |
| 30 | 大阪公立大学 | 95 | 94 | 93 |
| 31 | 神戸大学 | 112 | 113 | 113 |
| 32 | 奈良県立医科大学 | 114 | 113 | 111 |
| 33 | 和歌山県立医科大学 | 100 | 100 | 100 |
| 34 | 鳥取大学 | 110 | 104 | 104 |
| 35 | 島根大学 | 112 | 112 | 102 |
| 36 | 岡山大学 | 114 | 112 | 108 |
| 37 | 広島大学 | 118 | 120 | 120 |
| 38 | 山口大学 | 119 | 119 | 109 |
| 39 | 徳島大学 | 112 | 111 | 111 |
| 40 | 香川大学 | 114 | 111 | 95 |
| 41 | 愛媛大学 | 95 | 95 | 95 |
| 42 | 高知大学 | 115 | 114 | 114 |
| 43 | 九州大学 | 105 | 105 | 105 |
| 44 | 佐賀大学 | 103 | 101 | 101 |
| 45 | 長崎大学 | 120 | 119 | 119 |
| 46 | 熊本大学 | 110 | 109 | 109 |
| 47 | 大分大学 | 110 | 110 | 100 |
| 48 | 宮崎大学 | 100 | 100 | 100 |
| 49 | 鹿児島大学 | 110 | 110 | 110 |
| 50 | 琉球大学 | 117 | 116 | 110 |
国公立大学の定員数は全体としてほぼ横ばいですが、金沢大学、浜松医科大学、京都府立医科大学、大阪公立大学、奈良県立医科大学、琉球大学など、臨時増員の縮小に伴い数名単位で定員を減らしている大学もあります。
私立大学医学部の定員数
| 大学名 | 2024年度 | 2025年度 | 2026年度 | |
| 1 | 岩手医科大学 | 130 | 130 | 130 |
| 2 | 東北医科薬科大学 | 100 | 100 | 100 |
| 3 | 自治医科大学 | 123 | 123 | 123 |
| 4 | 獨協医科大学 | 126 | 126 | 126 |
| 5 | 埼玉医科大学 | 130 | 130 | 130 |
| 6 | 国際医療福祉大学 | 140 | 140 | 140 |
| 7 | 杏林大学 | 119 | 118 | 116 |
| 8 | 慶應義塾大学 | 110 | 110 | 110 |
| 9 | 順天堂大学 | 140 | 138 | 137 |
| 10 | 昭和医科大学(旧・昭和大学) | 131 | 131 | 133 |
| 11 | 帝京大学 | 118 | 119 | 120 |
| 12 | 東京医科大学 | 123 | 125 | 125 |
| 13 | 東京慈恵会医科大学 | 105 | 105 | 105 |
| 14 | 東京女子医科大学 | 110 | 110 | 110 |
| 15 | 東邦大学 | 123 | 123 | 123 |
| 16 | 日本大学 | 135 | 135 | 135 |
| 17 | 日本医科大学 | 125 | 125 | 125 |
| 18 | 北里大学 | 126 | 126 | 124 |
| 19 | 聖マリアンナ医科大学 | 117 | 117 | 117 |
| 20 | 東海大学 | 118 | 118 | 118 |
| 21 | 金沢医科大学 | 111 | 113 | 113 |
| 22 | 愛知医科大学 | 115 | 115 | 115 |
| 23 | 藤田医科大学 | 120 | 122 | 122 |
| 24 | 大阪医科薬科大学 | 112 | 112 | 112 |
| 25 | 関西医科大学 | 127 | 127 | 121 |
| 26 | 近畿大学 | 112 | 108 | 107 |
| 27 | 兵庫医科大学 | 112 | 112 | 112 |
| 28 | 川崎医科大学 | 126 | 124 | 124 |
| 29 | 久留米大学 | 115 | 114 | 114 |
| 30 | 産業医科大学 | 105 | 105 | 105 |
| 31 | 福岡大学 | 110 | 110 | 110 |
