京都医塾生物科です。
このページでは「大阪医科薬科大学医学部の生物」についての過去問分析コメントを紹介します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“大阪医科薬科大学医学部”の受験を考えている方
・“大阪医科薬科医学部の生物がどのような問題か知りたい”という方
にオススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。
目次
概要
【形式・制限時間・配点】2022年度
形式: 記述式
制限時間:2科目120分
配点:2科目200点
出題の傾向と特徴
平易な問題が多いですが、グラフ読解と記述問題が苦手な受験生はしっかり対策をしておく必要があります。
また、生物学の知識を人間の生活にあてはめて考える問題(夜の飛行機のコックピットにおける視覚、呼吸運動における胸や横隔膜の動き、等)もよく出題されますので、生物の勉強をする際には「この知識を私の体にあてはめるとどのように理解できるだろうか」という発想で知識を血肉化しておくとよいでしょう。
【頻出の出題単元】
遺伝子発現、バイオテクノロジー、人体(反応と行動、恒常性)からの出題が多いですが、植物ホルモンや進化など、全分野から出題されていますので、教科書レベルの知識は全分野にわたって抜けのないようにしておきましょう。
【制限時間に対する問題量】
平易な問題が多いので、医学部入試としては時間的余裕がある方です。その時間を使って、記述問題が苦手な人は自分の答案をしっかり吟味するとよいでしょう。
2022年度(最新の過去問)の分析
さらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。なお、「教科書レベルの知識は身に付いている」という前提で書いています。
【第1問】
(テーマ)
多細胞動物の体内における情報伝達に関する問題です。
(問1~5)
教科書レベル~典型問題レベルですから、完答を目指しましょう。
(問6)
内分泌系と神経系の特徴を、それらの情報伝達の速度と標的細胞の数を対比させて記述する問題です。他にも、シグナルの持続時間の差も重要です。一般的に、(情報伝達の速度、標的細胞の数、シグナルの持続時間)は内分泌系では(遅い、多い、長い)、神経系では(速い、少ない、短い)となります。内分泌系と神経系はこれらの違いによって、体を調節する際に上手に役割分担をしているのです。
このタイプの問題は学校の教科書傍用の問題集や模試や入試においては頻出の問題ではありませんが、動物やヒトの体の仕組みに興味を持っていれば、自然と考えが及ぶテーマです。医学部を目指す受験生が普段からこのような興味の持ち方をしていれば、入試においても有利になるでしょう。
【第2問】
(テーマ)
眼の発生と働きに関する問題です。
(問1~4)
教科書レベル~典型問題レベルですから、完答を目指しましょう。
(問5)
夜の飛行機のコックピットで赤色の照明が使われる理由を、錐体細胞と桿体細胞が受容できる光の波長の違いから考えさせる問題です。設問文に親切にも「桿体細胞は赤色を吸収しにくい」と書いてくれているので、考察と記述を丁寧かつ素早く行いましょう。
【第3問】
(テーマ)
三ドメイン説に関する問題です。
(問1~6)
全ての小問が教科書レベル~典型問題レベルですから、完答を目指しましょう。
【第4問】
(テーマ)
植物のホルモンと光受容体に関する問題です。
(問1~5)
教科書レベル~典型問題レベルですから、完答を目指しましょう。
(問6~8)
地面に散布された光発芽種子の上層に、光を巡る競争相手となる他の植物の葉群があると、葉群を透過する光の波長がどうなるか、透過光を受け取った光発芽種子のフィトクロムはPr型/Pfr型のどちらになり、発芽が促進されるのか抑制されるのか、という典型問題です。このタイプの問題を解いたことがなくても、設問文で丁寧に誘導してくれているので完答したいところです。
【総評】
私立医学部の入試問題としては簡単な部類に属します。その分、合否ラインは高得点域となっていると予想されますので、繰り返しになりますが、グラフ読解と記述問題が苦手な受験生はしっかり対策をしておき、高得点を取る必要があります。
≪2022年度の目標値≫
生物を得点源にしたい受験生…9割
他教科を得点源にしたい受験生…8割
まとめ
というわけで、今回は大阪医科薬科大学医学部の生物についてまとめてみました。皆さんの参考になれば幸いです!
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