あなたが「医師になりたい」という夢を抱いたのはいつですか?
「医師になる」ためには、6年間、医学部で学んで卒業し、医師国家試験に合格する必要があります。
そして、臨床研修で実務経験を積むことになります。
京都医塾は大学受験のための予備校ですが、
「医学部に合格すること」はゴールではなく、あくまで通過点だと考えています。
じつは、京都医塾では、国公立志望/私立志望にかかわらず、国語の授業が年間通して設定されています。そこでは、1対1の面接・集団討論・小論文や志望理由書の書き方など各種対策を進めながら、さまざまな医療テーマに触れることになります。
・ 自分の頭で考え、それを他者に伝える。
・ 他者の意見を聴いて、自分の考えを深める。
そうして、「医師になる」という「決意」を固め、医学部に合格したあとの短くはない道のりを、前を向いて歩み続けられる力を身につけてもらっています。
このブログでは、実際に「医師になる」という夢を叶えて、医療現場でご活躍されている
全国のスーパードクターのみなさまにインタビューして、
・ 医師になったきっかけ
・ 現在のお仕事のやりがい
・ 医学部を目指す受験生へのメッセージ
について、お伺いしていきます。
受験生のみなさんが、医師として働くイメージを広げる一助となれば幸いです。
【 川上洋平医師 プロフィール 】
出身大学: 国立神戸大学医学部医学科・同大学院医学専攻科医科学(博士課程)修了(整形外科学)
勤務先 : かわかみ整形外科クリニック、神戸大学医学部特別研究員
診療科 : 整形外科・リウマチ科・リハビリテーション科
私立甲陽学院中学・高校では勉強に身が入らず学年最下位層に。浪人時代に“整理ノート”を活用した勉強法で徹底的に基礎を固め、神戸大学医学部に合格。
2020年「かわかみ整形外科クリニック」開設。
「名医のいる相談室」にもご出演中
https://www.youtube.com/channel/UCUxW5dvUs0y7sMELkpyRJHQ
「医師になる」と決意したのはいつ?
京都医塾)医師になりたいと思ったきっかけやエピソードについて教えてください。
川上先生(以下、川上))じつは、元々はマスコミ関係の仕事をしたいと考えていました。職場見学に行った際に現場を見せてもらい、それが楽しかったんです。そこからどうして医師を目指すようになったかと言うと、高校のときに仲の良かった友人のお父さんとの会話がきっかけです。(その方は、心臓血管外科医で、まさにスーパードクターでした。)
「将来的には心臓移植の手術ができるようになって心臓病の人を助けることができるようになる」など、当時の自分が全く知らなかった世界のお話を伺いました。
フランクな方だったので、お医者さんお医者さんしていないというか、高校生の自分にも分かりやすく、おもしろく、いろいろなことを話してくださったんですよね。
「もちろん、どんな仕事でもやりがいもあるし楽しいこともあるけれど、医師として働くことで、“自分が頑張った分だけ、自分も周りもハッピーになれる”。だから僕は24時間働くんだよ。」と仰っていました。
京都医塾)スーパードクターのお話を友人のお父さんという立場で聞けるなんて、すごいことですね!
川上)そこから自分なりに考えて「手に職を持つ」という意味でも医師を目指そうかなと考えて、学校の先生にも相談しました。僕は中高と私立甲陽学院に通っていました。今の校長先生が当時の僕の進路指導の担当だったのですが、最初は驚かれましたね。僕の場合、絶対に現役での合格は難しい成績だったので(笑)。 ただ、校風が自由なので、「どこでも行きたいところ(大学)に行けば」という感じで、受験校に関しても相談に乗ってもらいました。その先生の同級生が京都府立医科大学でドクターをされていたこともあり、京都府立医科大学も勧めてもらったことを覚えています。
京都医塾)学校の先生のリアクションや進路指導も大学選びに大きく影響すると思います。先生が応援してくださってよかったですね。
京都医塾にも中高一貫校に通う生徒さんがたくさんいらっしゃいます。中学・高校とどんな学生生活を送られましたか?
川上)たまたま仲の良かった友達に誘われて中学入試をして、合格できたのはよかったんですが、入学後が辛かったです。甲陽学院は、中学は厳しいんですよ。授業の進度も早く、ついていくのにアップアップでしたね。高校に入ると一変して自由な雰囲気になるため、友人と遊んでばっかりで、成績はうしろから数番という状態でした。化学の定期テストで4点を取ったこともありました(笑)
京都医塾)先生にもそんな時期があったんですね!
“中高一貫校での6年間、勉強へのモチベーションをどう保てばいいか“は、保護者さまより、よくご相談を受ける内容です。川上先生が、学年最下位層から国公立医学部に合格するまでの勉強方法が気になります。浪人されてからはどのように勉強されていましたか?
川上)現役時代はそんな状態だったので、浪人してほぼゼロから勉強を始めることになりました。一から勉強し直していたので、最初は予備校の授業にもついていけずに辛い日も多かったですね。死ぬ気で朝から晩まで勉強しました。2・3回間違えた問題は科目別に“整理ノート”をまとめて、それを徹底的に復習するようにしたところ、ようやく成績が上向き始めました。
京都医塾)“整理ノート”について詳しく教えてください!!!
