医学部専門予備校京都医塾です。
以下では、金沢医科大学2次試験について、ご紹介したいと思います。
金沢医科大学の小論文について
制限字数:200字以内×2
制限時間:60分
形式 : 課題文型小論文(要約を含む)
2019年までは課題文を読み300字以内で要約するという問題でしたが、2020年より傾向が変わり、課題文の要約とそれについての意見をそれぞれ200字で書くという形式になりました。
2020年は前期、後期ともに問1で本文を要約させたのち、問2では「本文の要旨をふまえて、あなたの考えを書きなさい」という形の問題でした。
2021年も2020年とほぼ同様でしたが、グラフの読み取りが導入され、問2は「本文の要旨をふまえて、グラフや図を表す事象がなぜ生じたと考えられるか」という形でした。本文の趣旨の把握と、グラフの読み取りの両方が必要とされたことで、苦戦した受験生が多かったかもしれません。
ただ、2021年の出題は、新型コロナ流行を背景に、名著として名高い山本太郎先生の『感染症と人類』から出題されたもので(同著は同年の福岡大でも出題されました)、当年だけの特殊事情なのかも知れません。
金沢医科大学のグループ討論について
時間:20分程度
形式 :グループ討論(受験生:3~6人 面接官:3人)
グループ討論では、自分の意見を押し通すのではなく、周りの意見を聴く姿勢を示すことが大切です。周りの意見を受けて、自分の意見を述べるといいでしょう。このとき、とんちんかんなことを話したり、黙り込んだりして、会話の流れを切ることがないように気をつけましょう。
「入学者選抜要項」の2ページを見ると、「グループ討論」で求められる学生像として、以下が該当するとされています。
「周囲に対する協調性や思いやりの心をもち、あらゆる面で自己啓発を怠らない人 」
つまり、自身の意見を主張して目立とうとしたり、相手の意見を否定したりしてはいけないということです。すべての人が発言しやすいように配慮し、コミュニケーションを促すことを目標にしましょう。
また、面接官は討論に一切参加して来ないので、注意が必要です。最悪の場合、沈黙が何分も続き、そのままグループ討論が終了ということもありえます。( グループ討論はビデオで録画されるが、気にしないように。)
グループ討論の流れ
1.同席した受験生全員が別室で同じテーマの文章を9分間読む。
2.メモ用紙に文章の内容や話し合いたいテーマについてメモをとり、討論会場に移動
3.会場の各自の席には文章に関する質問の書かれた紙が置かれている。面接官の指示に従って、質問の答えを2分考えたのち、順番に発表。
4.さらに、話し合いたい内容を1分で発表。
5.受験生全員の発表が終わったところで、討論が開始される。
過去に出題されたグループ討論のテーマ
~医療・社会問題に関するもの~
・医師不足
⇒医学部の入試では定番ともいえるテーマです。事前に知識があると非常に話しやすくなるはずです。
・がん告知の是非
⇒告知をするか、しないかで個々人の意見が割れて、悪い意味で討論になってしまったグループがあったかもしれません。しかし、知識があれば……
・安楽死と尊厳死
⇒京都で起きたALS患者嘱託殺人で話題になりましたが、これも個々人の意見がわれてしまうかもしれません。しかし、これも知識がものをいうテーマでした。
~その他~
・地球温暖化
⇒テレビからその言葉を聞かない日は無いというくらいで、もはや一般常識と言ってもいいくらいかもしれません。地球温暖化の原因と結果、その解決策……これらは正しく言えないといけませんね。
・人口増加と飢餓
⇒これらは医療問題とからめてもいいかもしれません。南北問題などにからめて話せたら面白いかもしれませんね。私なら、「富の再分配」の話につなげるかもしれません。
金沢医科大学2次試験のポイント
・小論文では、まず要約が書けないと話になりません。そのためにも文章を正確に読む必要があります。このとき、課題文全体を均等に圧縮する必要はありません。あくまでも、筆者の意見(要旨)を中心に文章をまとめましょう。
・討論後にはアンケートがあり、大学について知っていることや、大学の魅力、併願校などを書く。
・小論文60点、面接・調査書110点と、1次試験の英数理350点は、偏差値換算した上で配点に応じて加重平均され、合否判定に用いられます。小論文、面接・調査書のウエイトは高く、合否を左右し得るため、確実に、小論文、面接の対策をすることが大切です。
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