京都医塾化学科の児玉です。
共通テストが終了し、私立大学の入試が始まりました。国公立大学の二次試験も控える中、受験直前期の過ごし方がよくわからない、何をするべきなのかが分からないという方も多いと思うので、化学に関しての受験直前期の過ごし方について紹介します。
時期別・分野別に紹介するので、気になる部分を優先的に読んでみてください。
受験から2週間前~3日前
① 理論化学
過去問を解いたときに出来なかった問題、苦手分野の類題などを、問題集を用いて演習を重ねましょう。もちろん、新しい問題集には手を出さないように!
その際、大学によっては出題頻度に差があるため、過去問をチェックしてみて、頻出分野を重点的に演習することも大事です。
② 無機化学
無機化学は暗記が全てと言えます。使っていた教科書を一通り見直して、忘れてしまっていた箇所・曖昧な箇所を総ざらいしておきましょう。一問一答や、暗記カードなどを有効活用して、効率的に知識確認をしていきましょう。また、知識確認のために、問題集を解いてみることもオススメです。
受ける大学によっては、無機化学からの出題が少ない場合もあります。①理論化学の際にも述べたように、過去問チェックは忘れないようにしましょう。もし、無機化学からの出題が少ないようであれば、無機化学に使う時間を少し抑えて、その分を理論化学や有機化学に時間を回しましょう。
③ 有機化学・高分子
暗記も大事ですが、有機化学の構造決定、高分子の計算など、暗記以外の部分も重要になります。まずは教科書を見直して、基本的な知識確認をしておき、忘れてしまっていた場所はきちんと覚え直しておきましょう。その上で、構造決定の問題や高分子の計算問題などを数多くこなし、慣れることを優先して学習しましょう。
受験前々日・前日
① 理論化学
新しい問題集はもちろん、今まで解いていなかった新しい問題に手を付けるのは控えましょう。この時期に新しい問題に手を付けてしまうと、むしろ不安が大きくなり逆効果になる可能性が高いです。今まで解き続けてきた問題をもう一度総ざらいしておきましょう。問題を見て解法を頭の中で思い浮かべるだけでも十分です。苦手意識の強い問題は、思い浮かべるだけでなく最後まで自分で計算して確認しておきましょう。
② 無機化学
無機化学全体を、浅く広く確認していきましょう。もう深く掘り下げて覚える時間はないので、反応式や性質、製法など、基本事項を重点的に暗記していきましょう。
③ 有機化学・高分子
問題を解く時間はあまりありません。構造決定や計算問題など、きちんとした問題演習をするのは数題程度に抑え、無機化学同様に、検出反応や構造式などの基本事項の暗記を優先しましょう。
当日の休み時間
① 理論化学
直前にチェックしておくのは、苦手意識の強い問題の解法(解く時間はもちろんないので解法を思い浮かべるだけ)、各種公式や法則などです。盲点となりやすいのは、ルシャトリエの法則、ボイルの法則など、公式や法則を発見した科学者の名前です。人物名を聞かれる場合もあるので、最後にチェックしておきましょう。
② 無機化学
全体を通して満遍なく軽く確認しておきましょう。出題頻度がやや高い、オストワルト法や接触法などの工業的製法、金属の製法、沈殿の化学式と色などは少し念入りに確認しておくことをオススメします。
③ 有機化学・高分子
重要度の高いものから確認しましょう。元素分析、分子量の計算、検出反応などは、忘れていると構造決定でほとんど得点出来なくなってしまうので、重点的に確認しておきましょう。また、フェノールやアニリンなどの工業的製法や、メタンやアセトンの実験室的製法も確認しておきましょう。
皆さんの受験時期に合わせて、適切な形で学習し、受験本番に備えましょう。