京都医塾生物科です。
12月に入ると、クリスマスの影響もあって、急に「冬」という感覚になりますね。受験生にとっては、模試の結果が手元に戻ってくる頃であることもあって、試験が目前に迫ってきたような緊張感が押し寄せてくるタイミングになるでしょうか。つい焦ってあれこれ普段とは違うことに手をつけたくなったりするかもしれません。でも、少し冷静になって考えてみてください、これまでに苦しみながらも着実に学習を重ねてきたこと。この積み重ねがあったからこそ、ここから試験本番までにできることが増えていくのです。大きく何かを変えることなく、普段通りに着々と学習を続けていきましょう。
今月は、
・大学入試共通テストについて
・12月の勉強のポイント
をお届けします!
■大学入試共通テスト
大学入試共通テストは、次回令和5年度の試験で3回目の実施になります。生物については、初年度の平均点が非常に高く、その反動のように昨年度は難易度がぐんと上がって平均点が大きく低下しました。そのため、昨年度受験している人にとっては、自分が受けた時の感覚を信じていいのか、そうでないのか、を迷う所かと思います。まずは基本的な情報について確認していきましょう。
・出題範囲について
「生物」の全範囲が出題されます。センター試験と大きく異なるのは、大問ごとに分野が分かれている、ということではなく、分野横断的な複合問題の出題が見られるという点です。そのため、出題分野の偏りもこれまでのところ少なく、全ての範囲に対して万全の対策が必要になっているといえます。また、「科学的に探求すること」を重視した問題を作成するとされているため、観察や実験のデータを用いた考察問題が多く出題されることも特徴的です。
・時間配分について
大問は6つあります。問題によってはリード文や図・グラフなど読解し理解するべき情報が多く、問いに取り組めるようになるまでに時間を要するものもあるため、時間にはあまり余裕がありません。まずは問題全体を見渡して、解きやすい内容のものから順に取り組んでいきましょう。
・過去問について
生物の場合は、令和3年度の問題と令和4年度の問題との間で難易度にあまりにも差があり過ぎるため、どちらか一方を解くだけで済ませることはお勧めできません。実際に受験した年度の問題があったとしても必ず両方の問題に取り組んでみて、問題構成の特徴を把握するとともに「この間に挟まれた範囲で難易度が落ち着くはず」という感覚を掴みましょう。実施された年数がまだ少ないため、令和3年度の第2日程の問題にも取り組んでおくとよいでしょう。
過去のセンター試験の問題は、出題範囲は同じであっても試験で重視する内容が大きく異なっているためあまり参考にはならないでしょう。知識問題が多かったセンター試験の問題に慣れてしまうと、共通テストの問題はかなり解きづらく感じてしまうと思われます。ただ、センター試験の問題自体は良問が多いので、解いてみる場合は知識問題を避けて計算や考察を伴う問題だけを選んで解いてみましょう。
・当日のこころがけ
理科は2日目に実施される科目です。生物を含む理科②は、共通テストの中でも最後に受験する科目になります。そのため、それまでに受験した他科目の出来が悪くて落ち込んだり逆に気負ってしまったり、と気持ちの面での影響を受けることが多くあります。また、それまでの試験で蓄積した疲労から、試験中の集中を欠いてしまうこともあります。受け終わった科目については一旦脳裏から追い出して、理科は理科なりの「いつも通り」の手順を辿って淡々と取り組むことを意識して臨みましょう。もちろん、睡眠や食事など、疲労が身体に影響を与えないためのコンディション作りも大切なことですよ。
■12月の勉強のポイント・学習アドバイス
入試問題を解き続けていると、異なる大学であっても似た分野からの出題が続いて、解けるものが増えてきたような感覚になったりしませんか。確かに、短期間に同内容の問題を繰り返し解いていれば、その時はすぐに正答できる状態になるでしょう。でも、それは同時に、「しばらく触れていない内容がある」ということの裏返しでもあります。実際に、昨年度、受験終了後に改めて基礎内容を振り返った際に、忘れていた内容もたくさんあったはずです。一度立ち止まって、これまでに解いた問題の出題分野を見返して、手薄になっている分野がないかを確認しましょう。その上で忘れかけている知識や考え方を理解し覚え直して、改めて次の演習に取り組むようにしましょう。
国公立大学の受験を考えている場合は、12月後半に入った辺りから共通テスト対策に取り組み始めるとよいでしょう。利用できる過去問が少ない分、何度も解き直して取り組み方や時間配分の感覚を掴みましょう。
■まとめ
私立大学の出願のための準備も始まり、12月は本当に忙しくなる時期ですが、学習ペースを維持するとともに、体調管理を万全にして勝負の年を迎えましょう!
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