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岐阜大学医学部の一般入試の過去問対策・出題傾向まとめ【英語編】

岐阜大学医学部の一般入試の過去問対策・出題傾向まとめ【英語編】

 

京都医塾英語科です。

このページでは「岐阜大学医学部の英語」についての過去問分析コメントを紹介します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“岐阜大学医学部”の受験を考えている方
・“岐阜大学医学部の英語がどのような問題か知りたい”という方
におススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。

概要

【形式・制限時間・配点】2021年度 
形式: 記述
制限時間: 90分
配点: 400点

出題の傾向と特徴

こでは2次試験の問題のみを扱います。

【2021年度の出題形式】

  • 空所補充問題3題(1つは単語、2つは語句を補充する)
  • 語句整序4問
  • 長文問題(文挿入)
  • インタビューの質問に適する答えを選ぶ10問
  • 長文問題(空所補充5問、下線部の語の意味を問う3問、内容一致系7問)

【制限時間に対する問題量】

まともに解いていたのではとても間に合わない可能性が高いと思います。解く問題を絞るなり、前半を素早く終わらせるなどの工夫が必須です。

2021年度(最新の過去問)の分析

さらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。

【第1問 Part1】(難易度:標準) 

200ワード弱の短い長文に8つ空所があり、それぞれ4つの選択肢から適切な語を入れていく問題です。ゆっくり考えることができればそこまで難しくはないのかもしれませんが、制限時間を考えるとゆっくり解く余裕はないはずなので、その意味での難易度は高いです。また、出典がCureという「患者と医療関係者のための腫瘍学及び癌に関するニュース」を扱う英語サイトからのもので、医療系の用語も出てくるので読みやすくはありません。医学部を目指している人なら大丈夫かもしれませんが、第1問は全学部共通問題なので医学部以外の受験生は戸惑ったのではないかと思われます。

≪2021年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…7割
他教科を得点源にしたい受験生…5割

【第1問 Part2-A】(難易度:標準) 

「ティーンエイジャーのスマホ利用」がテーマの新聞記事(ワシントンポスト)です。150ワード程度と短い文章です。空所が7つあり、そこに文脈に合う語句を入れていく問題です。文脈だけでなく構文的・文法的に選択肢を絞りこんでいくことも可能なので、難し過ぎるということはないでしょう。ただ、7つの空所に9つの選択肢から正しいものを選ばないと駄目なので、苦手意識がある人には難しいかもしれません。この形式に慣れておく必要はあるでしょう。

≪2021年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…8割
他教科を得点源にしたい受験生…6割

【第1問 Part2-B】(難易度:標準) 

「セラビー動物」がテーマの文です。300ワード弱とここまでの2問に比べると長めの文章です。8つの空所に10個の選択肢から正しい語句を入れる形式で、Part2-Bと同じ攻め方で解ける問題です。難易度としてはそこまで高くないはずですが、とにかく時間をどこまでかけずに解けるかがネックになってきます。

≪2021年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…8割
他教科を得点源にしたい受験生…6割

【第1問 Part3】(難易度:標準) 

語句整序問題が4つ出題されています。選択肢の数は問題によって異なりますが8つから12個です。keep an eye onとかmake oneself understoodといった典型的な入試文法知識が関わったりするので、基礎知識がものを言うセクションです。また、他の問題に比べて短時間で解くことができるはずなので、ぜひ満点を目指したいところです。

≪2021年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…8割
他教科を得点源にしたい受験生…6割

【第2問 Part1】(難易度:やや難) 

「患者によくない知らせを伝えるとき医師が取るべき対応」といった内容のエッセイ風の文章です。設問は8つの空所に9個の選択肢から正しい文を入れる、いわゆる「文挿入問題」です。ものすごく読みにくいし、解答することも難しい、というレベルではないものの、1,200ワードを超える分量があり、生半可な英語力で対応できる問題ではありません。

