富山大学医学部は、薬都として有名な富山県に位置し、昭和50年に設置された富山医科薬科大学を前身とする新設医科大学です。
同医学部は、東西医学を融合した医療実践や、世界レベルの「和漢医薬総合研究所」を保有することから、ここでしか学べない講義・実習が魅力の大学です。
そんな富山大学医学部には、西日本・東日本を問わず全国からたくさんの受験生が試験に挑戦しています。
そこで今回の記事では、富山大学医学部を志望する受験生に向けて、同医学の特徴や入試情報について詳しくお伝えしていきます。
富山大学医学部の基本情報
最初に、富山大学医学部の基本情報について押さえておきましょう。
こちらの項では、富山大学医学部のキャンパスの場所とアクセス方法、医学部の定員数、そして入試方法や日程についてまとめました。
キャンパスの場所
富山大学医学部は、富山県富山市の杉谷キャンパスに位置しています。
電車で向かう際は、JR富山駅で下車してください。
その後、富山地鉄・路線バス「富大附属病院循環」に乗車し「富山大学附属病院」のバス停で下車します。
バス停を降りるとすぐに、杉谷キャンパスがあります。
定員数
富山大学医学部医学科の定員数は、一般選抜が70名、総合型選抜Ⅱが20名、学校推薦型選抜が15名、帰国生徒選抜が若干名の合計105名となっています。
入試情報
富山大学医学部の入試方法には、一般選抜と、総合型選抜Ⅱ、学校推薦型選抜、帰国生徒選抜の4種類の方法があります。
ここでは、それぞれの概要について解説していきましょう。
一般選抜
富山大学医学部の一般選抜は、前期のみで共通テストと個別学力検査により合否が判定されます。
一般選抜の後期は、2022年度の入試より廃止となり、後述する総合型選抜Ⅱ枠が新設されました。
2023年の試験日程は、2月25日と26日に予定されています。
なお、個別学力検査では、科目試験のほかにも面接試験が課されますので、十分な対策が必要です。
総合型選抜Ⅱ
総合型選抜Ⅱは、富山県の医師不足解消を目的とした枠で、富山県一般枠と富山県特別枠が設けられ、募集人数はそれぞれ10人です。
出願要件はどちらの枠においても、卒後2年以内の富山県出身者に限定されますが、卒後の医療従事条件と奨学金の有無の面で異なります。
2枠とも同時に併願することは可能ですが、ご自身の卒業後のキャリアに関わりますのでよく考えて出願しましょう。
合否の判定には、高校の成績表を含む出願書類、面接、小論文、共通テストが評価の対象になります。
2023年度の出願期間は2022年11月21日 から 28日、選考日は同年12月19日の予定です。
学校推薦型選抜
学校推薦型選抜はいわゆる推薦枠です。
出願要件は富山県出身者の現役生に限られ、卒業後は富山大学附属病院において3年間の臨床研修に従事することが求められます。
選考方法は、高校の成績表や推薦書を含む出願書類、面接、小論文、共通テストの結果を総合して評価されます。
2023年度の出願期間は2022年11月21日 から 28日、選考日は同年12月19日の予定です。
帰国生徒選抜
帰国生徒選抜は、海外で2年以上の学校教育を受けた経験者を対象とした入試制度です。
選抜方法は、書類審査と個別学力検査、面接によって評価が行われます。
2023年度の出願期間は2022年11月1日から8日、選考日は2月25日から26日の予定です。
富山大学医学部の入試難易度
続いて、富山大学医学部の入試難易度についても押さえておきましょう。
ここでは、富山大学医学部の入試難易度を、偏差値と倍率の2つの指標から解説していきます。
偏差値
富山大学医学部の偏差値は62.5となっており、国公立大学医学部の中では低い値となっています。
同程度のレベルの偏差値の医学部としては、和歌山県立医科大学や岐阜大学、浜松医科大学、高知大学などがあげられます。
ワンランク上の医学部になるのは、偏差値65.0の北海道大学や広島大学、新潟大学、長崎大学 が並びます。
倍率
次に、倍率についても確認していきましょう。
ここでは、富山大学医学部における2020年度から2022年度の試験の倍率を、下記表にまとめました。
2020年度
入試日程 | 倍率 | 募集人数 | 志願者数 | 受験者数 | 合格者数 |
前期 | 3.3 | 60 | 244 | 200 | 60 |
2021年度
入試日程 | 倍率 | 募集人数 | 志願者数 | 受験者数 | 合格者数 |
前期 | 2.5 | 60 | 214 | 158 | 64 |
2022年度
入試日程 | 倍率 | 募集人数 | 志願者数 | 受験者数 | 合格者数 |
前期 | 2.3 | 70 | 218 | 167 | 73 |
