皆さん、こんにちは。本日は円町校の江島がお送りさせていただきます。
「関関同立大過去問分析」シリーズ、3つ目は関西大学についてお話させていただこうかと思います。今回は第1問について。長文パートではありませんが、関西大学の英語を乗り切るには重要な要素がたっぷり詰まっていますので是非ともご覧ください。
関西大学の英語 概要
- 形式
第1問:会話文・文整序問題
第2問:長文読解(空欄補充・内容一致)
第3問:長文読解(下線部表現の理解・内容一致)
以上、200点満点(学部・形式によって変更があります)
- 制限時間
80分
読解中心の問題構成となっており、文法知識オンリーの出題がない点においては、同志社大学と近いものがあります。第1問の「文整序問題」という特色問題に苦戦する受験生が多く、制限時間の割に試験全体の英語の語数が多いので、関西私大の中でもきつめの時間設定になっていると思います。タイムマネジメントがより一層大事になってくる出題形式になっていると個人的には感じます。他の関西私大と同様、試験日や学部での問題形式の変化はありません。
問題分析 第1問
- 会話文補充問題
リード文(斜体文字の部分)からはじまる、全体を通した会話文で、その途中にある空欄に適した内容のものを選ぶという、一般的な問題です。会話問題独特の表現がそれほど出題されるわけでもなく、極めて標準的な難易度の問題となっています。
- パラグラフ短文整序問題
関西大学の英語きっての特色問題で、他の関西私大の問題では見られない型の問題です。2、3行程度の文章を、話の流れにそって正しい順番に並び換えて、1つのパラグラフを作るイメージの問題です。長文における論理展開を追っていくのが苦手な生徒さんには、苦しい問題として知られています。
設問対策 第1問
- 会話文補充問題
この問題に取り組むにあたり意識していただきたいことは次の3つになります。
(1)リード文を必ず読む。
(2)空欄の直前直後の内容から、埋めるべき内容を推測する。
(3)選択肢の英文を正確に訳す。
(1)は、疎かにされがちなのですが、「会話の目的」や「会話相手との人間関係」など、読み進めていく上で必要な情報が詰まっています。必ず読みましょう。
(2)は、他大学の問題でもお伝えしている内容ではありますが、会話文補充問題の基本中の基本です。これが出来なければ、会話問題は解けません。直前直後だけでいいので、しっかり「文脈をつかむ」ということを心がけてください。
(3)は、せっかく文脈をつかむことに成功しても、選択肢がその内容に当てはまるか判断できないと正解を選ぶことはできません。選択をよく見ると、文法上おかしな選択肢が含まれていたりするケースも意外にあるので、選択肢をしっかり吟味することが、正答率向上につながります。念のために、口語独特の表現(It’s my pleasure.とか・・・)も勉強しておいて損はありません。
- パラグラフ短文整序問題
A~Fに英文が分けられており、必ず「Aからスタートする」ことになっています。話の流れが矛盾しないように、文章を並び換えることが目標、つまりは「論理展開を意識出来ているかを試されている」ということです。この問題で注目すべきポイントを4点挙げておきます。必ず毎回確認するようにしてください。
(1)Aの文章を読み、すぐ横にでも、「簡単な話のまとめ」を書いておく。
「Aが最初にくる」という条件ゆえに、これが最大の手掛かりとなることは間違いありません。Aの内容をきっちり読み、おおまかな内容を、横にメモしておくことをオススメします(これは、長文問題にとりかかる際にも重要なことですよ)。
(2)「論理展開を表す語」のチェック
論理展開を意識する上で最も重要な作業の1つですね。「論理展開をわかりやすく示す語句」は、英文の流れを明確にするためには欠かせない要素で、逆を言えば、必ずどこかに「そいつ」はいるのです。例えば、for exampleとかalthough~とかbecause~とか…。文章中における「道路標識」と言ってもいいかもしれませんね。英文でもこれらを無視しちゃうと事故に遭うんです。だから、出会ったら、必ず○で囲んであげる!これに注意して読み進めていけば、長文読解においても、道に迷う確率は格段に減少するはずです。
ちなみに【対比・逆接】、【抽象→具体】、【原因→結果】が、英語における「3大論理展開パターン」とされていますので、これだけでも必ずチェックする習慣をつけてしまいましょう。
(3)指示語・代名詞のチェック
「論理展開を表す語」のチェックと同じくらい大切な作業です。指示語・代名詞があれば、その内容は必ずそれ以前に出てきているはず。これで前後を見失う可能性を減らせますね。あとは、「the+名詞」にも注意をしてください。theを使うってことは、初登場ではなく、2回目以降の登場の可能性があるので、ここも注意しておきましょう。
(4)時間の流れや前後文脈のチェック
時折、上記の方法だけでは絞りきれないものも出てきます。こうなったら、あとは時系列や文脈に頼るしかないですね。各文章の隣にテーマをメモ書きしながら対処しましょう。
学習アドバイス 第1問編
会話問題に関しましては、毎度おなじみ、「会話文に慣れる」ことが大事です。会話のキャッチボールがうまく成立するように、展開を予測しながら読めるようになると素晴らしいです。練習問題としては、近畿大学の第1問なんかが良いと思います。会話そのものの長さが短いのがネックですが、最初の一歩としては最適です。また同志社大学の第3問も、骨がある問題ですが余裕があれば取り組んでおくといいでしょう。
パラグラフ文整序問題は、何といっても「過去問」を解いてください。2009年度からこの問題形式に移行しているので、練習問題はたくさんありますので、設問対策で挙げたポイントを意識して、たくさん解いて慣れていってください。
最後に
次回は、第2問、第3問の長文セクションついて詳しく解説していきたいと思います。
本日は以上です。お疲れ様でした。