英語を得点源にしたい受験生…7割
他教科を得点源にしたい受験生…5割

【第2問 Part2】(難易度:難) 

「獣医へのインタビュー」という形式の問題です。獣医師への質問が10個あり、それに対応する適切な答えを選ぶ問題ですが、その選択肢(12個)が非常に長く、結局設問全体では1,900ワードを超える長さになっています。ゆっくり時間をかけて考えれば解けるかもしれませんが、この長さを読むだけでも大変でしょう。この長さの問題は入試問題ではなかなか見かけることがないので(一橋大学の後期が1,600ワードくらいでしょうか)、多くの受験生にとって、単純に読むだけでも大変な作業になるでしょう。珍しいのは出典です。”My Pet Warehouse”という海外のペット用品販売サイトのブログから取ってこられた文章のようです。どうやってこんなサイトの文章を見つけてきたのか、問題作成者の方に聞いてみたいです。

英語を得点源にしたい受験生…6割
他教科を得点源にしたい受験生…4割

【第2問 Part3】(難易度:難) 

「耐性菌を攻撃する新たな方法」というテーマの文です。ワード数は1,400です。設問は空所補充が5問、下線部の語の意味を問う問題が3問、内容一致系の問題が6問です。学術誌Cellに発表された論文を基にした記事が元ネタのようで、内容は専門的で普通の受験生には読みにくいと思われます。設問はそこまで難しくはないかもしれませんが、簡単ということは全くありません。

英語を得点源にしたい受験生…6割
他教科を得点源にしたい受験生…4割

【総評】

ここまで書いてきたワード数を合計すると、5,150ワードになります(実際に読まなければならないワード数はこれより多いはずですが)。ちなみに、同じ90分の試験時間で実施される北海道大学の英語(2021年度)が2,800ワード強です。また大阪大学も90分で英語の試験が実施されますが(文学部・外国語学部以外)、2021年度で英文自体のワード数は900ワード程度です。もちろん各大学で英作の有無や設問形式が違いますので一概に比較はできませんが、岐阜大学の量の多さが分かって頂けると思います。

日本の大学生が1分間に読める英語のワード数は100語くらいだというデータがあります。それを信じるなら、岐阜大学の問題を読むのに50~55分かかることになります。設問が全部で60問ありますから、1問を30秒程度で解ければ間に合う計算になりますが、普通に考えて無理です。全部の問題を平均するとおそらく1分はかかるのではないかと思われ、そうなると仮に1分間に100語読めたとしても90分には到底間に合わない計算になります。

唯一の救いは岐阜大学では記述問題がなく、全て記号問題である点です。第2問は難易度が増すので、第1問にある程度の時間をかけ、ここで高得点を目指したいところです。第2問に関しては、「文章全部を読まなくても解く方法」はあると言えばありそうです。ただ、試験中そのやり方に気づけるためには、相当気持ちの余裕がないと無理でしょう。いずれにしても、本気で岐阜大学医学部を目指すなら長文読解に慣れることと、最低限1分間に100語は読めるスピードが必須です。

まとめ

というわけで、今回は岐阜大学医学部の英語についてまとめてみました。皆さんの参考になれば幸いです!

京都医塾ではご相談・体験授業を随時募集しています。下記リンクからお気軽にお問い合わせください。

投稿者:吉田 恒

  • 役職
    英語科統括/英語科講師
  • 講師歴・勤務歴
    25年
  • 出身大学
    京都大学文学部
  • 特技・資格
    英検1級、TOEIC満点※3~4年前
  • 趣味
    読書・音楽を聴く・自転車(休眠中)など
  • 出身地
    京都府
  • お勧めの本
    貴志祐介か小川洋子の本を読んで下さい

受験生への一言
京都医塾には個性的で優秀な英語の先生が揃っています。英語が苦手な人、どうやっても英語の成績が上がらない人、英語の勉強法が分からない人、そんな皆さんに来て頂きたいです。