皆さん、こんにちは。本日は円町校の江島がお送りさせていただきます。
今日は、現役高校3年生向けに、 “公募制推薦入試” についてお送りしたいと思います。ここまでそれなりの年数、講師人生を送っておりますが、こちらが驚くほど意外に認知されていない試験方式でもあるので、この機会に是非知っていただけたらと思います。
※ちなみに公募制推薦入試と一口いっても、実は公募制 “一般” 推薦入試と、公募制 “特別” 推薦入試に分かれるのですが、今回は前者についてお話をすることとします。
公募制推薦入試とは?
公募制推薦入試とは、「大学側の出願基準を満たし、学校長からの推薦があれば、どの高校の生徒でも出願することができる」入試のことを指します(大学側から指定を受けた高校の生徒しか出願することが出来ない、指定校推薦入試とは違うものなので、ここは注意です。)。一般入試のように、特定の教科の独自試験を受けて、合格基準点を満たせば合格という仕組みになっています。多くの大学が、試験日程を「11月~12月初旬」に設けているため、「年内にもう一回入試を受けられるんだ」と思っていただいて構いません。
公募制推薦入試を導入している大学は様々ありますが、関西圏で申しますと、やはり産近龍佛大(京都産業大学、近畿大学、龍谷大学、佛教大学の総称)への出願が多くを占めていると思います。というのも、関関同立大に関しては、公募推薦の対象が、「同志社大学」と「関西大学」の限られた学部のみで、なおかつ学校の評点平均に条件が付されていたり、書類審査があったりとやや特殊な型を採用しているためです。
試験方式
前述の通り、各大学の独自試験の得点により合否を判定するという点は、基本的にどの大学も同じです。しかし、学校の評定平均(調査書とされる場合が多いですかね)を「得点に換算して」、自身の得点に加えるか否かを選択することができます。加える場合を「総合評価型」、加えない場合を「基礎評価型」としている大学が多いと思います。
つまりは、
- 総合評価型の場合
英語(100点) + 国語 or 数学(100点)+ 学校の評定平均 × 20(100点) = 300点満点で合否判定
- 基礎評価型の場合
英語(100点)+ 国語 or 数学(100点) = 200点満点で合否判定
というイメージだと思っていただければ大丈夫です。
1度の出願で、両方の型を同時に出願することも可能(1回試験を受けただけで、どちらの型でも得点換算をしてもらえる)であることが多いので、出願するのに越したことはありませんが、総合評価型で受験される際には、「最低合格点」を必ず確認してください。
例えば、A君の、受験したい大学および学部の、昨年度入試の最低合格点が240点(300点満点)だとしましょう。「1教科あたり80点」の得点が必要でした。そしてA君の学校評定平均が「3.5」だというケースを考えます。この場合、調査書から生まれるA君の持ち点は「3.5×20=70点」ということになります。もうおわかりの通り、教科平均から“10点マイナス”でのスタートとなるわけです。試験が始まる前からビハインドを背負っていくのはおススメしませんので、このような場合は「基礎評価型」のみの出願にしておくのがよいと思います。なお、例年ですと、総合評価型よりも基礎評価型のほうが、倍率が高くなっていることが多いです。
こんな人は公募制推薦入試を!!
- 関関同立大を第1志望に!けど浪人はしたくない…という人
私立大志望、とりわけ文系学部志望の生徒さんは、関関同立大を第1志望に掲げる方が多いのではないでしょうか。現役合格を目指すのであれば、いわゆる「滑り止めの大学」を受験されることになるでしょうし、私自身、強く薦めています(浪人も辞さない覚悟だ!という方は別ですが)。その「滑り止め大学」の筆頭候補に当たるのが、産近龍佛大になってくると思います。
1つ目のメリットは、「現状の立ち位置を知ることが出来る」というもの。自身がこれまでやってきたことがちゃんと点数に結び付く作業だったのか、確認できる良い機会だと思います。一概には言えませんが、「公募制推薦の時点(11月末)で産近龍佛大レベルの問題で合格点を取れないようでは、一般入試の時点(2月初旬)で、関関同立大レベルに到達することは出来ない」と、私自身そう思っています。
2つ目のメリットは「一般入試での時間的・精神的負担が減る」ということです。公募制推薦を受験しないとなると、「滑り止め大学」の受験が1月末に控えることになります。だいたいの受験生にとってこの時期は、「第一志望のことだけ考えたい」時期になっているはずです。公募制推薦入試に合格することが出来れば、この負担が一気に減ります。これは大きいと思います。
- 勝負ごとに弱く、緊張してしまう…という人
けっこうこのタイプの受験生は多いんではないかな…私自身そうだったと思います。特に国公立大志望者にとって「試験本番の空気を体感することが出来る」チャンスだと考えています。もしこの機会を逃せば、おそらく初めての試験は、“共通テスト本番”になるでしょう。ベストパフォーマンスを発揮しなければならない試合がデビュー戦となるわけです。どの大学入試においても試験本番の空気たるや、独特なものがあります。それを先に体感できるのは、アドバンテージになると言えるでしょう。
最後に
公募制推薦入試の出願は、11月初旬の試験なら10月中頃から、11月末の試験なら、11月初旬からスタートするところがほとんどです。一度この機会に公募制推薦受験について一考していただけたら良いかなと思います。
本日は以上です。お疲れさまでした。