こんにちは、京都医塾英語科の武田迪信です。
理解度を測る質問とは
今日は「先生側から見た“生徒が理解できているか、できていないか”を一瞬で判別できる質問」について書きたいと思います。
察しのいい読者の方はもう勘づいているかと思います。その質問は一言、「分かった?」と聞くだけです。この質問、出来れば相手に考える時間を与えずに聞いた方が、より精度が上がります。
当然、生徒さんによっては、顔色に出すタイプもいれば、素直に「分からないです」と答えてくれる生徒さんもいるので、そういった場合は、もう一度説明し直します。
「分かる」とはどういうことか
このケースで一番危ないのは、”即答で”「分かりました」と答える子です。
本来、「相手の言う内容を”本当に”分かる」ということは、多少なりとも時間がかかるものであるはずです。お互い、これまでの生活環境が違えば、用いる言葉遣い、また言葉の解釈も異なるわけで、そんなにすぐに相手の伝えている内容を、相手の意図通りに汲み取ることは容易ではないからです。
また、この「分かった?」という質問自体も、非常に意地悪な質問であります。なぜなら、どのレベルで「分かっている」なのか、相手の判断にゆだねているからです。
つまり、”即答で”「分かった」という生徒さんは、
①こちらが伝えている内容を、自分の中で咀嚼していない可能性が高く、
②こちらの意図など考えず、あくまで表面的に「分かっている」状態であり、
結論、「今までの話をとりあえず聞いていました!!」と白状しているようなものなのです。
そんな生徒さんには、「じゃあもう一回今説明したことを話してみて?」とお願いしています。まあ、その結果は推して知るべしですね。
ですから、学生の皆さんは、「分かった?」の質問に、絶対「分かりました」と即答してはいけません。それは「分かっていない」ことを白状することになりますし、また自分ではそれが分かった気になってしまうからです。今回、一番伝えたかったのはこの部分です。つまり、自分が分かったと答えた以上、その内容は分かったものとして脳内で自己暗示をかけてしまっているのです。
もう一度言います。本来、「相手の言う内容を”本当に”分かる」ということは、多少なりとも時間がかかるものです。必ず、一度自分の中で考え直してから答える、また分からないことがあれば、恥ずかしがらずに相手に質問する、という姿勢を身につけてほしいです。
ちなみに、今回のこの質問の仕方、またこの質問に対する答え方、日常生活でも利用できる(悪く言えば悪用できる)やり方です。ですが、これは受験において学ぶべきことではないですし、ここでは書きません。大人になってから自分で勉強しましょう。