医学部の一次試験を突破した後に控えているのが、面接試験です。
面接試験では色々な質問がなされますが、とりわけ医療ニュースにまつわる問いかけは幅広い範囲からなされるため、日ごろから関心を持っていないと高難易度の質問となります。
そこで今回の記事では、医学部受験を控えた人たちに向けて、面接で聞かれる医療ニュースの対策を解説していきます。
面接で最近気になるニュースが聞かれる理由
まずは、医学部の面接試験において、最近気になるニュースが質問される理由について見ていきましょう。
この質問は、率直に「あなたが最近、関心のあるニュースを教えてください」という意図でなされます。
基本的には難易度はそれほど高いものではなく、最低限の医療知識を身につけているかが問われます。
そして、面接官が関心を持っていることの多くは、「異常な考えを持っていないか」や「医師としての倫理観に間違いはないか」といった事項です。
要するに、医学部の人間として、一人の人間として大学にふさわしいか否かを判断されているということです。
たとえば、人体への遺伝子組み換えの話題などのデリケートな問題において、倫理観を無視した回答をしてしまうと、不合格になってしまう可能性が高いでしょう。
また、ニュースに対する興味関心の熱量も見られています。
限られた時間の中でどれだけの情報量を面接官に伝えられるか、そして面接官からの切り替えしの質問にどれだけ良質な答えを返せるかが肝心です。
自分が関心を寄せるニュースを見つけて知識を深めるよう、意識して対策に取り組みましょう。
医療ニュースの質問にはどう答えればいい?質問例とともに解説
続いて、医療ニュースの質問にはどのように回答するのがよいのか、その具体例とともにみていきます。
3つの視点からアプローチしていきますので、ぜひ参考にしてください。
「最近気になっているニュースは何ですか?」
医学部の面接において、「最近気になっているニュースは何ですか?」という質問がよくなされることは、先ほどもお話ししたとおりです。
こちらの質問は、一見して難しい質問のように見えますが、意外と自由に答えられる質問となっています。
なぜなら、自分が自信をもって答えられるテーマを準備しておけば問題ないからです。
あなたの一番関心のある医療ニュースや、知識量が豊富な話題を持ち出すようにしましょう。
ただ、政治や思想にかかわる問題は面接官も敏感な反応を示すので、あまりおすすめしません。
たとえば、思想の良し悪しの話しや、国際問題の話などはハッキリと答えがないうえに、医療倫理や差別問題にもつながる可能性があります。
多くの人間が国際問題や倫理、差別問題には関心を持っていますが、非常に繊細な問題のため、面接試験の場では用いない方が無難です。
ちなみに、まれに一般的なニュースについても話題として出されることもありますので、こちらについても準備しておくとよりよい対策となるでしょう。
「○○についてどうお考えですか?」
「○○についてどうお考えですか?」という質問も面接試験では多くなされます。
こちらの質問は、テーマにおけるキーワードの理解度を見られる質問です。
知識を有しているという前提で回答をする必要があるため、多くの場合、難易度が高くなりやすい傾向にあります。
ただ、無理をして難しい言葉を使ったり、極端な思考で目立とうとしたりする必要はありません。
問われたテーマに関する知識を述べたうえで、自身のスタンスを明確にすることが大切です。
分からないことは分からないと答える方がいい
医学部の面接試験においては、専門性のある質問がなされることもあるため、答えられないこともあるかも知れません。
そういったケースで減点をされやすい反応が、知ったかぶりをしてしまうというものです。
問われたことに対して知識がない場合、思いがけず焦ってしまい、頭が真っ白になってしまうのは仕方がありません。
しかし、分かっているふりをしてしまうと、面接官には、ここぞとばかりに見抜かれてしまいます。
面接対策を万全にしていくことは当然ですが、万が一答えられない質問をされた際は、自身の勉強不足を認め謙虚な姿勢に尽くすのが得策と言えるでしょう。
面接で頻出のテーマについてご紹介
さて、ここでは医学部の面接において、頻出のテーマについて解説していきます。
様々なテーマをピックアップしてまとめましたので、ぜひご覧ください。
最近のニュースにまつわるテーマ
まずは最近のニュースにまつわるテーマから見ていきましょう。
新型コロナウイルス関連
昨今、話題となっている新型コロナウイルス。
拡大の規模は一層、広まるばかりで、その勢いについては衰えを見せません。
そんな新型コロナウイルス関連の話題は、多くの医学部でも頻出となっています。
コロナウイルスの感染拡大の防止策や、現場における医療崩壊、緊急事態宣言に関する事柄については勉強しておきましょう。
ウイルスの感染拡大の防止策に関する抜本的な回答は難しいと思いますが、上述したとおり大切なのはご自身のスタンスです。
自分の意見をしっかり面接官に伝えましょう。
