医学部専門予備校京都医塾です。
以下では、関西医科大学医学部入試の小論文・面接試験(一般A方式)について、ご紹介したいと思います。
目次
関西医科大学の小論文について
・関西医科大学医学部の入試では、1次試験で小論文が課されます(2次試験での小論文の実施はありません)。
・小論文で医師としての適性がないと判断された場合、不合格となります。
制限字数:500字以内
制限時間:45分
形式 :テーマ型小論文
主に医療に関するテーマについて意見を述べます。最新の2年間は必ずしも医療に直結するテーマとは言えませんが、医学部小論文に必要な基礎的な医療知識を整理しておけば医学・医療面からのアプローチも十分可能です(インフォームド・コンセント、地域医療、地域包括ケア、チーム医療、セカンドオピニオン、ドクター・ショッピング、終末期医療、緩和ケア、人生会議、ワクチン、再生医療、医師の偏在などの用語の意味は知っておきましょう)。
また、45分500字は、それほど厳しいの字数ではありませんが、その分、内容の吟味をしっかり行いましょう。過去問や一般的な医療テーマについて、本番を想定した論述演習(時間を計る、方眼紙に手書きで書くetc..,)をしておく必要があるでしょう。
過去の出題例
2021年
「イギリスのEUからの脱退について、若者や学生に離脱に反対の意見が多い理由について、あなたの考えを述べなさい。」(グラフ・図あり)
⇒EUやBrexitについての基本的な知識があればよいですが、知識が全くない状態で課題文を読み取り、一から若者や学生の反対理由を推測し、更に自分の意見を述べるのは難易度が高いでしょう。知識量で点数に差が付く問題であり、社会問題に関心を持っている受験生を評価したいという意図が窺えます。
今後、こうした社会への関心を見るような出題が定着するかどうかは不明ですが、京都医塾で毎週配っている『社説集』のような信憑性の高い媒体に目を通しておくのが良いでしょう。
2020年
「以下の言葉について、あなたの考えを述べなさい。~わたしは失敗したのではない。うまくいかない1万通りの方法を発見したのだ~」
⇒「あなたの考えを述べなさい」と言われていますが、個人的な考えを書くわけではありません。医学部の入試なのですから、「医師として相応しい」考えを述べるということを意識しましょう。
2019年
「将来、臨床医を志す者として、「医学生も同年齢の『普通の』学生と同じように振る舞い、同じ気持ちになれれば、多くの患者さんと同じ気持ちにたてる」という考え方と、「医学生には同年齢の人々とは異なる行動や考え方が求められる」という、相反する考え方がある。あなたの考えを述べなさい。」
⇒受験生にありがちな間違いは、2つの意見の片方に全面的に賛成し、もう一方をこきおろすというものです。2つの意見の片方が完全に正しくてそうではなく、穏健な内容を書くことを心がけましょう。
2018年
「手術をすれば完治できる可能性が60%ほどあるが、患者さんは超高齢でリスクは30%ほどある。あなたが医師であれば、手術と緩和医療のどちらを勧めますか。あなたの考えを述べなさい。」
⇒受験生が書きがちな答案は、「私は手術を勧める。なぜなら、~だからだ。」・「私は緩和医療を勧める。なぜなら~からだ。」というものではないでようか。別にこの答案が間違っているわけではありません。でも、この答案は一番肝心なことが抜け落ちている可能性が高いのです。そのままでは、医療の押し売りになるような答案を書いてはいませんか?
2017年
「健康寿命について述べよ」
⇒これは知識問題ですね。健康寿命の定義を正しく理解していて、その周辺の情報を知っていますか、というだけの問題です。
関西医科大学の面接について
面接時間:10~15分程度
形式 :個人面接(受験生:1人 面接官:3人)
過去の質問例
・併願校について
→他に併願校がある場合は、正直に「ある」と答えて構いません。
・外科と内科のどちらに向いているか
・理想の医師に近づくためには、何が必要か。
・研究についてどう思うか
→ どこの大学でも聞かれる可能性のある質問です。オーソドックスな質問への解答はあらかじめ準備しておきましょう。また医療を取り巻く現状や基礎的な医療単語の知識はしっかりと身につけておきましょう。余裕があれば時事ネタも知っておきたいところです(京都医塾の生徒は皆、毎週発行される『社説集』に目を通し、時事問題に日々触れています)。
・なぜ関西医科大学を志望したのか
→大学の特徴や建学の精神、教育理念、カリキュラムなどしっかりと調べ、それを自身の医師志望理由と具体的に関連付けるようにしましょう。せっかく1次合格を出してくれた大学なのによく調べずに受験する受験生がいますが、罰当たりな話です。
関西医科大学2次試験のポイント
・面接では、コミュニケーションがしっかりとれるか、思想に偏りがないかどうか をチェックしている。
・面接や小論文で医師としての適性がないと判断された場合、不合格となる。
・合格者は1次試験の結果のみで順位をつけるので、2次試験での挽回できるわけではない。
医学部専門予備校京都医塾でも、「前期2次試験対策」(1回90分)を承っています。
どうぞご利用ください。