こんにちは、京都医塾 国語科の内海です。今回は、「同志社大学の現代文」についてお話したいと思います。
同志社大学 現代文の特徴
私が個人的に考える同志社大学 現代文の主な特徴は、以下の三点です。
1) 長い評論文
2)「 “ちっちゃい” 共通テスト」
3) 記述問題
以上です。
それでは、上記三点の特徴についての詳細と、それぞれについての対策をいかに述べたいと思います。
1) 長い課題文
同志社大学の現代文では、大問一でかなり長めの評論文が出題されます。その文字数は約5000~6000字であり、B4用紙の見開き3ページ分程度となります。これがどれほどの長さであるのかは、共通テストの評論文(約3500字)と比較すれば分かりやすいかと思われます。
したがって、同志社大学の現代文を攻略するためには、まずこの長さの課題文を正確に読み解くための訓練が不可欠となります。そして、この訓練を通して獲得して頂きたい能力は、【a) 「どこに・何が書かれてあるか」の把握力、b) 読解の体力】の二点です。
1-a)「どこに・何が書かれてあるか」の把握力
これは、同志社大学の現代文に限ったことではないのですが、「どこに・何が記されていたか」が瞬時に分かるような“メモ”を、「設問を解く時の自分」に向けて残しておく必要があります。これが無い場合、設問を解く際に大きなタイムロスを生んでしまいます。少なくとも、「筆者の主張には傍線」・「筆者の否定する意見には波線」の二点はメモを残しておくとよいでしょう。
1-b) 読解の体力
読解にも、文字通り体力が必要です。これが十分に足りていないと、本文終盤で“体力切れ”を起こし、内容が頭に入ってこないという状態に陥ります。この体力を身に付けるためには、何より「多読」が有効です。受験予定のない大学の問題でも構わないので、可能な限り多くの長文を読む経験を積みましょう。
2) 「“ちっちゃい”共通テスト」
同志社大学の設問は、旧・センター試験(現・共通テスト)の設問と特徴が類似しています。具体的には、傍線部の「具体的な説明」や「理由」としてもっとも適当なものを選ばせる、非常にシンプルな設問が多いです。ただ、「設問の難易度」や「選択肢の長さ」は共通テストと比較するとすべて“易(優)しく”設定されています。そのため、共通テストの現代文に用いている「解き方」を踏まえれば、同志社大学の現代文には十分に対応できるものと考えます。
3) 記述問題
本文中に引かれた傍線部に対して、「具体的な説明」を求める問題が多いです。この同志社大学の記述問題に特徴的なのは、「要約力」です。というのも、この記述問題…長文のキーワードや主題を題材とする一方で、文字数制限が非常に厳しいです(たいてい四十字以内)。そのため、傍線部の内容と関わる筆者の主張を、端的にまとめあげる作業が必要となります。
加えて、一説によると…同志社大学の現代文においては、この記述問題の配点が非常に高いとも言われています(あくまで噂です)。したがって、1)項目にも記した「どこで・何が記されていたか」も役立てた上で、加点対象となる情報を全て見つけ出す訓練が不可欠です。
最後に
今回は、内海が考える「同志社大学 現代文の三つの特徴」を述べました。 「この全てを踏まえていなければ、同志社大学の現代文では得点できない」なんてことは、決してありません。しかし、いかなる入学試験においても、「傾向と対策」の把握が良い結果をもたらすことは言うまでもありません。今日から受験本番までに皆さんが経験する全ての現代文の演習が、今まで以上に意味を持つものになることを祈っています。