京都医塾化学科です。
このページでは「岩手医科大学の化学」についての過去問を分析します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“岩手医科大学”の受験を考えている方
・“岩手医科大学の化学がどのような問題か知りたい”という方
におススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。
概要
【形式・制限時間・配点】2021年度(最新の問題より)
形式:マーク式
時間:理科2科目で120分
大問数:3題
配点:75点
出題の傾向と特徴(3年分)
2019年度以降の3年分について、分野別の傾向をまとめます。
【①理論化学】
毎年、1題は出題されています。主な出題テーマは
・「物質の構成、浸透圧、不均一触媒、電離定数とpH(2021)」
・「同位体、中和滴定、電気分解、熱化学、化学平衡(2020)」
・「コロイド、熱化学、電池・電気分解、電離平衡(2019)」
です。
(講評)
年度ごとの出題テーマからもわかるとおり、出題範囲は多岐に渡ります。難易度自体は標準的な問題が多いですが、細かい知識を問う問題や繁雑な計算を要する問題も一部あり、時間配分を間違えると、一気に時間が足りなくなる問題構成となっています。
【②無機化学】
毎年、1題は出題されています。主な出題テーマは
・「1族・2族・14~18族元素、遷移元素の性質と反応性(2021)」
・「リン、ケイ素、鉛、鉄、気体の製法(2020)」
・「水素、15族元素、気体の発生、鉄、物質の工業的製法(2019)」
です。
(講評)
難易度としては基本~標準であるが、無機化学全般から偏りなく出題されるため、知識を確実に身に付けておく必要があります。また、正誤問題の割合が非常に多いので、そのための対策を行っておく必要もあります。かなり正確な知識を問う問題が多いので、基本的な知識について曖昧な部分が残っていると正答にはたどり着けません。気体の製法、物質の工業的な製法、沈殿生成については完璧に身に付けておく必要があります。
【③有機化学】
毎年1題は出題されています。主な出題テーマは、
・「カルボニル化合物の異性体、アルコールの性質・反応、油脂の性質・反応、アゾ染料の合成実験、タンパク質の構造・性質、二糖類の加水分解(2021)」
・「元素分析、立体異性体、有機化合物の溶解性、芳香族化合物の性質、糖類の性質、タンパク質の構造(2020)」
・「元素分析、芳香族炭化水素の性質、芳香族アルコールの構造決定、糖類の加水分解、タンパク質の性質、医薬品(2019)」
(講評)
脂肪族化合物、芳香族化合物を問わず幅広く出題されています。有機化合物の製法や検出反応は確実に抑えておきましょう。また、天然高分子分野からの出題が毎年あるので、糖類、タンパク質については知識を隅々まで身に付けておく必要があります。難易度としては標準的な問題が多いですが、細かい知識を聞いてくる問題も一部あるので、時間配分に注意して、解ける問題を確実に得点していく必要があります。
【制限時間に対する問題量】
1科目あたり60分で3題ですので、大問数で単純に割ると1題20分となりますが、計算問題に付いては煩雑なものが出題され、正誤問題に付いては文章を一つ一つ丁寧に読む必要があるので、時間的な余裕はありません。
まとめ
理論化学・無機化学・有機化学が1題ずつ出題され、分野の幅も多岐に渡ります。この出題範囲の幅に加え、計算問題の煩雑さが試験時間を圧迫してきます。さらに、岩手医科大学の化学で最も特徴的なのは、正誤問題の多さとその難易度です。正誤問題は小問ごとに一つ一つの文章全てについて正誤の判断を求められ、その全てが合って初めて正解となります。そのため、知識が曖昧な部分があると正答率がかなり低くなることが予想されます。
上記の通り、高得点が出辛い問題構成となっているので、正誤問題の対策を十分に行ったうえで、解ける問題を確実に正答する姿勢が、合格へと近づく方法となります。
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