川上)予備校の先生が「できない子ほど参考書をたくさん買う」と仰っていました。要は、“たくさん参考書を買っては、最初からやり直そうとする勉強“は無駄が多いんです。自分が解けなかった問題だけを“整理ノート”にまとめておけば、復習するときにはそれだけを徹底的にやればいい。テストの度にそれを見返すんです。付箋をつけておいて、解けるようになったら、付箋を取る。最終的に付箋がなくなればその科目で分からない問題はないということになりますよね。その“整理ノート”だけを見れば、自分の苦手なところが一目瞭然なんです。
京都医塾)なるほど!限られた時間の中でどれだけ学習効果を上げるかは受験勉強のポイントになってくるので、この方法だと無駄が少なくて効率的ですね!
川上)中学入試のときに教えてもらった勉強法なのですが、周りの賢い人たちも同じような方法で勉強していました。受験勉強の中で、かっこいいことをやりたがると言うか難しいことをやろうとする人も多いと思うんです。ただ、やっぱり基礎がものすごく大事なんだなっていうのを感じたので、このやり方はよかったですね。
正直、“できないところを全てやり直して徹底的に基礎を固める”浪人して最初の半年は、辛かったです。周りの人は難しいことをしているのに、自分だけこんな簡単な基礎ばかりやっていていいのかなっていう焦りもありました。
京都医塾)ただ、その時期を耐えて基礎を固めたからこそ、グッと成績が上がったんですよね。京都医塾でも「絶対基礎力」を重視したカリキュラムを組むため、同じように感じられている生徒さんは少なくないと思います。川上先生のご経験に勇気づけられると思います。
また、高卒生さんには、個人ブースに「ミスリスト」を貼るよう指導しています。自分の間違った問題を、いつでも見て確認できるようにしてミスを減らすことが目的なのですが、川上先生の整理ノートは「ミスリスト」をノートにまとめたような感じですね。生徒さんにも是非教えてあげたいです。
医師として働くということ
京都医塾)なぜ、整形外科で働きたいと考えられたのですか?
川上)大学5年の臨床研修で外科系(整形外科や一般外科)を考えてました。整形外科を回った際に、教授にヴィッセル神戸のチーム練習に連れて行っていただいたり、プロのスポーツ選手の診察を見学させてもらったりして、スポーツ整形外科に興味を持ったのものきっかけの一つです。
実際に研修医で働いてみて、痛くて歩けない患者様が人工関節手術で歩けるようになる姿を見たり、外傷の救急治療を見たりして、自分も同じ環境で働きたいと感じました。
また、整形外科の先輩は留学経験が豊富で、楽しく頼りになる先輩が多かったことも魅力でした。実際に、僕自身もスポーツ整形で世界一のアメリカのピッツバーグ大学に留学の機会を与えていただき、非常に学びが多かったです。
京都医塾)現在のお仕事内容を教えてください。
川上)整形外科クリニックの外来、関連施設で手術、外来、当直、研究などを行っています。
京都医塾)医師として働くやりがいを感じられるのはどんなときですか?
川上)手術やリハビリで患者様が笑顔で退院されたり、スポーツ選手がケガから復帰できたときはすごく嬉しいですね。
医師という職業は、病気や怪我という一番辛くて苦しくて不安な時に、共に闘い、助けられる存在で、「ありがとうございます」と感謝されるすごくやりがいのある仕事だと思います。
医学部を目指す受験生のみなさんへ
京都医塾)医師に必要な素質は何だと思われますか?
川上)まずは病気や怪我で苦しむ患者様に寄り添える心があること。誠実さ、粘り強さも必要だと思います。医療現場で医師1人だけでは何もできません。看護師やその他の医療に携わるスタッフと協力して、みんなで患者さんを治すことになるので、特にリーダーシップや協調性はとても大切な素質です。
京都医塾)これから医学部を目指す受験生に応援メッセージをお願いします!
川上)「自分に医師は無理かな」とか「自分の能力では無理だろう」って思っている人も、目指す価値がある職業なので、初志貫徹で諦めずに努力を続けてください。
僕はアメリカで再生医療の研究を行っていましたが、その際にうまくいかないことなどもたくさんありました。受験期に身につけた「苦労を乗り越えられる力」が、そういった挫折を乗り越えられるかどうかにつながったと感じます。
また、受験というしんどいことを一人で乗り越えるのは難しいので、友人や先生などとの出会いを大切にしてください。
京都医塾さんもそうだと思いますが、僕も浪人のときに医学部コースに通っていたので、同じように医師になりたい人が集まっていたこともあり、いい意味でライバル、共に戦える仲間ができました。医師の世界は狭く、医師になってから改めて出会うこともあります。僕も浪人時代の友人とは今も仲がいいですし、困ったときに助け合うこともできるので、今の周りの人たちとの関係を大事にしてほしいと思います。
おわりに
この記事を読んだら、徹底的に基礎を固める“整理ノート”、是非試してみてください!
特に医学部受験の場合、苦手をなくす効率の良い勉強方法を確立することは必須。
志望校に関わらず、小中高どの学年でも取り入れることのできる本当にオススメの勉強方法です。
川上先生の経験を参考に、医学部合格を目指していきましょう!
医師になりたいけど、「何をしたら良いかわからない」「勉強方法について相談したい」等ありましたら、下記リンクからお気軽にお問い合わせください。