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2022年度北里大学医学部の英語過去問対策・分析

2022年度北里大学医学部の英語過去問対策・分析


京都医塾英語科です。

このページでは「北里大学医学部の英語」についての過去問分析コメントを紹介します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“北里大学医学部”の受験を考えている方
・“北里大学医学部の英語がどのような問題か知りたい”という方
におススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。

概要

【形式・制限時間・配点】2022年度(最新の問題より) 
形式: マークシート
制限時間:70分
配点: 150点

出題の傾向と特徴

形式に加え、大問数も固定されてきた2018年度以降の5年分についての傾向をまとめます。変更点もありますので注意してください。

【毎年恒例の出題形式】

①長文読解

②文法問題

③長文空所補充

④会話問題

⑤語句整序

【変更された出題形式】

大問3に課されていた、短文の後に選択肢の文章をつなげる問題が削除されました。別形式の大問の増加はなく、大問が1つ減った形です。

【制限時間に対する問題量】

制限時間に対する時間、問題量ともに多いです。場合によっては「捨て問」を作らないと駄目かもしれません。

2022年度(最新の過去問)の分析

ここまでは近年の傾向を見てきましたが、ここではさらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。

【第1問】(難易度:標準) 

今年は750語ほどの長文でしたので、昨年よりも50語程度減りました。問題は空所補充7問、下線部の意味を問う問題3問、そして内容一致が2問で合計12問となっています。昨年よりも1問削減されています。内容的には、コロナの話題を引き合いに出し、「人獣共通感染症」をテーマとしており、医学部受験者にはある程度馴染みがあるものでしょうから、標準的な難しさと言えるでしょう。例年、大問1は医療系のテーマが課されていますので、基本的な医療系英単語は、シスタンメディカルなどで事前に確認しておくとよいでしょう。問題は時間です。残りの問題を考えると25分以内で第1問を解き切る必要があります。解法的には標準的なもので十分であり、ディスコースマーカーを効果的に使いながら内容を理解すれば問題自体は解けます。それでも時間が厳しいのであれば、内容一致問題が予め課されていることを確認し、その他の問題を解く中で本文内容や筆者の伝えたいことなどを覚えておく、といった対応を考えるべきでしょう。

≪2022年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…2問ミス
他教科を得点源にしたい受験生…4問ミス

【第2問】(難易度:やや易~標準) 

特段珍しいこともない普通の文法5択問題です。語法系の問題が少なく、文法的に考える問題が多いことが特徴といえば特徴です。また、文法問題にしては文が長いものが多いのですが、しっかり内容を分からないと選択肢を切れませんので、「できるだけ速く解きたい」と思う問題ですが、構文を正確に把握しながらじっくりと取り組み確実に点を稼ぎたいところです。一見気づきにくい仮定法現在などが問われることもありますが、全体的には平易な問題です。

≪2022年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…1問ミス
他教科を得点源にしたい受験生…3問ミス

【第3問】(難易度:標準) 

形式としては珍しくない長文の穴埋め問題です。長文といっても210語程度(段落3つ分)なので「少し長い短文」くらいのものです。空所は5つで、それぞれ5個の選択肢があります。問題は語法的・文法的なものと意味的に決めるものの両方があり、文の意味と選択肢をしっかり読み込むことが必要です。本文および選択肢の単語は標準的なものしか出ませんので、日ごろから真面目に暗記学習に取り組む者は苦戦しないでしょう。速読と音読を組み合わせて、前から一読で文意を取る訓練をしておけば確実にものにできる問題ばかりです。

≪2022年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…しても1ミス

他教科を得点源にしたい受験生…2問ミスにとどめたい

【第4問】(難易度:標準) 

250語の程度の短めの長文です。2021年度に続き、22年度は内容一致問題が出題されていますが、昨年よりも1問増えました。日ごろの読解学習の中で、本文に取り組む前に、選択肢を吟味し、設題要求を正確に把握する練習を積んでおきましょう。すると本文さえ理解できれば苦戦することなく設問は解けます。ただし、最後に設定されている本文一致問題には設題中に「would most probably agree」とありますが、これは本文理解をしたうえで、適切に解釈できているかを確認してくるものです。本文中には記載がないが、それらしい選択肢を織り交ぜて混乱させてくるので注意が必要です。

≪2022年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…全問正解

他教科を得点源にしたい受験生…1問ミス

【第5問】(難易度:標準) 

昨年の会話が成立するように短文を挿入する問題から、本文内容一致問題のみの形式に変更されています。本文・選択肢中の語彙に難解なものはありませんので、前からしっかり読み、意見をまとめながら読めばそこまで難しくはありません。各話者の意見などを適宜空白にメモしておくと解答が非常に楽になります。

≪2022年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…満点

他教科を得点源にしたい受験生…2問ミス

【第6問】(難易度:やや難) 

一応「文整序問題」と言えるのでしょうが、文も長く、適語を挿入するところも飛び飛びになっているので、北里大独特の形式と言えます。2問出題されていますが、どちらも和文が相当堅苦しい文で、解答のポイントとなる表現も難しいことが多いので、普段並べ替え問題が得意、という人でも苦戦する可能性もあり、コストパフォーマンスは悪いと言えます。構文の把握を徹底し、品詞や語法、文法を総動員して取り組むことが要求されています。それでも、筆者が指導を担当した生徒は、一度正しい解き方を身につけてしまえば失点することはなくなりましたので、コツをつかめば周りと差をつけることができる問題でもあります。

≪2022年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…2問ミス

他教科を得点源にしたい受験生…1つは正解したい

【総評】

全体として難問・奇問は出題されておらず、しっかりとした英語力さえあれば得点できる問題になっていますが、とにかく分量が多い。過去問を数年分解いてみて、あまり点が取れないことがわかった問題にはあまり時間をかけない、あるいは解法面を工夫するなどの対策が必要になる人もいるでしょう。その意味では制限時間をしっかり守って、各設問に効率的に取り組むことが非常に重要な大学です。

まとめ

というわけで、今回は北里大学医学部の英語についてまとめてみました。皆さんの参考になれば幸いです!

京都医塾ではご相談・体験授業を随時募集しています。下記リンクからお気軽にお問い合わせください。

投稿者:吉田 恒

  • 役職
    英語科統括/英語科講師
  • 講師歴・勤務歴
    25年
  • 出身大学
    京都大学文学部
  • 特技・資格
    英検1級、TOEIC満点※3~4年前
  • 趣味
    読書・音楽を聴く・自転車(休眠中)など
  • 出身地
    京都府
  • お勧めの本
    貴志祐介か小川洋子の本を読んで下さい

受験生への一言
京都医塾には個性的で優秀な英語の先生が揃っています。英語が苦手な人、どうやっても英語の成績が上がらない人、英語の勉強法が分からない人、そんな皆さんに来て頂きたいです。