富山大学医学部の前期日程における倍率は2.3〜3.3倍の間で推移しています。
2020年度より下降傾向がみられ、2021年度以降は3倍を下まわり全国の国公立大学医学部と比較すると低めの数値になっています。
富山大学医学部の特徴
富山大学医学部の基本情報や入試難易度についてふれてきました。
この項では、富山大学医学部の特徴について確認しておきましょう。
東洋医学と西洋医学が融合した医療の実践
富山大学医学部は、「東洋医学と西洋医学を融合した人材育成」が特徴の1つです。
実際に、医学部の敷地内には世界的に評価が高い「和漢医薬学総合研究所」が設置されており、付属病院の和漢診療科では東洋医学と西洋医学を融合した診療が行われています。
和漢診療学の講座では1年生から6年生まで一貫して漢方等について学べるため、卒業生は西洋医学だけではなく東洋医学にもとづく医療を実践することができます。
日本の医学部は西洋医学を中心に学ぶことが多いですが、東洋医学をここまで学べる大学は少なく、興味がある人にとっては魅力的な環境といえるでしょう。
将来役立つ多職種連携スキルが身に付く!他学部との合同教育
現代医療はチーム医療に基づいて展開されており、それぞれの職種の専門性を理解した多職種連携が不可欠といえます。
富山大学医学部では、多職種連携に重きをおき、入学から卒業まで一貫した他学部・他学科との合同教育が行われています。
1年次から、薬学部や看護学科の学生と合同で講義や一緒に実習を受講することを通して、薬学、看護学、医学、それぞれの考え方の共通点や相違点を知ることができます。
とくに、薬学部との連携は長い歴史があり、キャンパスは同じ建物内にあり、合同授業だけでなくクラブ活動などの課外活動も一緒に行っています。
このように合同教育や大学の風土から、多様な価値観を尊重する素地が養われ、将来のチーム医療に必要な多職種連携能力が自然に育ちやすい環境といえます。
教員との距離も近い!学生にとって充実して学べる環境づくり
学生同士や教員とのコミュケーションを大切にし、学習に励める充実した環境づくりがあることも富山大学医学部の特徴の1つです。
「縦割り制度」では、1年生から6年生のグループに担当教員がつき、学業や生活の悩みを相談できるサポート体制、他学年とのコミュニケーションの場でもあります。
24時間利用できる図書館や身体に障害がある学生のためのバリアフリー整備、女子学生のための保育所など、さまざまな学生に対しても充実した環境が設けられています。
教員との距離が近いことや人とのつながりを大切にする校風、学生にとって充実した環境が備えられていることは富山大学医学部の大きな魅力といえます。
富山大学医学部の入試情報
次に、富山大学医学部の入試情報についても押さえていきましょう。
こちらの項では、富山大学医学部の入試科目と配点、合格のボーダーラインなどを解説していきます。
入試科目と配点
共通テスト
共通テストの入試科目と配点については、下記表のとおりです。
英語 | 数学 | 国語 | 理科 | 地理・公民 | 合計 |
200 | 200 | 200 | 200 | 100 | 900 |
個別学力検査
個別学力検査における入試科目と配点は、下記表のとおりです。
英語 | 数学 | 理科 | 面接 | 合計 |
200 | 200 | 200 | 100 | 700 |
富山大学医学部の個別学力検査の理科では、物理・化学・生物の中から2科目選べることが特徴です。
自分にとって高得点が狙える科目はなにかを見定め、入試本番で勝負できるよう十分な対策をとって臨みましょう。
富山大学医学部の面接は、40分程度の集団面接形式です。
面接官は3人に対して、受験生4人が同時に面接を受けます。
前半は一般的な集団面接で、面接官から受験生1人ひとりに対して質問が行われます。
質問内容は、「医師志望動機」や「本学志望動機」、「高校時代の生活」といった一般的な質問です。
集団面接を終えると、後半は1つのテーマについて受験生全員で話し合うグループ討論となります。
面接官から1題のみテーマが提示され、受験生のうち賛成2名、反対2名に分けられ20分の時間の中で討論を行います。
受験生の中から1名が司会を決められ、討論の進行を任せられます。
集団面接は、他の受験生も同席することから1対1の面接に比べて、どうしても緊張してしまいがちです。
集団面接の対策として、模擬面接などで集団の面接に慣れておくことがよいでしょう。
また、集団討論についても、自分が賛成、反対のどちらになっても自分の意見を言えるように練習が必要です。
さらに、自分が司会に指名されたときに、あわてないように司会進行はどのように行うかを事前に確認しておきましょう。
合格のボーダーラインは?
