こんにちは。化学科 森岡です。
皆さん、次のような経験はありませんか?
・勉強をしなければダメだと分かっているのになかなか手が付けられない
・何とか勉強し始めてもすぐに手が止まってしまい集中力が維持できない
・目標を決め期限を区切って計画を立ててもその通りに進められない
等々、誰もが持つこれらの悩みに対する1つの解決策を、私の塾講師経験を踏まえてお伝えします。
多分に主観的な内容を含むので誰にでも通用する方法ではありませんが、勉強に対する様々な考え方の1つと捉えていただき、もし使えそうな部分が少しでもあれば参考にしてもらえると嬉しいです。
記事の内容は以下の3点です。
1.勉強を始めてもすぐに手が止まってしまう人へ
2.継続して勉強する方法
3.一番伝えたい事
では順番にいきましょう。
勉強を始めてもすぐに手が止まってしまう人へ
まず大前提として、人はいかに合理的な事柄であってもその通りには行動できない動物であるということを自覚する必要があります。世の中に禁煙、禁酒、ダイエットといった、明らかに実行した方が良いことが溢れているにも関わらず、皆それに挑戦し挫折し、また再挑戦し諦め…を繰り返しています。(ちなみに、私自身もダイエットをしましたが少しリバウンドし、また頑張っている最中です)。つまり、何かを頑張り続けるには、合理的かどうかではない、別の観点からの解決策も必要ということになります。では本題です。
勉強を始める時に最も大変なのはそもそも「始める事」です。ではなぜこれが大変かと言うと、勉強をしていない安定(=楽)な状態から、勉強をしている不安定(=嫌)な状態へ1歩踏み出さなければならないからです。この1歩には大きなエネルギーを要します。これは何も勉強に限ったことではありません。例えば「歩く」という行為もまさにそうで、瞬間的には1本足になっている時間があり、不安定を伴っています。しかし逆に言うと、歩くためにはこの不安定を乗り越えなければならないし、もっと言うと不安定だからこそ前に進めるというのも事実です。。
勉強に取り掛かるために最も意識すべきは、常に心が「続ける」と「やめる」の間を行ったり来たりしているということです。これは目的地まで行きたい時に「歩く」と「立ち止まる」の選択を迫られているようなものです。
そこで第1に、今後は勉強を「サボりたいな」と思った時には、踏み出した足で前に進むのか、それとも元の位置に足を戻すのかという気持ちになってみて下さい。大きいなエネルギーを使ってせっかく踏み出したその足を、本当に元の位置に戻してもいいのか、真剣に考えてみて下さい。そして第2に、やめたくてしょうがない気持ちを「やっぱり自分はダメなヤツだ」と感じるのではなく、むしろ「前に進むために不安定になっているのは当たり前だ」と捉えて、その気持ちのモヤモヤをしっかりと味わってみて下さい。この感覚は前に進もうとしている人にしか味わえない気持ちです。この2つをはっきり自覚出来れば、「もう少し頑張ってみようかな」という気持ちを、今までよりも維持しやすくなりますよ。はっきり言ってただの精神論ですが、自覚出来ているかどうかで確実に差がつくと思っています。
継続して勉強する方法
次に、勉強をある程度進められるようになったらその勉強を長期間にわたって継続させなければなりません。その際に有効な手段は、「最初は積み上げ方式で」「途中からはカウントダウン方式で」がお勧めです。
例えば夏休み中に重要問題集のA問題を1日2問、計80問解こうと計画したとします。最初は解いた数を、グラフ等に記録していくと日々の達成感を味わえます。(最近は日々の習慣を記録するアプリもありますね)。しかしこの方法には大きな弱点があります。それはある程度進めると大きくなった達成感が満足感に変わってしまい、そして「まあ少しくらいならサボってもいいか」という気持ちを生み、いつしか計画が自然消滅してしまうことです。(私も目標体重に達していないのに「7キロ瘦せた」という事実に満足してしまい、見事にリバウンドしました…)
これを解決するためには、「途中からはカウントダウン」方式に変えることをお勧めします。先の例ならば、「55問解いた」ではなく「あと25問で終わる」と捉え、徐々に数が減っていく事を楽しみましょう。これまで解いてきた問題数という過去を見るのではなく、あと何問で終わるという未来を見ることで、目標を達成する意識を保つことが出来ますよ。
一番伝えたい事
最後に、実はここからが話の核心です。
ここまで長々と話してきましたが、これ以外にも効果的な勉強法などは世の中にたくさんあり、有効なものもたくさんあります。それらを調べ活用する事は確かに大事ですが、結局は「やる」か「やらないか」しかありません。そしてその選択をするのは自分自身であり、その結果がどのようなものになっても自分で責任を持たなければなりません。今回は大学受験のための勉強という観点のお話しでしたが、今後の人生でも幾度となくこのような選択を迫られます。そういった時には、仮に第1志望に合格していなくても「自分は受験の時に頑張れた!」という成功体験がその後の人生に大きく役に立つ、自分の財産になると断言できます。
未来の自分のために、今この瞬間から頑張ってみませんか?