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【8月 数学編】医学部合格に向けた学習アドバイス【浪人生向け】

【8月 数学編】医学部合格に向けた学習アドバイス【浪人生向け】

京都医塾数学科です。

あせらずに、
きぼうを持って、
らくな気持ちで、
めげずに、
ずっと勉強していますか?

さすがに焦ってきている受験生がほとんどだと思いますが、焦っても最高のパフォーマンスは発揮できません。できないことが見つかれば、チャンスです。できないことができるようになれば成績が上がると思って、1つ1つの壁をこえていきましょう。

さてさて、今月は……

 ・ベクトルの徹底解説
 ・8月の勉強のポイント

について、お届けします。

ベクトルの徹底解説!!

「苦手分野を克服するのは今しかない!」ということで、多くの受験生が苦手とする分野の1つである「ベクトル」についてお話させていただきます。

①ベクトルの基本

「ベクトル量は、大きさと向きを持つ量」だと、はじめに習いますが、このことは置いておきましょう。まずは「図形問題を数式処理で機械的に解ける便利グッズ」がベクトルだと思いましょう。ということは、極端な話、図を描かなくても解けることが多いということです。ベクトルが苦手な受験生の多く(しかも、そのほとんどが図形も苦手です。)に、この認識がなく、「図形が苦手だから、ベクトルもできない」「何をすればいいか分からない」「公式は覚えているが、使えない」という状態になってしまっています。

➁つまづきやすいポイント

多くの受験生がぶち当たる壁が、2直線の交点や、直線と平面の交点のベクトルを求める「交点の位置ベクトル」の問題だと思います。公式は覚えているが、使えなかったり、変に図形的な処理をしようとし、何をすればいいか分からなくなったりする受験生が多いです。

③苦手を克服する鍵は、「共線条件・共面条件を機械的に使おう」です。

たとえば、

△ABCにおいて,辺OAを1:2に内分する点をD,辺OBを3:1に内分する点をEとする。線分BEと線分DCの交点をPとするとき,\(\overrightarrow{\mathrm{AP}}\)を\(\overrightarrow{\mathrm{AB}}\),\(\overrightarrow{\mathrm{AC}}\)を用いて表せ。

このような問題を解く場合……
共線条件を使って、\(\overrightarrow{\mathrm{AP}}\)を\(\overrightarrow{\mathrm{AB}}\),\(\overrightarrow{\mathrm{AC}}\)で表した式を2本つくりましょう。この作業を機械的にできるようになることが理想です。練習あるのみです。
まずは「点Pは線分BEと線分DCの交点」を「点Pは線分BE上かつ線分DC上」と言い換えましょう。
次に「共線条件」の出番です。そして、ここが1番のポイントで、機械的に立式できるように練習しましょう。

点Pが線分BE上にあるから
   \(\overrightarrow{\mathrm{AP}}=(1-t)\overrightarrow{\mathrm{AB}}+t\overrightarrow{\mathrm{AE}}\)
     \(=(1-t)\overrightarrow{\mathrm{AB}}+\frac{3}{4}t\overrightarrow{\mathrm{AC}}\)

点Pが線分DC上にあるから
   \(\overrightarrow{\mathrm{AP}}=(1-s)\overrightarrow{\mathrm{AD}}+s\overrightarrow{\mathrm{AC}}\)
     \(=\frac{1}{3}(1-s)\overrightarrow{\mathrm{AB}}+s\overrightarrow{\mathrm{AC}}\)

最後に、\(\overrightarrow{\mathrm{AB}}\),\(\overrightarrow{\mathrm{AC}}\)の係数をそれぞれ比較してできる\(s\),\(t\)の連立方程式を解き、\(s\),\(t\)の値を求めれば、\(\overrightarrow{\mathrm{AP}}\)が求まります。

本当にベクトルが苦手な受験生は、この作業を繰り返し練習することをおススメします。是非一度挑戦してみてください。

8月の勉強のポイント(8月にすること)

8月も基礎固めの時期です。7月の学習内容に引き続き、以下の分野の学習を進めましょう。

【数学ⅠAⅡBについて】

『データの分析』(数学Ⅰの第5章)
まずは四分位数や分散、相関係数などの公式を覚え、数値計算で正確に値を求められるようになりましょう。
また、共通テスト受験者は、グラフや表の読み取りが素早くできるように訓練する必要があります。そのため、共通テスト用の問題集を1冊購入し、繰り返し練習しましょう。

【数学Ⅲについて】

『複素数平面』(数学Ⅲの第2章)
今までに学習した「三角関数」や「ベクトル」などの内容を必ず使うため、つまずいた際はこれらの単元の復習を行いましょう。

これで、数学の学習が一通り終了し、9月からは8月までに学習した内容をもう一度問題演習をし、理解を深めていくことになります。

最後に

冒頭にも書きましたが、焦っても本当に仕方ないです。「えっ!?まだ基礎固めなの!?」と思うかもしれませんが、まだ基礎固めです。合格するまで基礎固めはずっと行い続けなけれいけません。たとえ過去問演習を始めても、基礎まで戻って復習しなければいけません。みなさんも、新しいことや難しいことばかりしないように気をつけてください。

投稿者:西浦 洋介

  • 役職
    数学科講師
  • 講師歴・勤務歴
    22年
  • 出身大学
    同志社大学工学部
  • 特技・資格
    ガンプラ
  • 趣味
    ガンプラ、漫画、テレビ
  • 出身地
    京都府
  • お勧めの本
    NARUTO、アオアシ、怪獣8号などなどいっぱい

受験生への一言
基礎を疎かにせず