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不思議な名前の定理・公式たち~ハムサンドイッチの定理など~

不思議な名前の定理・公式たち~ハムサンドイッチの定理など~

こんにちは。京都医塾数学科のフクイです。
今回は数多ある数学の定理や公式から独断と偏見にもとづいて一風変わった名前の定理・公式を紹介したいと思います。

(今回紹介する定理や公式のほとんどが「大学で数学を専門とする学生が学ぶもの」ですので、「知らなかった…どうしよう…」と落胆する必要はありません。肩の力を抜いてご覧ください。)

結婚定理

ある状況設定(モデル)において全員が幸せになれるかどうかを数学的にアプローチした定理です。「幸せ」を「結婚をしてもよいと思っている相手と結婚できること」などと定義していくあたりが”香ばしい”ですが、グラフ理論と呼ばれる数学の理論体系にもつながるきちんとした定理です。

クロネッカーの青春の夢

数学者クロネッカーが若いころに考えた虚2次体のアーベル拡大に関する予想(解決済み)で代数幾何学や類体論などとも関連が深いものです。「予想」を「夢」と表現するのが、おしゃれすぎます。(内容も大学で数学を学んだことがある方にとっては非常に興味深いものになっています。)

カラテオドリの定理

「空手踊り」と思いきやギリシャの数学者の名前でした。実はカラテオドリの定理は複数の種類があるので、話題に出しても「どのカラテオドリ?」と尋ねられるかもしれませんね。

サンドイッチの定理

いわゆる「はさみうちの原理」の別名です。かわいい名前ですね。容疑者が警察官に挟まれる様子をなぞらえてイタリアでは「二人の警察官の定理」と呼ぶこともあるようです。

ハムサンドイッチの定理

先ほどのサンドイッチの定理とは何の関係もありません。ざっくり言うと「3次元空間内にハム1枚とパン2枚をどのように配置しても無限に長いナイフがあれば一気に二等分できる」という定理です。ちなみに「ハム1枚とパン2枚」ではなく「ハム1枚とチーズ1枚とパン1セット」とした場合「ハムチーズサンドイッチの定理」と呼ばれるそうです。また、亜種として「パンケーキの定理」(2次元バージョン)があります。

まとめ

 数学の定理や公式の名前と言うと「小難しい」イメージを持たれる方も多くいるかもしれません。しかし、今回紹介したように数学の定理や公式は様々な観点から名前が付けられており、それらを調べるだけでも楽しめるかもしれません。
 最後までお読みいただきありがとうございました。今後も一風変わった定理や公式があれば紹介したいと思います。

投稿者:福居 宏大

  • 役職
    数学科講師
  • 講師歴・勤務歴
    7年
  • 出身大学
    京都大学大学院理学研究科
  • 特技・資格
    数学
  • 趣味
    数学
  • 出身地
    数学
  • お勧めの本
    Rational homotopy theory (Graduate Texts in Mathematics) ※数学科に進学した人向けです。

受験生への一言
数学をしましょう。