富山大学医学部の合格のボーダー得点率は、2020年度は83%、2021年度は82%、2022年度は76%となっています。
全国の国公立大学のボーダー得点率の平均が80%とすると、2022年度では平均を下回った推移となっています。
富山大学医学部を目指すなら京都医塾
富山大学医学部の偏差値は62.5で、他の国立大学医学部と比較すると低い水準にあります。
しかし、共通テストの配点が900点と高いことから、共通テストについてはしっかり準備しておきましょう。
個別学力検査の面接試験は、集団面接となり他大学ではあまりみられない形式ですので、模擬面接などの対策が必要でしょう。
富山大学医学部を目指す人の中には、合格のために何をすればよいか迷う人もいるでしょう。
医学部予備校に通い、プロ講師による試験対策をしっかりこなして着実に合格を目指したいと思う人もいるのではないでしょうか。
そんな人におすすめなのが、医学部専門予備校の京都医塾です。
京都医塾は、1人のためのオーダーメイドカリキュラムとハイブリッド授業、受験生へのきめ細かなサポートにより、これまでたくさんの受験生を医学部合格の夢を叶えています。
ここから先は、そんな京都医塾の魅力について紹介していきましょう。
一人のためのオーダーメイドカリキュラム
京都医塾では、生徒へのヒアリングや実力テスト、体験授業を通して1人ひとりに全く異なるオーダーメイドカリキュラムを作成します。
このカリキュラムは、生徒一人ひとりの学習進度や志望校に合わせて作成されているため、試験当日まで無理のないペースで学習をすすめられます。
また、こちらのカリキュラムは、生徒の学習の進捗状況によって柔軟に変更していきます。
ただ決められたカリキュラムを進めるのではなく、たとえ学期の途中であっても生徒の現状と合格に必要なことを常に見極めてアップデートされていきます。
ハイブリッド授業
京都医塾では、個人授業とレベル別少人数集団授業を組み合わせたハイブリッド授業を行います。
個人授業では、生徒が分からないことを徹底的に指導できるため、苦手科目の克服など効果的な学習が進められます。
集団授業では、「他の人に負けたくない」という競争原理が働くので、受験勉強のモチベーションの向上が期待できるのです。
受験生活を心身ともにサポート
京都医塾では、生徒の心身のサポートについても徹底して行われています。
たとえば、受験生1人につき2名体制で行われる担任制度では、週に一度のカウンセリングで受験にまつわるあらゆる悩みを相談できます。
また、勉強のパフォーマンスに影響する食生活については、管理栄養士の指導にもとづいたバランスの良い食事支援が生徒や保護者からも人気です。
医学部受験の大変さを熟知している京都医塾のスタッフだからこそ、合格まで生徒に寄り添い、全力でサポートし続けられるのです。
まとめ
富山大学医学部は、西洋医学だけではなく東洋医学についても学べることから、同医学部でしか学べない講義や実習が魅力の大学です。
富山大学医学部の偏差値は、他の国公立大学医学部と比較すると低い水準にありますが、ボーダー得点率は高いため、油断はできません。
そのため、確実な合格を狙うのであれば、共通テストでは高得点をつかめるような対策は必須です。
しかしながら、共通テストだけでなく個別学力検査に至るまで、何をどれくらい学習すればよいか不安がよぎることもあるでしょう。
そこで、おすすめなのが医学部専門予備校の京都医塾です。
京都医塾では、志望校合格までの道のりをしっかり定めて、自分だけのオーダーメイドカリキュラムで毎年受験生を医学部合格に送り出しています。
京都医塾では、受験の当日まできめ細かいサポートで受験生を支え続けます。
富山大学医学部に必ず合格したい人は、医学部専門予備校の京都医塾がうってつけです。
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