京都医塾生物科です。
このページでは「関西医科大学医学部の生物」についての過去問分析コメントを紹介します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“関西医科大学医学部”の受験を考えている方
・“関西医科大学医学部の生物がどのような問題か知りたい”という方
にオススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。
目次
概要
【形式・制限時間・配点】2022年度
形式: 記述式
制限時間:2科目で120分
配点:2科目で200点 (100点×2)
出題の傾向と特徴
記述式と言っても選択肢から記号を選ぶ問題や生物の用語を答える問題が多く、記述問題は20~30字程度のものがほとんどです。
2022年度は極端に易化しましたが、2023年度は2021年度までと同様の難易度に戻る可能性もあります。
【頻出の出題単元】
遺伝子発現、バイオテクノロジー、人体(反応と行動、恒常性)
【制限時間に対する問題量】
2022年度は解答時間に余裕がありましたが、2021年度までは解答時間に余裕はありませんでした。
2022年度(最新の過去問)の分析
さらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。なお、「教科書レベルの知識は身に付いている」という前提で書いています。
【第1問】 小問集合
「正しいものをすべて選べ」という形で出題され、完答しないといけません。生態や進化、分類といったマクロ分野からも出題され、かなり詳細な内容まで問われるため、生物の全範囲にわたって詳細かつ正確な知識が必要となります。
【第2問】 被子植物の配偶子形成と種子の遺伝
被子植物の配偶子形成におけるDNA量の変化を示すグラフが出題されました。被子植物の配偶子形成は、植物の生活環と関連付けて学習すると理解が深まります。被子植物では配偶体の世代が現れますが、これはコケ植物からの進化の過程で極端に短く圧縮されたものであり、ヘッケルの反復説の例と考えるとよいでしょう。
また、種子の胚乳と種皮の遺伝子が完全連鎖している問題が出題されました。胚乳は核相が3nで、2nが母由来でありnが父由来です。種皮は核相が2nで、母親の組織そのものです。この点に注意すれば難しくはなかったでしょう。
【第3問】 DNAの半保存的複製
DNAの複製様式に関する仮説として半保存的複製、保存的複製、分散的複製を考え、メセルソンとスタールの実験結果からこれらの仮説の妥当性を検証する問題が出題されました。
また、メセルソンとスタールの論文が出た年代が問われました。分子生物学の歴史的な発展過程(年代)は大学入試での出題頻度は低いですが、医学部に入学した後も役立つ知識ですので一度整理しておくとよいでしょう。
【第4問】 心臓の圧容積曲線
心臓の圧容積曲線は医学部入試ではよく出題されますが、リード文を丁寧に読解すればこれまでに類題を解いたことがなくても高得点が取れたでしょう。
【総評】
2021年度までと比べると、2022年度は極端に易化しましたが、2023年度以降は難易度が戻る可能性もあるので、難易度の高い問題集で十分に勉強しておいた方が良いでしょう。
≪2022年度の目標値≫
生物を得点源にしたい受験生… 9割
他教科を得点源にしたい受験生… 8割
まとめ
というわけで、今回は関西医科大学医学部の生物についてまとめてみました。皆さんの参考になれば幸いです!
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