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日本史とともに歩む、京都の神社仏閣 第9弾

日本史とともに歩む、京都の神社仏閣 第9弾

 皆さん、こんにちは、こんばんは。本日は円町校の江島が「日本史とともに歩む、京都の神社仏閣」第9弾をお送りさせていただきます。

伏見稲荷大社

 京都府伏見区深草というところに位置する、全国3万社を誇る稲荷神社の総本宮となっている神社です。京都の神社仏閣の人気ランキングでは、必ずと言ってよいほど上位につく、とても人気のある神社なのでご存じの方がほとんどだと思います。ちなみに「大社」というのは、稲荷神社のように特定の神様を祀った神社の「総本社」を指す言葉なので、出雲大社なんかもそれにあたります。

 創建が開始されたのは、708年、なんと奈良時代にさかのぼります。意外に早いんです。平安時代、鎌倉時代と時の権力者や天皇が繁く参拝していたことが、歴史書の中でも語られており、その後、応仁の乱で焼けてしまうのですが、1499年には再建が完了するなど、当時の人々にとってお稲荷さん(伏見稲荷大社の愛称)がいかに大切だったのかがわかります。

 伏見稲荷大社と言えば、何といってもやはり「千本鳥居」でしょう。実際には1万基以上あるそうですが(笑)

 本殿を奥に抜けていったところから並び立つ鳥居の姿は圧巻なので一度は見ていただきたいです。円町校に在籍する非常勤講師の先生から聞いた話なのですが、稲荷山を登っていくと、お寺巡りルートが交差する「四ツ辻」という場所があるそうで、そこから眺める夜景は「めっちゃキレイ」とのことです。さらに、自然と親しみながら京都をめぐる「京都一周トレイル」のスタート地点にも選ばれているようで、伏見稲荷大社は、現代においても京都が誇るトップスター的名所としてその輝きを維持しています。

 日本史関係の話はほとんど出なかったのですが、触れておかずにはいられないということで特別枠としてご紹介いたしました。

本能寺

 1つ目が、日本史色薄めだったというのもあり、2つ目は濃い目のものを選びました。「本能寺」です。歴史上でのインパクトとは裏腹に、京都市中京区にひっそりと位置しています。御池通から寺町商店街に入ってすぐのところに門があるのですが、初めてそれを見たとき、その控えめ感に衝撃を受けました。法華宗(日蓮宗の別称)の大本山ということでランクの高いお寺なのですが、何を差し置いても「本能寺の変」に勝るキーワードはないでしょうね。

 尾張の、家柄としては守護代出身の織田信長は、1560年、「桶狭間の戦い」で今川義元を破るという衝撃的なデビューを飾ります。天下統一に対する彼の本気度は別格で、目標達成のためには手に入れた美濃(岐阜県)の地をあっさり捨て、近江(滋賀県)に移り住むなど周囲の人間が驚くことを平気でやってのけます。その姿に心惹かれた家臣は大勢おり、明智光秀、森蘭丸、柴田勝家、丹羽長秀、羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)など枚挙に暇がありません。同盟相手としてはあの徳川家康もいます。1573年の「長篠の戦い」など彼自身の戦果も有名ですが、全国統一のために各地域をおさえる役目は、基本的には家臣たちに任せていました。甲斐の武田は徳川家康が、北陸の上杉や直江は柴田勝家・前田利家が、小田原の北条は滝川一益、四国の長曾我部は丹羽長秀、中国の毛利は羽柴秀吉…という風な感じです。明智光秀だけは自身の側近としてそばに置いておいたんですね。毛利元就なんて当時最強クラスの人物だったのに、それを秀吉に行かせるという、先を見越した人事配置は、信長の上司としての優秀さを物語っています。

 では当の信長本人は何をしていたのかというと、一向宗(浄土真宗)と戦っていました。1570年から本願寺の顕如と「石山戦争」を展開し、信長がなくなる直前まで続きます。また信長は宗教弾圧に力を入れる人間としても有名で、安土宗論を出して京都にいる法華宗を弾圧したりします。石山戦争がようやく終結し、最も苦戦しそうな秀吉の加勢に向かおうと一泊した本能寺で、明智光秀に裏切られ、「是非に及ばず」という名言を残し、その生涯を終えることとなります。法華宗を弾圧したくせに、法華宗のお寺に一泊するあたりが信長の性格を表している気がしますね(笑)。波乱に満ちた生涯でしたが、「そりゃ織田信長は人気あるよな」という生き様でしたね。日本史全体においても認知度が高い、あの有名な事件の現場にもなった本能寺の紹介でした。

 本日は以上です。お疲れ様でした。

投稿者:江島 祥人

  • 役職
    英語科主任/英語科講師
  • 講師歴・勤務歴
    7年
  • 出身大学
    大阪市立大学経済学部
  • 特技・資格
    特に目立ったものはないです
  • 趣味
    音楽鑑賞
  • 出身地
    京都府
  • お勧めの本
    武器としての決断思考

受験生への一言
初めて出会う事柄に対して、出来る限り「考えて」みてください。自分の価値観と照らし合わせてみて、ああだこうだと「腑に落ちる」まで考えてはじめてそれが知識となり、皆さんの力となります。