あなたが「医師になりたい」という夢を抱いたのはいつですか?
「医師になる」ためには、6年間、医学部で学んで卒業し、医師国家試験に合格する必要があります。
そして、臨床研修で実務経験を積むことになります。
京都医塾は大学受験のための予備校ですが、
「医学部に合格すること」はゴールではなく、あくまで通過点だと考えています。
じつは、京都医塾では、国公立志望/私立志望にかかわらず、国語の授業が年間通して設定されています。そこでは、1対1の面接・集団討論・小論文や志望理由書の書き方など各種対策を進めながら、さまざまな医療テーマに触れることになります。
・ 自分の頭で考え、それを他者に伝える。
・ 他者の意見を聴いて、自分の考えを深める。
そうして、「医師になる」という「決意」を固め、医学部に合格したあとの短くはない道のりを、前を向いて歩み続けられる力を身につけてもらっています。
このブログでは、実際に「医師になる」という夢を叶えて、医療現場でご活躍されている
全国のスーパードクターのみなさまにインタビューして、
・ 医師になったきっかけ
・ 現在のお仕事のやりがい
・ 医学部を目指す受験生へのメッセージ
について、お伺いしていきます。
受験生のみなさんが、医師として働くイメージを広げる一助となれば幸いです。
【 來村昌紀医師 プロフィール 】
出身大学: 和歌山県立医科大学、千葉大学大学院
勤務先 : らいむらクリニック・千葉中央メディカルセンター
診療科 : 自院で頭痛外来と漢方外来、他院で脳神経外科
和歌山県出身。祖母からの勧めで、幼稚園の頃から医師を目指す。
大学病院での勤務などを経て、2014年「らいむらクリニック」開設。
「名医のいる相談室」にもご出演中
□ YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCUxW5dvUs0y7sMELkpyRJHQ
□ PodcastQR
https://podcastqr.joqr.co.jp/programs/superdoctors/episodes/96f9fee1-f26a-4e6f-83a6-9afa4d158558
「医師になる」と決意したのはいつ?
京都医塾)医師になりたいと思ったきっかけやエピソードについて教えてください。
來村先生(以下、來村))幼稚園の頃に祖母が勧めてくれたのがきっかけですね。
夏休みなど1か月くらい祖母の家に預けられることもあり、おばあちゃん子でした。体調が悪く病院にかかることの多かった祖母に「医者になっておばあちゃんを治してあげるね」と話していました。
京都医塾)可愛いお孫さんですね。そんなに小さな頃から「医師になる」と思っていらっしゃったんですね。
來村)そうですね。幼稚園の頃から何となく頭にはありました。小学3年生の頃に祖母が亡くなったときには、病院に間に合いませんでしたが、祖母の希望通り医師となって多くの人を元気にしてあげようと。医師になるという夢を叶えて、祖母が亡くなった病院で研修を受けることができました。
京都医塾)おばあさまも喜んでいらっしゃるでしょうね。
「医師になりたい」という夢は、当時からおばあさま以外のご家族にも話されていましたか?
來村)話していましたね。家族や親戚にも医療関係の職業の人はいなかったので、本当になれるかどうか分からないなとは思っていたでしょうが(笑)、応援してくれました。
京都医塾)ご家族の応援は心強いですよね。
來村)浪人した際に父親が「おまえが医者になりたいのなら、医学部にうかるまでいつまででも面倒見るから何の心配もせずただ、勉強しなさい」と言ってくれました。
一方、母親は現実的で「医学部じゃなければ受かる学部はあるのだから、別の選択肢も考えてみたら?」というアドバイスをもらいました。母親も私のことを心配してのやさしさからでた言葉ですが、父のほうがじつはやさしそうに見えてとても厳しいアドバイスなのですね。つまり受かるまで永遠に勉強しろということです。
京都医塾)なるほど。当時はどう感じられていましたか?
來村)そうですね。当時はプレッシャーも感じていましたね。ただ、いつまでも勉強していても良い環境は幸せだと思いました。今となってはこの父の言葉に大変感謝しており、なにか目標ができれば、何年かかってもよいからできるまであきらめない精神で今までいろいろなことを続けています。
京都医塾)素晴らしい教えですね。浪人されていたときには、不安もあったと思いますが、どのようなことを考えたり実践して、それを乗り越えられましたか?
來村)受験は必ず「誰か」が受かる試験。同じ人間なのだから、自分もいつかは受かるやろ、と考えて勉強していましたね(笑) 持って生まれたもの、努力ではどうしようもない部分で勝負しないといけないわけではなく、努力すればどうにかなる部分で勝負するわけなので。
京都医塾)例えば、宇宙飛行士などは応募資格として視力や身長などの基準がありますよね。たしかにそれは努力ではどうしようもない部分です。そういう意味では受験は自分の努力次第ということですね。
医師として働くということ
京都医塾)学生時代から、将来働きたい診療科は決まっていましたか?
来村)救命救急か脳外科か迷っていましたね。
京都医塾)なぜその診療科を希望されていたんですか?
