こんにちは、京都医塾英語科の江島と申します。普段は円町校という校舎で指導させてもらっています。この記事を書いている頃には、共通テスト本番まであと40日あまりといったところでしょうか。日に日に現実味を帯びていく「決戦の日」に向けて、ソワソワしながらも一瞬一秒を惜しんで実力アップに励んでいることだと思います。そんな皆様の助けに少しでもなりたい!という思いから、今月は、、、
【大学共通テストの取り組み方】
というタイトルでお送りしたいと思います。
共通テスト
出題範囲について
ざっくり申しますと、高校で学習する全範囲からの出題となります。ご存じの方も多いでしょうが、独立した文法問題の出題はなく、すべて読解問題となっています。ちなみに昨年度の本試(リーディング)では、以下のような問題が出題されておりました。
第1問
A:ビジュアル(写真や絵など)読み取り問題
B:ウェブサイトの記事読み取り問題
第2問
A:広告・記事読み取り問題(opinionとfactについても問われる)
B:英字新聞記事読み取り問題(opinionとfactについても問われる)
第3問
A:ブログ記事読み取り問題
B:雑誌の掲載文読み取り問題
第4問:生活用品購入について複数人の投稿記事をまとめる問題
第5問:偉人についてプレゼンテーション素材を作成する問題
第6問
A:記事を読み取りまとめノートを作る問題
B:評論文を読み取りポスターを作成する問題
容赦なく、「読解力」と「情報まとめ能力」が問われる問題構成になっています。
時間配分について
目標解答時間は以下のように設定し、演習にあたるように普段は指導しております。
第1問:A問題2分 B問題5分(計7分)
第2問:A・Bともに7分(計14分)
第3問:A問題2分 B問題5分(計7分)
第4問:14分
第5問:14分
第6問:A・Bともに12分(計24分)
80分きっちりで時間配分をしております。本当に時間制約の厳しい試験なので、余裕を持たせて時間配分をしないほうがいいと思います。この時間配分をもとに、ご自身で細かな調整をしていただくのがいいと思います。全員が全員、同じ時間配分でしっくりくることはないと思うので、ご自身で考えてもらうことが大事です。演習においては、「目標解答時間内に終わらせる」ことを重視してください。目標時間をしっかりと身にしみ込ませるためです。この練習が何よりも大切だと思います。
リスニングについては、時間配分は特にありませんので、ここでは割愛いたします。
過去問について
まずはリーディングから。過去のセンター試験につきましては、第1問、第2問に関してはほとんど参考にならないと思うので、解く必要はありません。ですが、同じ大学入試センターが作成している試験だから「出題意図が全く違う」ということはないと私は考えています。例えば2018年度以降にはなりますが、第3問C(あるトピックについて発言者の意見をまとめる問題)は練習として使えると思います。特に最後の問題は、「発言者全員の意見のまとめ」となっているので、複数の意見をまとめるような問題の練習には最適だと思います。
また、第4問や第6問において、正解となる選択肢は「本文の言い換え」が絶妙にきいています。「どのくらい言い換えたものが正解になるのか」を肌で感じて、身に馴染ませておくのも大切です。共通テストの形式に合わせた「模試」では、この辺りの作りが雑になっているので(たまに「うまい」言い換えもありますが)、共通テストに必要な「言い換え能力」が正しく育まれないと思います。地の英語力はもちろん大切ですが、現役生は、こういった部分の練習が意外に足りていないと思うので、共通テスト入門として、センター試験の過去問を解くことは有意義であると思います。
リスニングについては、旧来のセンター試験よりも難易度が上がっているので、センター試験の問題が難しいと感じている間は、共通テストの問題は「かなり難しい」と感じるでしょう。しかし、リスニング問題の対策として、音声を聞きなれることと同じくらい重要なのが、「空き時間で問題の先読みをしておくこと」です。リスニングに不安を抱えている生徒さんは、まずはセンター試験の問題から演習を始めて、センター試験は「まあまあ簡単だ」と思えるようになるくらい訓練を積んでください。音声スピードは、センター試験も共通テストも大きな変わりはありませんので、センター試験のスピードに慣れてくれば、速度的には問題ないでしょう。あわせて、問題の先読み技術を磨いてください。
ここまでセンター試験についての説明が大半でしたが、リーディングにしてもリスニングにしても、共通テストの過去問は当然のこと必ず全部解いてください。余裕がある人は追試にも手を出してみるといいです。
当日のこころがけ
私からアドバイスさせていただけることは大きく2つです。
1つ目は、「昨年度と同じ形式の問題は出ないものだと思っておくこと」です。ここ2年分だけの傾向ではありますが、「形式に慣れて当てはめることは、あまり意味をなさない」ということはわかっています。前年度の形ばかりに慣れて、その対策だけしていると、本番で形が変わった時にあたふたする確率が高くなります。当日問題の形式が変わっても「まあそんなこともあるよね」と一度落ち着く時間を確保してから、問題にとりかかってください。
2つ目は「目慣らし用の英文を何か持っていく」ことです。先述の通り、共通テストは読解問題のオンパレードです。だから試験開始の時点で「ある程度身体が温まっている」ことが望ましいです。そのウォーミングアップのために、試験開始時間までに読んでおく英文を用意しておくことをおススメします。
12月の勉強のポイント・学習アドバイス
リーディングに関しては、「時間配分に慣れる」、「言い換えの幅に慣れる」、「消去法を駆使する」の3点を重点的に練習するといいでしょう。もちろん語彙力や基礎文法力を鍛えることは当然のように継続してください。
リスニングに関しては、リスニングに自信のない生徒さんは、センター試験から演習をスタートして、過去問のところで挙げたようなポイントを意識して、12月20日前後くらいまでは続けてください。それからは、共通テスト形式の模試あるいは過去問を通して、設問や音声の長さに対応していくように訓練を積んでください。
まとめ
意識すべきところは意識して、訓練を続ければ共通テストの得点は必ずアップします。以上を参考に、本番でみなさんが望む結果が生まれることを祈念しております。頑張ってください。
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