「医学部生ってどんな生活をしているの?」
「毎日どんな勉強をしているんだろう?」
…など、大学生活への疑問はありませんか?
医学部に入学してからの生活を知る機会はなかなか少ないですよね。
今回は、医学部生活のイメージをより確かなものにするために、
・京都大学のいいところ
・今大学で勉強していること
・医学部に入って苦労したこと
など、医学部に在籍する先輩だからこそ語れる、大学生活についてお伝えします!
今回は、京都医塾現役生科で化学科の非常勤講師として活躍する、
富田厚志さん(京都大学 医学部医学科 4年生)からお話をお伺いしました。
目次
京都大学は自分の興味があることに集中できる大学
___京都大学のいいところを教えてください!
「自分の興味があることに集中できるところです。他の大学に比べて、毎回の授業で出される課題が少なく進級をしやすい制度となっているので、医学の勉強をより深めるもよし、研究や部活、遊びや趣味に没頭するもよし、いろいろな道がひらけています。
私の友達では、1回生のうちから研究室に通い続け、既に論文に名前が記載されている人や、GWやNF休み(=毎年11月にあるNFという京大の学園祭の実施期間に合わせて設けられる休みです。)を利用して、長期の海外旅行を楽しんでいる人もいました。もちろん、試験勉強をないがしろにして単位を落とし続けると留年してしまうので、自分で計画を立てたり、管理する能力も必要です。」
京都大学 医学部 医学科のカリキュラムを紹介
___今どんな勉強をしていますか?
「京都大学 医学部 医学科では1回生で一般教養、2回生から3回生の前期に基礎科目、3回生後期から4回生にかけて臨床科目を学びます。基礎科目は解剖や組織など、人体の基本的な構造や機能を学びます。一方で、臨床科目では、内科や外科、小児科、産婦人科など、診療科ごとに病気について詳しく学んでいきます。その後、5回生から6回生では病院実習が始まり、病院で患者さんに接しながら、現場の医師による指導を受けます。
私は現在、新5回生で、基礎・臨床ともに座学での勉強が終了しており、病院実習の前の期間に当たります。大学の授業はありませんが、国試用の対策問題集や国試向けの予備校が出している動画教材を利用して、病院実習に向けて予習を行っています。」
医学部の試験・講義で苦労したこと
___医学部に入って苦労したことは?
「大学受験では化学・物理選択だったので、生物系の授業の理解に苦労しました。医学部の授業では度々生物に関連する事項が出てくるのに加え、中には英語で授業を受けることもあったので、ついていくのが大変でした。周りの人たちと協力しながら、試験対策プリントやまとめプリントを作成して何とか乗り切ったのを覚えています。
また、一般教養が終わって初めにある医学の授業である解剖という授業にも苦労しました。部屋の中のホルマリンの匂いが強かったり、長時間作業を行ったりする肉体的な負担もありましたが、どれが今探している血管や神経なのかが分かりにくかったため苦労しました。多くのことを覚えていく医学の勉強スタイルにも慣れていなかったのが原因として大きかったです。」
__「医学部は暗記地獄だ」と伺うことがありますが、実際のところどうですか?
「ある程度は暗記する必要があることも多いです。語呂合わせや他の知識と結びつけて覚えていくことが重要です。」
___高校までのテストと医学部のテスト、違いはありますか?
「高校までと比べて、理解する内容が格段に難しくなると感じます。」
患者さんの気持ちに寄り添う医師になりたい
___どんな医師になりたい?
「病院での臨床実習を経験していないので、未だ各診療科へのイメージを明確に持つことができているわけではないのですが、現時点では外科ではなく、内科や総合診療医を志望しています。その理由は、どちらかというと手術での技術を磨くというより診察や診断において患者さんに寄り添いたいと考えているためです。そのような医療を行うために、これからの学生生活では、患者さんの話をしっかり聞き、気持ちに寄り添いつつ診断を行えるよう、コミュニケーション能力や分かりやすく伝える力、また、より深い医学についての知識を身に着けていきたいと考えています。」
大学生活は自分の行動力次第
___これから医学部に入学する人にメッセージをお願いします。
「大学では自由に使える時間が圧倒的に多く、自分のやる気次第で本当に様々なことを経験し、学ぶことができます。その一方で、自分から動いていかなければどんどん選択肢は狭まってしまい、貴重な機会を失ってしまうこともあります。少しでも興味があれば活動の幅を広げて、多くの人と関わっていくのが大切だと思います。
医学部の6年間は長いようで、気が付けばあっという間に過ぎ去っている、という話をよく聞きます。現に私のこの4年間はあっという間でした。皆さんが学生生活を振り返ったときに後悔がなく、充実した6年間だったと思えるように、常にアンテナを張り、新しい世界に飛び込んでいってください。」
※個人の感想・意見を記載しております。参考になれば幸いです。
終わりに
京都大学を目指す方には、富田さんの思う魅力を知って志望動機を深めることができたのではないでしょうか。
今後も京都医塾で活躍する医学部の先輩方から、大学生活についてお伺いしていきます!次回もお楽しみに!