皆さんこんにちは。京都医塾数学科の杉多です。
今回は、共通テストで出題されている太郎さんと花子さんの会話形式の問題に挑戦してみましょう。数学に関する知識がなくても気軽に2分ほどで読んでいただけます。
それでは、2分間ミステリを解いてみましょう
花子:最近学校はどう?
太郎:楽しいよ。最近、先生の年齢クイズが学校で流行っているんだ。
花子:へえ、面白そうね。
太郎:担任の佐藤先生に年齢を聞いたら、『素数だよ』って答えられたんだ。
花子:それだけじゃ決められないね。
太郎:そのあとに、二十代後半っていう情報も教えてくれたよ。
花子:じゃあ、佐藤先生はアイ歳ね。太郎:次は校長先生に年齢を聞いたら、『平方数かつ立方数の二桁の自然数』って言ってたよ。
花子:二桁の自然数のうち、平方数かつ立方数なのは、ウエのみだから、校長先生はウエ歳ね。 花子:それはちょっと難しいね。正の約数の個数はその数を素因数分解することによって求められるから、それを利用して考えるといいね。例えば、18を素因数分解すると\(2×3^{2}\)となるから、18の正の約数の個数はオ個ね。だから、ちょっと難しいけど、鈴木先生の年齢はカキ歳ね。太郎:そうなんだ。じゃあ、僕は人に年齢を聞かれたらどう答えたら良いかな?
花子:太郎はク歳だから、『最も小さい完全数』と答えたら?ママはケコ歳だから、『二番目に小さい完全数』と答えるから。みなさんは解けましたか?
いかかでしたか?今回は「整数」を題材とした問題でした。
共通テストでは、太郎さんと花子さんが同級生の設定で話が進むことが多いですが、他の関
係性でも話を進めることができますね。
以下、解答と解説です
アイ:29
素数とは、「2以上で、正の約数が1と自身のみである自然数」のことです。素数を小さい
順に並べると、2,3,5,7,11,13,17,19,23,29,31,37…となります。
ウエ:64
平方数とは、「整数の二乗の形で表せる整数」のことです。平方数を小さい順に
並べると、0,1,4,9,16,25,36,49,64,81,100,121…となります。
立方数とは、「整数の三乗の形で表せる整数」のことです。正の立方数を小さい順に並べる
と、1,8,27,64,125,216…となります。
オ:6
自然数が、\(p^{a}×q^{b}\)の形で素因数分解できるとき、正の約数の個数は、\( (a+1)(b+1)\)
と計算できます。
カキ:60
12は \(12,2×6,3×4,2×2×3\)の4パターンの形で表すことができます。よって正の約数が12個の自然数は \(p^{11},p×q^{5},p^{2}×q^{3},p×q×r^{2}\)の4パターンで素因数分解されます。それぞれのパターンのなかで、最小のものを考えると、
\(2^{11}=2048 , 3×2^{5}=96,3^{2}×2^{3}=72,5×3×2^{2}=60 \)になります。
ク:6, ケコ:28
完全数とは、「自身が、自身を除く正の約数の総和と同じになる数」のことです。完全数を小さい順に並べると、6,28,496,8128…となります。大学入試では、「完全数」は知識として知っておく必要はありません。