オンライン診療
オンライン診療に関する質問もよくなされます。
なぜなら、新型コロナウイルス感染拡大の影響にともない、多くの病院では、オンラインによる診療がなされているからです。
診療報酬や処方箋に対する今後の取り扱い、そして患者とのコミュニケーションの取り方などは、きちんと話せるようにしておいてください。
医療の今後にまつわるテーマ
続いて、医療の今後にまつわるテーマについても見ていきましょう。
SDGs
SDGsとは「Sustainable Development Goals」を略称化したものを指します。
「持続可能な開発目標」と表現され、医療界においては主に発展途上国の医療問題に使われます。
こちらの用語においてもしっかり押さえておいてください。
AIと医療
ネットが全盛の時代、AIと医療に関しては必ず覚えておきたい分野です。
AIを使用した医療は今後、世界のスタンダードとなると注目されています。
自分なりの考えをまとめあげ、いつ質問されても答えられるようにしておきましょう。
地域医療の課題
地域医療は、日本にとって長年の課題となっています。
政府ですら課題解決の方法を見出せない難問ですが、難問であるからこそ、あなた自身の意見が光るというものです。
解決策こそ提示できなくとも、医師として活動するうえでの心がまえや、今後の展望などは回答できるようにしておきましょう。
倫理を問うテーマ
次に、倫理を問うテーマの解説です。
デリケートな話題が続きますが、しっかりポイントを踏まえてください。
出生前診断
出生前診断とは、妊娠中の赤ん坊の発育状況や、異常の有無を事前確認する診断で、中絶問題が議論を呼んでいます。
明確な答えが提示しづらい医療ニュースですが、背景を調べたうえで意見をしっかりと述べましょう。
ゲノム編集
ゲノム編集とは、生体の持つ遺伝子を組み替える技術のことです。
このゲノム編集は、人間の身体能力などで優劣をつける、「優勢思想」につながる可能性があると言われています。
デリケートな医療ニュースですが、こちらに関してもきちんと勉強し、面接で自らの考えを伝えることが大切です。
脳死や臓器移植
脳死や臓器移植の問題は、医師や研究者の間でも見解が異なっています。
「何をもって脳死とするか」などの判定は、患者本人や遺族を巻き込む重大なテーマですから、おいそれと答えられるはずがないでしょう。
しかし、面接官が見ているのは、こういったシリアスな医療ニュースにどういった態度で向き合っているかということです。
自分が考え抜いた意見を、面接官にはっきりと伝えましょう。
医療ニュースの質問対策
さて、ここでは、医療ニュースにまつわる質問対策についても把握していきましょう。
メディアに関するものを中心に据えて、4つのトピックでまとめました。
新聞を活用
新聞は自分の関心のある分野だけでなく、多くの情報・知識が得られるメディアです。
さまざまなニュースに触れることができるため情報の偏りが少なく、情報源も信頼できます。
新聞には複数社ありますが、時間に余裕がある場合は、色々な新聞社のものを読んでみるのもおすすめです。
テレビやSNSは客観的な視点で見る
テレビやSNSを通じて医療ニュースを仕入れる人は多いはず。
しかし、これらのメディアには、編集者の意図が色濃く反映されているケースがあるため、注意が必要です。
とくに、SNSは個人の意見をそのまま発信できることから、情報が偏っている可能性もあります。
繰り返し述べますが、面接の質問に対してあまりに偏った意見を述べてしまうと、減点の対象になってしまうことも考えられます。
これらのメディアから医療ニュースを仕入れる際は、他の媒体からも情報を得て、意見のバランスを失わないよう心がけてください。
医師の書いた文章を読む
面接試験における質問に対し、医師の書いた文章の感想などを答えるのはとても有効です。
なぜなら、医師が直接発信した文章は、医療の現場を追体験できる情報となるため、臨場感をともなった回答ができるからです。
忙しい勉強の合間に医師の書籍や体験談を読み漁るのは大変かと思いますが、ぜひチャレンジしてみてください。
大学や学会のHPもチェック
医学部の面接試験では、大学や学会のHPのチェックも大切です。
特に、大学独自の指導方針やカリキュラムは話題に出やすいため、HPは隅から隅まで確認しておきましょう。
説得力のある返答ができず、「本当にここに入りたいのかな」と疑問を持たれてしまうと、減点される可能性もあります。
まとめ
医学部の受験において最初の関門となるのが、英語や数学などの試験科目です。
これらの科目で高得点を取り一次試験を突破しなければ、医学部合格の道筋は断たれてしまいます。
しかし、一次試験だけに目を向けていると、面接などの二次試験において足元をすくわれてしまうでしょう。
そんな面接試験は、実践練習こそが重要で、なるべく早い時期から開始するのが上策です。
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