京都医塾英語科です。
本格的に寒くなってきましたね。現役生の皆さんは学校行事もひと段落し、最後の模試も終わるなど、「受験がいよいよ近づいてきた」という実感がいよいよわいてくるときだと思います。コロナに加えてインフルエンザも流行する季節になってきましたので、皆さん体調管理には十分注意を払って下さい。
今月は、
・赤本(過去問)はいつから手を付け始めるべきか
というテーマでお届けします!
目次
■赤本(過去問)はいつから手を付け始めるべきか
「今すぐ手を付けなさい」が私のアドバイスです。そもそも4月や5月の段階でも志望校の過去問は一度くらい解いてみて、いったいどんな問題形式で、現状の力でどのくらい戦えるのか、それとも全く歯が立たない状態なのか見ておくべきです。ですから、11月になった今は当然過去問を見ておかなければなりません。
といったことを先月書きましたが、今回は生徒さんからよく出る質問にお答えするかたちでさらに詳しくお話させていただこうと思います。
・過去問って何年分解けばいいですか?
よく生徒さんや保護者様から聞かれる質問がこれです。確かに悩ましいところですよね。赤本を一冊解き切ったら「過去問対策はバッチリだぜ」とか「すごく勉強した!」という実感を得られるでしょうし、それは受験本番において大きな自信につながりそうです。その一方で、「どう考えても合格点に達してないのに解くことに意味があるのだろうか?」とか、先生によっては「赤本だけ解いてても無意味だよ」というアドバイスをする方もいらっしゃるでしょうから、「赤本解いても意味ないかな…」という不安も出てきますよね。
で、結局何年解けばいいのか?という質問に対する答えですが、私なら「何年分やればいい、という明確な答えはない」と答えます。うん、ずるい答えですよね。皆さんが求めているのは、そんな答えじゃないですよね。「最低5年分」とか、「1年分でいい」とか明確な数字が聞きたいことは分かっています。しかし、この質問はかなり人によって異なる要素があり、一般論として「~年分解けばいい」ということは言えないと思います。とはいえ、それではあまりにも不親切なアドバイスですから、もう少しだけ具体的に説明しましょう。
① 過去問を解いて合格最低点の半分も点が取れない人
この人たちは赤本を解いている場合ではありません。志望校のレベルに対して明らかに基礎力が足りていませんから、語彙・文法・構文などあらゆるレベルで基礎学習に力を入れるべきです。あるいは、赤本を解くにしても制限時間内に解く意味はありませんから、例えば長文問題ならじっくり時間をかけて解くとか、分からない単語が出てきたら辞書で調べながら読み進めるとか、しっかり理解し、どうやったら解けるのかをいちいち確認しながら解かないと力はつかないでしょう。ですから、このカテゴリーに当てはまる受験生諸君は、「赤本を~年分解く」というレベルではありません。まずは最低点の5~6割くらいは取れるところまで基礎力を上げることに重きを置いて下さい。
② 過去問を解いて合格最低点の6~8割くらいは取れる人
この人たちは赤本を数多く解くことが力になる可能性が高いと思います。もちろん最低点に届いていないということは基礎的な学力が不足しているということですから、語彙・文法などの基礎学習は継続する必要があるでしょう。ただ、それと同時に、長文の長さに慣れたり、蓄えた知識をアウトプットする訓練をするなど、「量」をこなすことでしか鍛えられない部分を訓練することがプラスの効果になるのがこのレベルの受験生です。ですから、アドバイスとしては「できるだけたくさん過去問を解こう」というのがアドバイスになります。もちろん、「解きっぱなし」では意味がないですから、どこを間違えたのか、なぜ間違えたのかをしっかり復習する時間は絶対必要ですが、それも含めて量をこなすことを目指してみて下さい。
③ 過去問を解いて既に最低点以上の点が取れる人
普通に考えてあまりこんな生徒さんはいないと思いますが、もし英語が得意で「最低点は十分クリアできている」などということがあれば、さらに高いレベルの英語の問題に取り組んでみることをおすすめします。例えば中堅私立大学を目指しているなら、早稲田・慶應や関関同立の英語を解いてみるといった感じですね。あるいは、英語以外の科目に時間を割いてもいいかもしれません。ですから、このレベルの受験生には「志望校の赤本はそんなに解かなくてもいい」がアドバイスになります。ただ、現時点で合格点以上取れていても、油断はしないで下さい。英語は勉強しなくなるとすぐ知識が抜ける科目です。しっかり基礎学習は継続し、さらにレベルが高い学習を続けることは必須です。
・赤本のおすすめの使い方を教えて下さい
「おすすめの使い方って何ですか?過去問は解けばいいんでしょ?」という声もありそうですが、赤本にはちゃんと使い方があります。または、「これはやっちゃ駄目」という使い方があるので、それをお伝えしましょう。
① まず赤本を開けて解きましょう
はい、当たり前のことです。でも、「買って満足」してしまい、なかなか赤本を開けない、解かないという人はいるのではないでしょうか?だって、過去問解くのってめんどくさそうじゃないですか?実際やってみて全然分からなかったらやる気なくしませんか?そもそも赤本解くのって結構勇気いりませんか?だって点が取れなかったらショックでしょ?というわけで、買って机に置いてあるだけという受験生は一定量いそうな気がするんですけどね。もちろん駄目です。とりあえず解きましょう。点が悪くても仕方ないじゃないですか。まずは現実を直視しましょう。もし現実を直視する勇気がないなら志望校合格はあきらめて下さい。
② 制限時間をしっかり守りましょう。
英語の問題は60~90分くらいの制限時間になっていることが多いと思います(もちろんもっと長い場合もあるでしょうが)。大事なことはこの制限時間を守って解いてみることです。そして解いている間に休憩を入れたりスマホをチェックしたりしないで下さい。試験は制限時間内で得点を最大化するゲームです。ですから、制限時間をしっかり守らないと、そもそもこのゲームに参加できていないことと同じですよ。
③ 解きっぱなしにしない
一番大事なのはここです。生徒さんで多いのが、「過去問を解いて点が出て一喜一憂して終わる」というパターンです。これが赤本を解くうえで一番しては駄目なことです。受験本番はまだ先です(そんな先でもないですが…)。特に現役生の皆さんはまだまだ力をつけないといけません。ですから、赤本を解いて間違えたところを確認し、どんな知識が不足していたのか、なぜ解けなかったのかを考えることは力を伸ばすために最も重要な部分なのです。さらに言うと、「間違えたところ」だけではなく、「たまたま合っていたところ」もしっかり見直さなければなりません。あるいは、長文の中で理解できなかったところを読み直してみるなど、解いて点を出した後こそが重要なのです。こういった復習をするつもりがないなら、そもそも赤本を解く意味もないと思って下さい。
■11月の勉強のポイント・学習アドバイス
今回はブログのテーマ的に「赤本は何年分解くべき?」をテーマに話しました。実際には個人差がある話なので、結構難しいテーマです。ぜひ、身近にいる英語の先生とも相談しながら赤本を活用することをおすすめします。そしてしつこいですが、基礎事項の学習は継続して下さい。基礎的な知識があってはじめて入試問題が解けるのです。それが11月の学習アドバイスです。
■まとめ
11月の現役生向けアドバイス記事、いかがだったでしょうか?今回の記事が少しでも皆さんの参考になれば幸いです!
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