来村)医師になって「命の危機に瀕している患者さんを救いたい」という想いがありました。救命救急はその現場に立ち会いますし、脳外科も手術で患者さんを劇的に回復させることができるという意味で、そういう医療に携わりたいと考えたんですね。どちらにするか悩んでいたときに、脳外科医が救命救急に派遣されていることを知り、脳外科に決めました。実際に脳外科医になったあと、日赤の救命救急センターでも4年働きました。
京都医塾)現在のお仕事内容を教えてください。
来村)自院の頭痛外来と漢方外来では、頭痛で困っている患者さんの中から手術が必要な患者さんを見つけ出し、適切な病院へ紹介しています。手術が必要でない患者さんは、西洋医学と東洋医学の両方の良いとこどりの治療で、頭痛を治しています。他院では脳神経外科で勤務してます。
京都医塾)医師として働くやりがいを感じられるのはどんなときですか?
来村)やはり、頭痛で困っている患者さん患者さんの不安を解消して、元気にしてあげられたときですね。頭痛とうまく付き合ってハッピーな人生を送ってほしいと思っています。
じつは、頭痛で困っている患者さんの9割以上は手術を必要としていません。でも、その受け皿というか診てくれる先生が少ないんですよね。今は「頭痛外来」って増えてきているけど、僕が始めたときは、和歌山県で初めての「頭痛外来」だったんです。だから患者さんがたくさんお越しになられました。西洋医学のガイドラインに沿った治療をしても改善しない患者さんがいたので、東洋医学・漢方での治療を学ぶために千葉大学に来たんです。
患者さんにオーダーメイドの治療を提案できるように自分のクリニックを開院することになりました。
京都医塾)手術を必要としなくても、日常生活に支障が出るレベルのひどい頭痛で困られている方はたくさんいますよね。そんな不安を相談できて、解消してくださるお医者さまがいたら、心強いですね。印象的な患者さんはいらっしゃいましたか?
来村)千葉県ということで、家族で東京ディズニーランドに行ったときにアトラクションで音過敏・光過敏での片頭痛が起きたけど、先生にもらった薬のおかげで治まって楽しめました、とお土産を買ってきてくれた患者さんがいましたね(笑)
他には、月経関連片頭痛に悩んでいて、本当は妊娠を希望しているけど頭痛の治療のために婦人科でピルの処方などを受けていた患者さんが来院されたことがありました。漢方での治療をすることでピルを飲まなくてよくなり、頭痛も改善して月経も整い、無事に妊娠して子どもさんを連れて病院に報告に来てくださったときは、うれしかったですね。
京都医塾)患者さんが元気になったあとのエピソードを知れるのはうれしいですね。
医学部を目指す受験生のみなさんへ
京都医塾)おすすめの勉強方法や頭痛に悩む受験生へのアドバイスなどはありますか?
来村)僕は、朝6時に起きて、勉強し、夜23時に寝るという規則正しい生活をしていました。家では集中できなかったので、学校が休みの日は、開館から閉館まで図書館で勉強していましたね。頭痛に困っている受験生にも「規則正しい生活」をおすすめします。テスト前だからと言って夜更かしして勉強をしないようにしましょう。濃いコーヒーや濃いお茶を飲むと頭痛が緩和することもあります。
京都医塾)「規則正しい生活」は受験勉強にも頭痛解消にも有効なんですね。病院に行くほどではないかな、時間が勿体ないな、と言う受験生もいるのですが、試験の日に困らないように、事前に信頼できるお医者さんに相談して、自分に合った治療やお薬を提案してもらっておくと安心ですよね。
京都医塾)高校生・浪人生が医師として働くビジョンを描くために何ができるでしょうか?
来村)本当は実際の医療現場を見る機会があればいいのですが、それは難しいので、自分が病院にかかるとき、家族のお見舞いに行くときなどに病院の様子やそこで働くスタッフを、まずは患者さんの視点で見てみましょう。最近はYouTubeをされている先生や本を書いている先生もいるので、それらを見てみたりして、イメージを膨らませるのも良いかもしれませんね。
京都医塾)医師に必要な素質は何だと思われますか?
来村)患者さんを元気にしてあげたいというモチベーションと、そのために勉強を継続するということですね。
京都医塾)これから医学部を目指す受験生に応援メッセージをお願いします!
来村)周りの人に「自分はこうなりたい」「自分はこれをやりたい」と言いまくりましょう!
言い続けて、諦めず努力を続けていれば、周りもそれが叶うように手助けしてくれます。
私の受験成績は3勝7敗です。大きく負け越しています。医者になってからも脳外科の専門医試験を一度落ち、当時の教授からとても怒られましたが、今は自分の好きな仕事ができています。自分のやりたいと決めた事を諦めずに継続することが大切です。
【引用:らいむらクリニック院長コラム「桜咲く!!」https://www.raimura-clinic.com/column/column29.html】
おわりに
志望校合格の秘訣は"叶うまで諦めないこと“
自分の想いを伝えて、努力を続けていれば、周りの人たちも夢が叶うように手助けしてくれる、という言葉が印象的でした。
このブログを読んだ受験生のみなさん、「医師になりたい」という想いを、応援してほしい家族や友達に伝えてみてはいかがでしょうか。
來村先生の経験を参考に、医学部合格を目指していきましょう!
医師になりたいけど、「何をしたら良いかわからない」「勉強方法について相談したい」等ありましたら、下記リンクからお気軽にお問い合わせください。