私立大学も全体傾向は横ばいですが、関西医科大学(127名→121名)や近畿大学(112名→107名)のように臨時定員の縮小に伴う減員が見られます。
一方で、昭和医科大学(旧・昭和大学)や帝京大学のように、公募推薦の新設・拡充に合わせて定員を増やす動きもあります。
医学部の定員の推移と背景
最新の定員数に続き、これまでの推移と今後の展望について解説します。背景にある「医師不足」や「地域・診療科の偏在問題」とあわせて見ていきましょう。
医師不足と偏在の問題
高齢化が進む日本において、医師の需要は高まり続けています。
とりわけ「団塊の世代」が65歳以上となった2012年以降、医療体制の拡充が強く求められるようになりました。
内閣府の推計によると、団塊の世代が全員75歳以上となった2025年以降も75歳以上人口は増え続ける見通しです。
国はこうした需要に応えるため、医学部定員を増やして対応してきました。
しかし、単なる人数不足だけでなく「偏在」も深刻な課題です。
大都市圏に医師が集まる一方で、地方では慢性的な医師不足が続いています。
さらに、脳神経外科や外科、産婦人科といった特定診療科の人手不足と長時間労働も問題視されています。
これまでの増員から「削減」へ
こうした課題に対処するため、2008年度からは地域枠や地元枠を中心とした定員拡大策がスタートしました。
その結果、2007年度に約7,625人だった全国の定員は、2010年代半ばには9,000人を超える規模まで拡大します。
しかし近年、少子化の進行と「将来的な医師過剰」への懸念から方針が転換されつつあります。
厚生労働省の推計では、現在の定員を維持すると2029年頃には医師過剰に陥る可能性があると指摘されており、医師の生活基盤や医療費高騰への懸念から定員抑制が促されています。
文部科学省は令和6年度(2024年度)の水準(9,403人)を上限に据えてきましたが、2026年度は臨時定員の縮小に伴い、国公私立あわせて9,376人(81大学)まで減少しました。
2027年度以降も、定員削減の動きがさらに強まると予想されます。
地域枠制度の現状と変更点
医師偏在対策の柱である「地域枠制度」についても押さえておきましょう。
制度の概要と現状
地域枠とは、特定地域の医療を支える人材を育成するため、地元出身者などを優先的に選抜する制度です(2008年度開始)。
定員数は順調に増加し、近年は1,800人超の規模で推移してきました。
ただし、全体的な定員削減の流れを受け、地域枠についても見直しが進んでいます。
卒業後9年間の勤務義務
地域枠で入学した場合、卒業後は指定の医療機関で原則9年間勤務する義務を負います。
途中で放棄する場合は奨学金の返還が必要となります。
病気や介護など不可抗力の事情を除き離脱は認められないため、将来のキャリア計画を十分考慮して選ぶ必要があります。
学費負担の軽減メリット
多くの地域枠では奨学金が給付されるため、学費負担を大幅に抑えられます。
経済的な理由で医学部進学を迷っている受験生にとっては、非常に大きなメリットです。
今後の定員変化と新たな試み
今後は全体として定員が段階的に削減される見通しですが、地方の医師不足現場からは「定員を維持・拡充してほしい」という根強いニーズもあります。
そのため、以下のような新しい運用手法が取り入れられ始めています。
診療科指定の地域枠・枠の再配分
歯学部枠の一部を医学部へ振り分ける動きなどにより、新たに40名以上の医学部定員が確保されました。
また、医師多数県の臨時定員を2割削減し、医師少数県へ再配分する方針も示されています。
恒久定員内への地域枠配置
臨時定員ではなく、大学の正規定員(恒久定員)の中に地域枠や地元出身者枠を組み込む調整が進んでいます。
地域枠を狙う地元受験生には追い風ですが、それ以外の一般枠受験生にとっては一層狭き門となる可能性があります。
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まとめ
総定員は2027年度以降もさらに削減が進むと見込まれています。
医学部入試を制するには、変化する制度や定員動向をいち早く察知し、正しい戦略で学習を進めることが不可欠です。
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