京都医塾化学科です。
このページでは「昭和大学医学部の化学」についての過去問分析コメントを紹介します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“昭和大学医学部”の受験を考えている方
・“昭和大学医学部の化学がどのような問題か知りたい”という方
にオススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。
目次
概要
【形式・制限時間・配点】2022年度
形式:記述式、選択式
制限時間: 70分(理科2科目で140分)
配点: 100点(理科2科目で200点)
出題の傾向と特徴
【毎年恒例の出題単元】
近年は大問4題の構成で、そのほとんどが理論化学と有機化学から出題されています。どちらも基本、標準だけでなく発展的な内容まで幅広く出題されているため、一般的な問題集や過去問を使って、日ごろから難しい問題にもチャレンジしておく必要があります。
【制限時間に対する問題量】
70分で大問4題ですが複雑な計算が出題され、発展的な知識も問われるため時間の余裕はありません。まずは全問にサッと目を通し、基礎から標準的な問題を確実に得点しましょう。特に難解な計算問題で時間を浪費して最後まで解けなかったということの無いように気をつけて下さい。
2022年度(最新の過去問)の分析
さらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。
【第1問】(高分子化合物)
天然高分子の単元からアミノ酸やタンパク質の出題です。問1はアミノ酸の基本的な知識やタンパク質の立体構造についての設問です。基本問題なので確実に得点しなければなりません。ここで失点が重なると合格が遠ざかるので慎重に素早く解き進めましょう。次の等電点のpHを求める問題は応用力が試されます。特に酸性アミノ酸と塩基性アミノ酸の電離定数の扱い方は慣れていないと手が付けられない可能性があります。解法パターン自体は同じ流れなので、解ける人と解けない人の差が大きく開く問題でした。また、いくつかのアミノ酸からできたペプチドの異性体数を答える問題も苦手な人が多いはずです。問題集などでしっかりと練習しておきましょう。
【第2問】(有機化学)
フェノールについて、その製法と反応を問われています。いずれも基礎から標準的な出題内容であるため、素早く正確に解き全問正解を目指したい大問です。クメン法やベンゼンスルホン酸ナトリウムのアルカリ融解、クロロベンゼンの加水分解とともに塩化ベンゼンジアゾニウムの分解反応まで正確に暗記しておきましょう。またサリチル酸の製法と、そこからさらに無水酢酸やメタノールとの反応も頻出内容なのでしっかりと復習しておきましょう。
【第3問】(高分子化合物)
合成高分子の単元からポリエチレンテレフタラートやビニロンについての出題です。モノマーや反応式を答える知識問題は基本的な内容なので確実に正解して下さい。また縮合重合やアセタール化に関しての計算問題は不慣れな人では解ききれない可能性があります。特に部分的にアセタール化する問題で差がつくと思われるので、苦手な人は繰り返し計算練習をしておきましょう。
【第4問】(理論化学)
浸透圧、気体、固体の溶解度が小問集合のような形式で問われています。問1の浸透圧の問題は少し複雑な設定ですが2020年度にほとんど同じ形式の出題があったため、過去問演習をしていれば正確に解けたはずです。問2と問3は混合気体の平均分子量や密度から体積組成(%)を求める問題です。いずれも標準的なレベルなので確実に解けなければなりません。問4は気体の混合の問題です。混合後に温度の差を付ける少し複雑な設定でしたが、問題文中に「左右の容器の圧力が等しい」というヒントが記載されていたたため、解法の道筋が見やすくなっています。問5は溶解度を用いて水和物の積出量を計算させる問題です。内容自体は基礎知識で対応できますが計算量が多いためいかに時間をかけずに解くかがカギとなります。練習の段階では、解き方が分かった後は素早く解く練習もしっかりと行いましょう。
【総評】
理論化学と有機化学(高分子を含む)からの出題がほとんどなので、これらの単元の基礎力に不安があると合格は望めません。まずは基本から標準的な知識と計算力を確実に身につけましょう。その後は発展的な問題にも触れておく必要があります。一般的な問題集や過去問を使って、見た事の無い出題形式の問題にも慣れておきましょう。その際は計算問題にも積極的にチャレンジし、解法だけでなく解答スピードもきちんと身に付けるよう意識しながら取り組んでください。
≪2022年度の目標値≫
化学を得点源にしたい受験生…7.5割
他教科を得点源にしたい受験生…6.5割
まとめ
というわけで、今回は昭和大学医学部の化学についてまとめてみました。皆さんの参考になれば幸いです!
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