京都医塾化学科です。
このページでは「岩手医科大学の化学」についての過去問分析コメントを紹介します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“岩手医科大学”の受験を考えている方
・“岩手医科大学の化学がどのような問題か知りたい”という方
にオススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。
目次
概要
【形式・制限時間・配点】2022年度
形式:マークシート方式
制限時間:理科2科目で120分
配点:75点
出題の傾向と特徴
【毎年恒例の出題形式】
理論化学・無機化学分野での正誤問題が頻出です。2~3つの文章の正誤を全て合致させなくてはならないので、かなり正確で、厳密な知識が要求されます。教科書だけでなく図録等を活用して、細かな知識まで身に付けておく必要があるでしょう。
【制限時間に対する問題量】
設問数は多くはないので、制限時間に対する問題量としては標準的ですが、有機化学については思考力を必要とする問題も出題されており、余裕は少ないです。
2022年度(最新の過去問)の分析
さらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。
【第1問】
問1a:純物質でない物質を選択する問題です。純物質・混合物の違いがきちんと理解できていたでしょうか。
問1b:酸化数に関する問題です。酸化数の決定方法を身に付けておけば問題なく解けるでしょう。
問2:マグネシウムの性質に関する正誤問題です。酸化物の定義、水との反応性、硫酸塩は溶解する、といういずれも頻出の性質でした。
問3:物質量の定義に関する問題です。物質量という人間が定めた量と、質量という現実に存在する量のそれぞれのイメージがきちんとつかめていたでしょうか。
問4:面心立方格子の充填率を求める問題です。導出過程は頻出なのでしっかりとマスターしておきましょう。
問5:状態図に関する問題です。問われている臨界点・超臨界流体だけでなく、関連する用語はいずれもきちんと押さえておきましょう。
問6:元素分析から分子量を決定する問題です。基本ですのできちんとマスターしておきましょう。
問7:安全ピペッターの使用方法に関する問題です。実験操作については近年様々な大学で出題割合が上がってきています。図録等できちんと学習しておきましょう。
【第2問】
問1:元素推定の問題ですが、金属の水素化合物がイオン結合することがわかっていないと正解に辿り着けなかったのではないかと思われます。
問2:第2周期の元素に関する正誤問題です。周期表を書いて、落ち着いて数を数えられれば正答できるでしょう。
問3:第3周期の元素に関する正誤問題です。こちらも周期表を書き、丁寧に答えましょう。また、両性元素に関してはしっかりと押さえておきましょう。
問4:第4周期の元素に関する正誤問題です。臭素・水銀の周期表内での位置や、ハロゲン化水素の酸性度についてきちんと学習しておきましょう
問5:硫酸の性質に関する正誤問題です。原子間の結合、濃硫酸の酸性度、濃硫酸の希釈方法などよく問われる知識ばかりなのでしっかりと押さえておきましょう。
問6:硝酸の性質に関する正誤問題です。オストワルト法は基本的ですが、硝酸の揮発性、硝酸エステルなどやや細かい知識が問われているので注意が必要です。
問7:硫化水素の性質に関する正誤問題です。硫化水素の還元剤としてのはたらきや酸性度について正確に理解しておきましょう。
問8:金属イオンの推定問題です。沈殿する組み合わせや色、錯イオンの形成など基本的な知識を正確に身に付けておきましょう。
【第3問】
問1:記述に該当する化合物を選択する問題です。不斉炭素や分子の立体構造、化合物の分子式と組成式など有機化学の基本的な知識を確実に押さえておきましょう。
問2:炭化水素の性質に関する正誤問題です。基本的な物質に関する設問ですが、問われ方がかなりひねってあるので、混乱しないようにしましょう。
問3:銀鏡反応に関する問題です。基本問題なのでヨードホルム反応と混同しないように気をつけましょう。
問4:セッケンと合成洗剤に関する正誤問題です。油脂のけん化やセッケンの弱点についてきちんと押さえておきましょう。
問5:トレハロースに関する問題です。近年よく出題されるようになっている二糖類なので、マルトースやスクロースと合わせてしっかりと押さえておきましょう。
問6:卵白に含まれるアルブミンなどのタンパク質に関する正誤問題です。ケルダー法やタンパク質水溶液がコロイド溶液であることなど、有機化学以外の分野との知識がうまく繋げられるようになっておきましょう。
問7:合成高分子化合物に関する正誤問題です。縮合重合・開環重合について確実に押さえておきましょう。
【総評】
2021年度に比べると細かな知識を問う問題はやや減少しましたが、依然として正確に知識を覚えていないと正答できない問題が大半を占めています。計算問題が少ない分、正誤問題では丁寧に文章を読み、正誤の判定を行うようにしましょう。また、過去問を使って演習を行う際には、誤りの部分を正しい文章に直せるようになることを意識して、知識面の学習を行うようにしていきましょう。
≪2022年度の目標値≫
化学を得点源にしたい受験生…6割
他教科を得点源にしたい受験生…5割
まとめ
というわけで、今回は岩手医科大学の化学についてまとめてみました。皆さんの参考になれば幸いです!
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