こんにちは。京都医塾化学科の森岡です。
皆さん、受験勉強において以下のような経験はありませんか?
・問題集では解けるのにテストになったら解けなくなる。
・見たことない問題にまったく手が出ない。
・説明を聞いて完璧に理解したつもりになっても一人になると途端に解けなくなる。
いかがでしょうか。心当たりのある方も多いはずです。
なぜこのような状態になってしまうのかを、授業を受けるという観点から考察してみたいと思います。
この記事を読んで頂くと、授業をどのように受ければ効果的に学習が進められるのかが分かるようになり、効率よく勉強するポイントが分かるはずです。
大事なものは先生の解説の”前に”あった!?
皆さん、思い出してみてください。あなたは今、教室で問題の解説を受けています。まず自力で解いてみて、その後に先生が解説を始めます。例えば化学の解説であれば、実験の図を書き、数値を書きこんで、化学反応式を書き、計算式を書いて最後に答えを書く。
さて、この一連の流れで最も大切な部分がどこだか分かりますか?たしかに板書されたそれぞれの内容がすべて重要ではあるのですが、その意識ではまだ不十分です。解説の中で最も重要なのは、「なぜその解法を取ろうと思ったのか」「どうして他の方針ではなかったのか」という板書が始まる前の「理由」の部分であり、それは解説が始まる前に話している言葉の中にあります。つまり板書が始まる1行目の1文字目の前に喋っている内容こそが最も重要なのです。そしてこれこそが問題集の解答解説には載っていない部分であり、授業を受ける最大の意義です。
したがって、何となくボーっとしていて気が付くと結構板書が進んでいたから慌ててノートに写し、しばらくまたボーっとして、また写す…という繰り返しでは、しっかりとした授業ノートは出来上がりますが重要な部分を聞き逃してしまっているので、とても非効率な学習を行っていることになります。説明されたら分かるんだけどテストになると自力で解くことが出来ない、ちょっと設定を変えられるともうお手上げ、という状態に陥る原因はココにあります。
単なる解法のトレースでは問題集は解けても、入試問題を解き切る力はなかなか身に付きません。逆にその解法を取ろうと思った「理由」に着目できれば、その「理由」を使って解くことが出来る問題をまとめて理解したことになり、パターンを丸々手に入れたことになるので問題を解く力は飛躍的に大きくなります。つまり、その問題「を」解くのではなく、その問題「で」手に入れるのです。その解法を使った理由や論理的な根拠を。
ただし、ここまで述べてきた内容には前提条件があります。それは上の解説の例でいうと「板書内容が一通りに身に付いていること」です。学習の基本はインプットであり、まずは知識の習得が最優先です。この基本が疎かなままでは「理由」の部分が正しく理解できません。正しく学習するためには、先ずは基礎知識の習得を行い、その後に論理を理解する段階に入る必要があります。
終わりに
どうでしょうか。授業を受ける際に重要な部分が分かってもらえましたか?
今後授業を受ける時にはこの部分に注意してみて下さい。問題に対する理解度が大きく上がるはずですよ。